
ハードディスクに溜まっていたボブ・ディランのドキュメンタリーを見る。
このドキュメンタリーが面白かったのは、一般大衆やマスコミが一人のアーティストを勝手に解釈して持ち上げて、そして勝手に裏切られて突き放して行くさまを柱としたボブ・ディランの足跡を、ジョーン・バエズやアレン・ギンズバーグなどのインタビューやジョナス・メカスやアンディ・ウォーホールの記録映画とともに、そこにアメリカの50年代、60年代の歴史と音楽をオーヴァー・ラップさせて描いたところだった。
とくにアメリカの50年代、60年代の音楽を知らなさすぎた。オデッタやジョーン・バエズなどにちょっと衝撃を受けてしまう。
いままでボブ・ディランの歌を真剣に聴いたことはなかったけど、そこから受ける印象は“message”ではなく“word”だった。
「Leopard-Skin Pill Box Hat (ヒョウ皮のふちなし帽)」なんて“word”は素晴らしい。
キューバ危機や公民権運動という60年代がボブ・ディランの歌に“message”を求めていたんだろうけど、ボブ・ディラン自身が言っているように決してメッセージ・ソングではなかったんだとおもう。どんな“word”にも“message”を読み取ろうとおもえばできるわけだし、確かに“message”を盛り込んでいる歌もあるのかもしれないけど、周りが解釈するほどの強い“message”ではなかったんじゃないかとおもう。
その“word”を強烈に印象づけるのは、ボブ・ディランのこの歌のビデオ・クリップ。
のちに、INXSが真似してた。
ティム・ロビンスの自身の監督作品『ボブ★ロバーツ』でもパロってた。
最近のスコセッシの映画はさっぱり面白くないけど、このドキュメンタリーは面白かった。
構成の巧さを見ると、やっぱり腕はあるんだとおもう。