
2007年06月03日
虹を掴んだ男 下 サミュエル・ゴールドウィン
Posted by ag at 10:54/ カテゴリー: BOOK_Database
著者:A・スコット・バーク
翻訳者:吉田利子
出版社:文藝春秋
購入場所:茶々文庫
現在、有名な映画プロデューサーを一人上げてみろ、と言われて誰が思い浮かぶだろう? う〜ん、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジェリー・ブラッカイマーくらいしか思い浮かばない。というくらいに、すでに映画スタジオ・システムが崩壊した今の時代では、プロデューサーが絶大な権利を持って君臨することが無くなってしまった。昔は、監督が作ったモノをプロデューサーが勝手に変えちゃうんだよね。それくらいプロデューサーの力が強かった。ウィリアム・ワイラーの『嵐ヶ丘』のラストも、サミュエル・ゴールドウィンが勝手に付け加えたなんて知らなかった。それが良いか悪いかは別として、当時の映画スタジオの色は、そこに君臨していたルイス・B・メイヤー(MGM)やジャック・ワーナー(ワーナー・ブラザース)、ハリー・コーン(コロムビア)、ダリル・F・ザナック(20世紀フォックス)らのプロデューサーが決めていた。
『姫君と海賊』のラスト、パラマウントからゴールドウィンに貸し出されたボブ・ホープは「二度とサミュエル・ゴールドウィンの映画には出ないぞ!」と叫ぶ。もちろん、このシナリオにゴールドウィンはOKを出していたわけで、それがギャグとなるくらいに誰もがミュエル・ゴールドウィンのことを知っていた。こんな“楽屋落ち”も、スタジオ・システムがあったからこそ。古き良き時代のお伽噺。
と、内容は面白かったが、翻訳がひどかった。1980年から1990年にかけて、このような映画関係の翻訳ものが乱発ぎみに刊行されたが、急いでやっつけて作っちゃった本もあったんだなあ。