
先日NHK衛星で放映された映画『ファール・プレイ』がDVDレコーダーにたまっていたので見る。この映画、おそらくもう10回以上観ている。何度観てもあきない。映画史に残るような映画じゃないんだけど、ストーリーにひねりが効いているし、登場するキャラクターにも魅力があるし、役者(ゴールディ・ホーンにチェビー・チェイスにバージェス・メレディスにダドリー・ムーア、レイチェル・ロバーツ!!)も素晴らしい。
基本的にはヒッチコックのパロディで、ベースとしているのは『知りすぎた男』。でも、メル・ブルックスみたいな直裁的なパロディをするんじゃなくて、ひねって、ちょっと外している。『逃走迷路』や『ダイヤルMを廻せ』のシーンを彷彿とさせるところもあるし、『北北西に進路を取れ』の俯瞰のショットや『汚名』のワイン・セラーなども、ちょっぴり引用している。
今回再見していて気がついたのは、この映画、今見ると差別的とさえ思えてしまうようなギリギリの描写が多数もりこまれているということ。小人(セリフでは『指輪物語』でおなじみの“dwarf”と言っているが、昔は“小人”、今回は“ちっちゃな人”と訳されていた)やアルビノ(白子)、日本人観光客など。差別的とまではいかないが、大司教を小馬鹿にしているし、南部訛りも馬鹿にしている。オーケストラの指揮者も変態だし。もしかすると、バニー・マニロウを使っているのも…‥?!
この映画の監督であり脚本家でもあるコリン・ヒギンズは、老婆と自殺願望の青年との真面目な恋物語『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』の脚本を書いた人。もしかするとタブーを敢えて題材にするのが好きな人だったのかも。このあと『9時から5時まで』『テキサス一の赤いバラ』を撮ったあと、1988年にエイズで早々と死んでしまったので、はたしてどんな人だったのかあまりにも資料がない。