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 2007年12月30日
 イングリッド・バーグマン マイ・ストーリー
Posted by ag at 11:55/ カテゴリー: BOOK_Database

イングリッド・バーグマン マイ・ストーリー著者:イングリッド・バーグマン、アラン・バージェス
翻訳者:永井淳
出版社:新潮社
購入場所:畸人堂(於早稲田青空古本市)

イングリッド・バーグマンが、ハリウッドに築き上げた名声を捨てて、夫と娘を置き去りにして、イタリアのロッセリーニのもとに走った事件のことはもちろん知っていた。でもそれは、歴史の時間で史実を習うのとまったく同じで、知識としておぼろげに頭の片隅にあるだけで、イングリッド・バーグマンと言えば『カサブランカ』であり、『汚名』であり、『サボテンの花』であり、『秋のソナタ』のイメージしかメインとして存在していなかった。

ところが、この本を読んでみると、その逃避行当時の世間、マスコミ、政治家でさえ、彼女への風当たりがすさまじかったことがわかる。アメリカという国家が、公人であるとはいえ、イングリッド・バーグマンという個人を完全に否定してしまったことがわかる。彼女の祖国であるスウェーデンにさえ、そっぽを向かれてしまう。人間がそんな立場に置かれたらどうなってしまうんだろう?

ということが、この本に事細かに記述されている。このような些細な記録を残していたイングリッド・バーグマンの人間性も同時にこの本に顕れている。正確な記録を残している几帳面な側面と、イタリアへと走る大胆な側面が同時に存在している人間性も面白い。単純なハリウッド女優の自伝だけにとどまらず、人権を踏みにじられた人間の記録としても素晴らしい本だとおもう。

それに、自伝に陥りがちな自分を正当化するような記述も、アラン・バージェスという共著者を設けることによって、幾分か公平性が保たれている。最終的にイングリッド・バーグマンがチェックを行ったわけだから、完全な公平性ではないだろうけど。

いまのところ、ローレン・バコールの「私一人」と双璧をなすハリウッドものの自伝。『サボテンの花』映画化の際の騒動も、ローレン・バコール側からの描写と、イングリッド・バーグマン側からの描写が読めたのも面白かった。

ag-n
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