
2007年04月24日
虹を掴んだ男 上 サミュエル・ゴールドウィン
Posted by ag at 19:14/ カテゴリー: BOOK_Database
著者:A・スコット・バーク
翻訳者:吉田利子
出版社:文藝春秋
購入場所:茶々文庫
映画という娯楽が人びとのあいだに浸透しつつある1920年頃、やり手のアクの強い人物たちがこの新しい産業に目を付け出した。その中の一人が、手袋を売り歩いていたサミュエル・ゴールドウィン。その彼の一生を追いかけたのがこの本。彼の代表作『虹を掴む男』になぞらえて「虹を掴んだ男」。
とにかくサミュエル・ゴールドウィンの歴史は映画の歴史であると同時に、人と争うことの歴史に他ならない。喧嘩した相手は、アドルフ・ズーカー、ルイス・B・メイヤー、メアリー・ピックフォード、ハワード・ホークス、ウィリアム・ワイラー、リリアン・ヘルマンと、なんだか凄い。いや、すぐに人と諍いをする人は世間一般に大勢いるんでしょうが、この人の凄いところは、喧嘩しながら優れた仕事をこなすというところ。まったく相手を尊重しないし、ケチだし、人が嫌われるようなことをすぐするし、いやいや、前提として人に好かれようとはまったく思っていない。それなのに、ゴールドウィンが作る映画はクオリティの高い映画、なんてブランドが出来てしまう。
何かしらのチームがあるとして、みんながみんな、なかよしこよしのチームは、見た目には楽しそうだけど結果も平凡。その中に一人でも、誰からも嫌われるヒールがいると、そこに緊張感が生まれて良い結果が生まれたりする。そんなヒールがサミュエル・ゴールドウィンだったんじゃないかと思う。やっぱりヒールは大切です。