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 2008年04月06日
 ラスト、コーション
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

ラスト、コーション監督:李安(アン・リー)
出演:梁朝偉 (トニー・レオン)、湯唯 (タン・ウェイ)、王力宏 (ワン・リーホン)、陳冲 (ジョアン・チェン)、トゥオ・ツォンファ、チュウ・チーイン、チェン・ガーロウ、クー・ユールン、ガァオ・インシュアン、ジョンソン・イェン
原題:色・戒、Lust, Caution
制作:アメリカ/2007
URL:http://www.wisepolicy.com/lust_caution/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

アン・リーの映画は嫌いじゃない。しっかりとした絵の作りやカメラのスムーズな動きなんて観ていて気持ち良い。今回も、マージャンのシーンだけを見ても、ポンとチーのリズムとともに、流れるように牌と人物の表情を追いかけるカメラに、うまいなあ、と思うことしきり。

だから、そこにストーリーをうまく盛りつけてさえくれれば、即、自分の好きなタイプの映画ができあがるんだけど、それが実現したのは『いつか晴れた日に』だけだった。

評判の良かった『グリーン・デスティニー』も『ブロークバック・マウンテン』も、ストーリーがありきたりだし、つまらないし、語ってくれないし、で、そのうっとりするような絵作りだけを堪能するだけで終始してしまったのが惜しくて、惜しくて。

この『ラスト、コーション』も、タン・ウェイが演じるチアチーの心情をやけにぼかして描いているので、ワン・リーホン演じる学友で同志のクァンへの想いや、トニー・レオン演じるスパイのイーへの気持ちの変化などがストーリーとして明確に組み込まれてこない。それが唯一現れたのは、クァンの突然のキスに対するチアチーの「なぜ、3年前にそれをしてくれなかったの?」のセリフのみ。それはそれでひとつの方法なんだろうけど、自分としては、そこにもうちょっと手がかりがないと映画として楽しめない気質なもんで、今回も最後まで絵作りを楽しむだけの映画となってしまったのが、惜しくて。

それに、チアチーが映画ファンである設定も、もうちょっとストーリーに絡んでくれれば良かったのに。イングリッド・バーグマンの『別離』を観てボロボロ泣くシーンなんて、『別離』を知らなければただの情景でしかないから。

そうそう、『別離』と言えば原題は“Intermezzo”で、イングリッド・バーグマンのスウェーデン時代の『間奏曲』(原題は同じく“Intermezzo”)のリメイク作品。セルズニックがバーグマンをハリウッドへ呼んで作らせた最初の映画。だから、ブラームスの「間奏曲」がこの映画のサウンド・トラックとなっていたりする。

ag-n
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