
CSの日本映画専門チャンネルで、藤田敏八監督『修羅雪姫』(1973年・東宝)を見る。
『修羅雪姫』と言えば、タランティーノが『キル・ビル』を撮る際に影響を受けた映画群の一つ。そんなことで一躍クローズアップされ、なんと最近DVDも発売された。じゃあレンタルしてみようと思っていた折りも折り、CSでやっていたので見てみました。
なるほど、こりゃあ『キル・ビル Vol.1』のベースは『修羅雪姫』そのものだ。“女の復讐”というストーリーラインや梶芽衣子が唄う「修羅の花」がそのまま使われているということだけじゃなく、ストーリーをチャプター立てしているところやカメラの構図、アクション・シーンなどもモロなぞっている。
そんな引用の中で一番印象的なのは、梶芽衣子の仇である岡田英次、仲谷昇、中原早苗、地井武男が、梶芽衣子の母親である赤座美代子を上から見下ろすシーン。この構図は、ダリル・ハンナ、ルーシー・リュー、ヴィヴィカ・A・フォックス、マイケル・マドセンがユマ・サーマンを見下ろすシーンにそっくりだ。


他にも、雪がシンシンと降りしきる中での立ち回りや、劇画(『キル・ビル』ではアニメーション)が挿入されていること、“戦いの極意”のナレーションが被る部分(『キル・ビル』では千葉真一、『修羅雪姫』では西村晃)などその類似点は多い。
となると“引用だらけの映画”という批判が聞こえて来そうだが、まあ、いちおうタランティーノ風に料理しているからイイんじゃないかとは思う。それを好きかどうかは大きく別れるとは思うけど。
次は『片腕ドラゴン』と『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』でも見てみようかな。
先日WOWOWでやっていた映画『二十四の瞳』がDVDレコーダーに溜まっていたので観る。
めちゃくちゃ有名なもんだと、あからさまに「好きだ!」というのが“あまのじゃく”な自分にとってはとてもはばかれる。でも、この木下恵介の映画『二十四の瞳』は、やっぱり何度観てもイイ。壺井栄の原作も有名だし、この映画も有名だから、あらためて「素晴らしい!」と声高に言うのは少し気恥ずかしい気もするんだけど……。いや、そんなことはない。もう時代は流れて、自分にとっての“有名”は、もう過去の遺物に成り果てているのかもしれないから、誰かが改めて評価してあげないと。そうしないと、おそらく今の若い人は、この原作も映画も知らないだろうし、知る機会も大人から与えられないんだろうから。古い日本映画の再評価をせっせとやりましょうか。次回は吉村公三郎の『安城家の舞踏会』を。
それで、この木下恵介の『二十四の瞳』。ラストまで見終わっていつも気になるのが“富士子”のその後。映画の中で特に不憫なのが“富士子”“松江”“コトエ”の3人。奉公に出された“松江”は、映画の最後で高峰秀子演じる大石先生と同窓会で再会することができる。寝たきりの“コトエ”は残念ながら肺病で死んでしまったことがわかる。しかし“富士子”については何も語られないで終わる。没落した庄屋の娘で、まるで夜逃げをするように村を去っていった“富士子”。いったい彼女の半生はどうなったんだろう?
映画のラストで、得に実話の場合には、主人公たちの“その後”がテロップで流れる場合がある。例え実話だとしてもそんなにベラベラ喋らないで、赤毛のアン曰く「想像する余地を残して欲しいわ」と思わなくもない。この『二十四の瞳』では“富士子”のことだけ、木下恵介は想像の余地を残してくれた。おそらく原作通りのセリフを入れるのは、唱歌を多用する映画としてのバランスを欠くと考えたのだろう。
映画の登場人物のその後を想像するのも楽しいものだ。『道』のザンパノは? 『卒業』のダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスは? 『カッコーの巣の上で』のチーフは? そして“富士子”のその後は? そんなネタを酒の肴にしながら、ずっと喋っていっれたらなあ。和田誠と山田宏一の「たかが映画じゃないか」のように。
たまに電車に乗ると、その電車に乗るという行為から垣間見える習俗に自分が疎くなっていることがよくわかる。最近では例えば女子高校生のスカートの長さ。なんであんなに短いんだ。彼女達はいったい何をしようというんだ。大江戸線のなが〜いエスカレーターを下から見上げたりすると、あれっ? もしかすると見えちゃったりしちゃうんじゃない? なんて邪な考えがよぎってしまう。でも、あいにく手鏡なんてものは持ち合わせていないし、カメラ付き携帯も持っていないし、そもそも電車にも乗ることもあまりないので、おそらく東京都迷惑防止条例違反をするようなことはないでしょう。
と思って自転車を漕いでいたら、真ん前に女子高校生の乗っている自転車が。なぜか、セナとプロストのようなテール・トゥ・ノーズ状態。道が狭くてモナコなので追い抜けない。まあ、それはそれでしょうがないのだが、なんと彼女の短いスカートがサドルとお尻の間にたくし込まれていない! つまりスカートがヒラヒラと風でそよいでいるのだ。これがまた見えそうで見えない。いやいや、そんなことじゃない。これじゃまるで中身を見ようと思って一生懸命追いかけているみたいじゃないか。果たしてこの状態は東京都迷惑防止条例違反なんだろうか? だとしたらどうしろと言うんだ。これでカメラ付き携帯なんかで写真を撮ったりしたら完全に違反なんだろうなあ。つまり、目の前にぶらさがっているにんじんに食らいついてしまったら最後なわけだ。
自己責任うんぬんと言い、年金未納問題と言い、なんとも変な世の中! なんとも世知辛い世の中だ。