
監督:平山秀幸
出演:国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫、伊東四朗
制作:『しゃべれども しゃべれども』製作委員会/2007
URL:http://www.shaberedomo.com/
場所:新宿武蔵野館
まったく見る気のない映画をひょんなことから見たりすると、面白かったりする。見たくて見たくて公開日を指折り数えて待っていた映画を勇んで見てみると、つまらなかったりする。
映画には期待度というハンデキャップあって、どの映画も同じスタートラインに立つわけじゃない。それなのに、あの映画は面白いとか、つまらないとか。えっ? その映画はハンデいくつなの?
ということでハンデなしの『しゃべれども しゃべれども』はすこぶる面白かった。ラストがありきたりで工夫が欲しかったけど。
監督:ギャヴィン・フッド
出演:プレスリー・チュエニヤハエ、テリー・ペート、ケネス・ンコースィ、モツスィ・マッハーノ、ゼンゾ・ンゴーベ、ZOLA、ジェリー・モフォケン
原題:TSOTSI
制作:イギリス=南アフリカ/2005
URL:http://www.tsotsi-movie.com/
場所:銀座シネパトス
南アフリカの映画をはじめて観る。映画の語り口としては、まあ、普通のハリウッド映画と大差ないけど、普段あまり見ることのできないヨハネスブルクの街並みや駅構内やソウェトの風景の中に自分を同化できるのが、このようなあまり公開されることのない国の映画の楽しみの一つ。ソウェトは、もしかするとオープンセットなのかもしれないけど、当地でロケをしているわけだから、少なくとも空気感だけは南アフリカを正確に映し出しているんじゃないかと思う。
2010年のサッカー、ワールドカップの開催国は南アフリカ。今からその開催が危ぶまれているけど、確かに、この映画を見る限り、ワールドカップを開催する資格のあるような国には残念ながら見えない。スタジアムの建築景気も、ソウェトに住むような人びににまで及ぶとは思えないし。
なんだか、ストーリーとはまったく関係ないことを思うことしきり。
著者:A・スコット・バーク
翻訳者:吉田利子
出版社:文藝春秋
購入場所:茶々文庫
現在、有名な映画プロデューサーを一人上げてみろ、と言われて誰が思い浮かぶだろう? う〜ん、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジェリー・ブラッカイマーくらいしか思い浮かばない。というくらいに、すでに映画スタジオ・システムが崩壊した今の時代では、プロデューサーが絶大な権利を持って君臨することが無くなってしまった。昔は、監督が作ったモノをプロデューサーが勝手に変えちゃうんだよね。それくらいプロデューサーの力が強かった。ウィリアム・ワイラーの『嵐ヶ丘』のラストも、サミュエル・ゴールドウィンが勝手に付け加えたなんて知らなかった。それが良いか悪いかは別として、当時の映画スタジオの色は、そこに君臨していたルイス・B・メイヤー(MGM)やジャック・ワーナー(ワーナー・ブラザース)、ハリー・コーン(コロムビア)、ダリル・F・ザナック(20世紀フォックス)らのプロデューサーが決めていた。
『姫君と海賊』のラスト、パラマウントからゴールドウィンに貸し出されたボブ・ホープは「二度とサミュエル・ゴールドウィンの映画には出ないぞ!」と叫ぶ。もちろん、このシナリオにゴールドウィンはOKを出していたわけで、それがギャグとなるくらいに誰もがミュエル・ゴールドウィンのことを知っていた。こんな“楽屋落ち”も、スタジオ・システムがあったからこそ。古き良き時代のお伽噺。
と、内容は面白かったが、翻訳がひどかった。1980年から1990年にかけて、このような映画関係の翻訳ものが乱発ぎみに刊行されたが、急いでやっつけて作っちゃった本もあったんだなあ。