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 2006年08月27日
 黒澤明 VS. ハリウッド
Posted by ag at 22:29/ カテゴリー: BOOK_Database

黒澤明 VS. ハリウッド■黒澤明 VS. ハリウッド
■田草川弘
■文藝春秋
■三省堂神田本店

黒澤明が如何にして「トラ・トラ・トラ!」の企画に参加し、そしてまた如何にして監督を降板したか。それが当時の20世紀フォックスの資料によって忠実に再現された本。章立てが巧く、まるでサスペンスを読んでいるように、ドキドキ、ハラハラ。それに、黒澤明のことや、ダリル・ザナック、20世紀フォックス側のプロデューサーだったエルモ・ウィリアムズのことを、丁寧に、細心の注意を払って人物像を掘り下げていることにも好感を持てた。ただその分、当時黒澤プロに所属していた青柳哲郎がちょっぴり悪役に。これをきっかけに仲違いした菊島隆三と共に、やはり彼らの証言も聞きたかったような気が……。それを補足するように、文藝春秋のサイトに田草川弘と野上照代の対談があって、その中に青柳哲郎のことが若干話題に出てくる。彼も、ただ単に、攻めを一身に集めるべく人柱となった役割を演じていただけのような。

この対談の中にも出て来る、黒澤明が「トラ・トラ・トラ!」の製作発表時に語った言葉が、本当に、彼の未来を予言していたようで空恐ろしい。そして、この「トラ・トラ・トラ!」監督降板の顛末を書いた「黒澤明 VS. ハリウッド」のことも端的に現している。

この作品は勝利の記録でもなければ、敗北の記録でもない。一口で言えば、日米両国の誤解の記録であり、優秀な能力とエネルギーの浪費の記録です。
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