
著者:京極夏彦
出版社:講談社文庫、講談社
購入場所:岩槻サティ
この「百器徒然袋シリーズ」と本線の「京極堂シリーズ」との違いは何なんだろう?
おそらく榎木津礼二郎をメインとした中編がこの「百器徒然袋シリーズ」なんじゃないかとおもうんだけど、榎木津が大活躍してるかというとそんなこともない。中活躍くらいしかしてない。性格的に大活躍するようなキャラでもないし。
だからもっと、榎木津の特殊能力について踏み込んだ記述があればいいのに。
他人の記憶を見ることができる能力って実際によく聞く話しではあるけれど、もちろん人の生体分子学的に解明されてるわけじゃない。どちらかというと、そんな能力があると言われたりすると、TVタックル韮澤潤一郎的なうさん臭さを感じてしまう。
「京極堂シリーズ」のなかで中禅寺はたえず心霊科学的なうさん臭いものを毛嫌いしているわけだから、この榎木津の特殊能力のうさん臭さを解消するべく、もっと読者を言いくるめるような立証が必要だとはおもうんだけど。
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榎木津の特殊能力を解明するべく。ネットを駆使。
記憶というのはニューロン(神経細胞)同士がシナプスと呼ばれる結合部でつながったときに生まれるらしいんだけど、長期記憶になるためにはさらにニューロンの細胞核内にある遺伝子情報が読み取られてタンパク質が合成される必要があるらしい。つまり、そのタンパク質に記憶が情報として格納されてるらしい。
その記憶を他人が見るということは、なんらかの方法でその情報が外部に電波のような無線で発信されなければならない。さらにそれを受信して脳の視覚野に送られなければならない。
とすると、タンパク質の情報がワイヤレスで外部に出るという部分が、まったくありえないような気がしてくる。受信するという部分は、UFOなんかを大勢の人が見てしまう集団妄想に手がかりがありそうな気もするけど。
短期記憶ならば、まだ神経細胞の電気活動の段階なので、もしかするとそれが外部に出るということがあるのかもしれないんだけど、長期記憶はやっぱり無理でしょう。
榎木津の特殊能力が短期記憶のみということならばまだしも、長期記憶にまで及ぶとすると、やっぱりうさん臭さは解消されず。