
■カポーティ
■ベネット・ミラー
■フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリス・クーパー、クリフトン・コリンズJr.、ブルース・グリーンウッド、ボブ・バラバン、マーク・ペレグリーノ
■2005/アメリカ
■ワーナー・マイカル・シネマズ・板橋
冒頭、文化人が多く集うニューヨークのパーティ、その輪の中心でジョークを飛ばすカポーティから、ポン、と、カンザスの色の薄い風景にカットを飛ばすシーンがなかなか素晴らしい。そして、その対比は、真実と偽りの対比に呼応していく。ニューヨークの社交界がうわべだけの偽りだとすると、感情を押し殺して生きているようなカンザスの人びとが真実とでも言うような。
結局、自分は真実しか話さない、と豪語していたカポーティが、死刑囚ペリー・スミスに嘘を押し通した意味は何だったんだろう? そこに人間が介在する場合には、自分にとっての真実は必ずしも相手にとって真実とはなり得ないし、偽りは必ずしも偽りとはなり得ない。ということかなあ?
アカデミー主演男優賞を取ったフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は、たしかに巧いとは思うけど、やっぱり無理矢理作っている感じが否めない。それよりも、ネル・ハーパー・リーを演じたキャサリン・キーナーが素晴らしい。作っている演技と自然な演技。これも、はからずも偽りと真実。
■パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
■ゴア・ヴァービンスキー
■ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、ジョナサン・プライス
■2003/アメリカ
■DVDレンタル
いまさらながらに見たんだけど、なんでこれがヒットするの? という映画だった。ジョニー・デップの、フラフラ、フニャフニャ、ヘロヘロ、トロトロのジャック・スパロウが少し面白いだけで、全体の核となるストーリーがつまらない。海賊映画ってのは、もうちょっと爽快感がないダメなんじゃないのかなあ。エロール・フリンの映画のように。エロール・フリンの海賊映画を見たことはないけど。
■ブラック・ダリア
■ブライアン・デ・パルマ
■ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー、リチャード・ブレイク
■2006/アメリカ
■TOHOシネマズ六本木
ジェームズ・エルロイの原作は、なぜ読もうとしたのかは忘れたけど、数年前に読んでしまった。とはいえ、複雑な内容なので、細かいところはすっかり忘れていた。映画は、その複雑さをうまく料理できていなくて、なおかつアイスとファイアの人物対比もうまくできてなくて、デ・パルマっぽい映像も随所にはみられるけど、よっ! デ・パルマ! って映像もあんまりなくて、まったく眠い映画。スカーレット・ヨハンソンも、『マッチポイント』に比べたら魅力なし。女優は、撮る人によって、綺麗になったり醜くなったり、その幅は限りない。
パ・リーグのプレイオフって、おかしなシステムだけど盛り上がっちゃうんだからしょうがない。昨日の試合もしびれる好い試合だった。最後のサヨナラの場面、2塁へ送球すべきか、3塁をを回った走者を確認すべきか、それを体勢が崩れた状態で、さらに時間として0.1秒くらいで判断しなければならなかった。結果としては、2塁をアウトにするよりも、3塁走者を牽制するべきだったんだけど、そんなの仲沢を責める事なんてできない。ソフトバンクは3年連続、ほんとうに可哀想。くずおれた斉藤和巳を見て、おもわず涙がこぼれそうになった。
新庄のシナリオ通りに進んだ、日本ハム優勝のドラマがここに完結。
■ある子供
■ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
■ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、オリヴィエ・グルメ
■2005/ベルギー=フランス
■DVDレンタル
どことなく空虚で、すべてが薄く、浅はか。であるにもかかわらず、愛情があって、親切で、正直。だから、軽はずみで事を起こすんだけど、思い直したりする。自首したりする。こんな人間が増えつつあるのは、ベルギーも日本も同じだった。いまの人間を的確に捉えている素晴らしい映画。