
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコ、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、ルーカス・グラビール、タ
ヴィクター・ガーバー、デニス・オヘア、ジョセフ・クロス、ハワード・ローゼンマン、ブランドン・ボイス、ケルヴィン・ユー
原題:Milk
制作:アメリカ/2008
URL:http://milk-movie.jp/enter.html
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
今年のアカデミー主演男優賞は、ゲイの公民権運動家でサンフランシスコの市政執行委員にもなったハーヴェイ・ミルクの半生を演じたショーン・ペンが取った。
ショーン・ペンというとやっぱり『デッドマン・ウォーキング』の演技だよなあ。『ミスティック・リバー』ではなく、もちろんこの『ミルク』でもなくて、『デッドマン・ウォーキング』の演技こそ主演男優賞だとおもうんだけど、アカデミー賞というのはその時のタイミングだけで決まるので、ベストな人に賞が行くわけではないのがガッカリする部分でもあるし、面白い部分でもあるし。
この『ミルク』での演技も巧いとはおもうけど、もうちょっとゲイ特有のしなやかさやキッチリとした動き方があったほうが良かったんじゃないかと、映画ラストの実際のハーヴェイ・ミルクの映像やYouTubeにあるドキュメンタリー映像を観ておもう。
映画としても、ハーヴェイ・ミルクを撃つことになるダン・ホワイトの人物像が曖昧で、なぜハーヴェイ・ミルクとサンフランシスコ市長を殺すこととなるのかがまったく浮かび上がってこない。ダン・ホワイトを指して、ゲイを隠してストレートで生きているとミルクが言うシーンがあるので、政治的な確執だけで撃ったわけじゃなくて、アメリカ人特有の強い男性像と性的嗜好の狭間で軋轢死したようなニュアンスも受け取れるし、そこをもうちょっと明確にしてくれたら良かったのに。
演技と言えば、ショーン・ペンが監督した『イントゥ・ザ・ワイルド』にも主演していたエミール・ハーシュのほうが良かった。あまりのゲイっぷりに、彼がエミール・ハーシュとわからなかったくらい。