
2006年02月20日
マスターズ・オブ・ライト
Posted by ag at 23:08/ カテゴリー: BOOK_Database
■マスターズ・オブ・ライト アメリカン・シネマの撮影監督たち
■デニス・シェファー、ラリー・サルヴァート
■高間賢治、宮本高晴訳
■フィルムアート社
■文省堂書店
むかし、テレンス・マリックの『天国の日々』をシネマ・スクウェアとうきゅうで見たとき、その映像の美しさに度肝を抜かれたことがあった。映画を見て、面白いとか、面白くないとか、そういう感想を持って劇場を後にすることが、まあ、普通なんだろうけど、この『天国の日々』の場合は、そんな次元を一つ突き抜けた、衝撃を持って劇場を後にした数少ない映画のひとつだった。
『天国の日々』の撮影監督は、ネストール・アルメンドロス。この本には、その『天国の日々』の美しさのテクニックが書かれてあって、それがとても興味深い。以下は、その一部。
普通のレンズで始めて、次に明るいスーパーパナビジョン・レンズに変える。それはF値が1.1まで開くのです。つまり最初はF1.4レンズに頼っていたけれど、F1.1まで開くという50ミリレンズがあるということで、急いでそれを手に入れ、光が消え始める時にそのレンズをつけることにした。その次は、もう一絞りかせぐため85フィルターを外し、そして最後の手段としては増感現像を行った。
あの、夕暮れ時(テレンス・マリックはこれを「マジックアワー」と呼んでいる)の美しさの秘密がこんなところにあった。
この映画の美しさを目の当たりしてから、監督を注目するとともに、撮影監督も気にするようになっていった。ゴードン・ウィリスやジョン・オルコット、オーウェン・ロイズマンなど。でも、最近の映画では、あんまり撮影が気にならなくなってしまった。なぜなんだろう? CGなどデジタル技術を使わなければならないので、それとマッチさせるための撮影方法というものが画一化されてしまったんだろうか? 『エクソシスト』の、あの白い息を撮るために、冷凍庫の中で撮影したからと言うからなあ。今じゃ、すぐにCGだ。