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 2009年06月29日
 愛を読むひと
Posted by ag at 23:58/ カテゴリー: MOVIE_Database

愛を読むひと監督:スティーブン・ダルドリー
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、ダフィット・クロス、ブルーノ・ガンツ、レナ・オリン、アレクサンドラ・マリア・ララ、ハンナー・ヘルツシュプルング、ズザンネ・ロータ
原題:The Reader
制作:アメリカ・ドイツ/2008
URL:http://www.aiyomu.com/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

この『愛を読むひと』を観るにあたって、ケイト・ウィンスレットがアカデミー主演女優賞を取ったこと以外、なんの情報も入れずに行ったので、映画がはじまってみるといきなり『青い体験』や『課外授業』みたいなストーリー展開になったので、えっ? こういう映画だったの? とちょっと面食らってしまう。

でも、スティーブン・ダルドリーだから、そのイメージのままのはずがなかった。映画の雰囲気も前作の『めぐりあう時間たち』をそのまま踏襲しているような感じなので、現在と過去のカットバックや、どこか過去を引きずっているような沈鬱なケイト・ウィンスレットの顔に、ストーリーの鍵となる何かが隠されていることが見て取れるストーリー展開になって行く。

映画の中に、若い頃のマイケル(ダフィット・クロス)が高校で授業を受けているシーンがあって、そこで文学の先生が「西洋文学の真髄は“秘密性”だ。背後に隠されているものを行間から読み取らなければならない。」と言っているシーンが出て来る。これは、ヴァージニア・ウルフをモチーフとした『めぐりあう時間たち』で使用したスティーブン・ダルドリーの映画手法を言い当てていて、この『愛を読むひと』でも映像の行間を読み取れば、ケイト・ウィンスレットが文盲であることが見て取れるような映画になっている。

そんなスティーブン・ダルドリーの手法は大好きなんだけど、ストーリーの核心に入っていった時、ナチス戦犯の話しがからんでくる。そうなると、いつものことながら微妙な感情におちいってしまう。古くは『ニュールンベルグ裁判』や比較的新しいところでは『ミュージックボックス』など、その手の映画で大好きな映画はたくさんあるけど、誰か一個人に戦争の罪を負わせる部分に言いようもないもどかしさを感じてしまって、いてもたってもいられなくなってしまう。

感動的な話しだけど、その部分があるだけで、観ている感情が微妙にズレてしまった。

それに、ナチス戦犯のストーリーを英語で演じるのもやや興ざめ。やっぱりドイツ語でやって欲しかった。

二人でサイクリングするシーンだけが、この映画の一番の救い。
サイクリングの一番の楽しみは、どのコースを走るか計画を立てることだから、マイケルがそれを楽しんでいるシーンがあるということは、もし原作にそれがあるとしたら、作家のベルンハルト・シュリンクは自転車乗りなんだとおもう。

 2009年06月24日
 血と暴力の国
Posted by ag at 22:42/ カテゴリー: BOOK_Database

血と暴力の国著者:コーマック・マッカシー
訳者:黒原敏行
出版社:扶桑社ミステリー、扶桑社
購入場所:紀伊国屋書店新宿南店

「血と暴力の国」は、コーエン兄弟の映画『ノーカントリー』の原作本。

おもったより映画は原作に忠実だった。いや、忠実というより、コーマック・マッカシーの文体がとても映像的なので、それをそのままなぞらえてる感じ。これほど原作とイメージがぴったり一致する映画も珍しい。

会話に引用符(日本語翻訳の場合、かぎかっこ)を付けず、コンマ(日本語翻訳の場合、読点)を最小限にするコーマック・マッカシーの文体も、まるで映画のフィルムのように1秒間24コマで流れているようだ。

それに、シーンのつなぎも、映画のような省略方法を使っている。例えば、モスと行きずりの少女の会話のシーンから、二人が射殺された直後の警察の現場検証のシーンにつなぐところなんて、ふつうの小説なら絶対にモスがメキシコ人と撃ち合うシーンを描写するだろうとおもう。そこをスパッと省略しているのが、なんだか西部劇を見ているようだ。開拓地に向かう穏やかな親子の会話から、次のシーンでは幌馬車隊がインディアンに襲撃されて全滅してしまっているような感じ。

その代わり、モスの妻のカーラ・ジーンがシュガーに射殺されるシーンの描写はとても丁寧。サイコキラーに殺害されるような時、単純に残忍さが際立つだけの場合が多いけど、なんだろう? 二人のやり取りに得も言われぬ切ない情感が漂う。

この「血と暴力の国」が面白かったので、ピューリツァー賞を取った「ザ・ロード」も読みたい気もするけど、どうやらオーストラリア人の監督の手で映画化されるらしい。“Blood Meridian”も『リトル・チルドレン 』のトッド・フィールド監督で映画化されるらしい。これらの映画が日本で上映されるかどうかわからないけど、それを観たら原作を読んでみようとおもう。

 2009年06月21日
 松戸市稔台へ
Posted by ag at 09:44/ カテゴリー: TOWN

昨日は知り合いの新築披露ということで松戸市稔台へ。

最初は時間がたっぷりあるとおもって、景色を眺めながら、写真を撮りながらポタリングモードだったんだけど、北綾瀬駅あたりで、やばいこれは間に合わないといきなりサイクリングモードに。しかし、江戸川を越えて千葉に入ったら、おもったより起伏が激しくておもうにまかせず、結局時間に遅れてしまいました。

はじめての場所に向かう場合、そのルートにいったい何が待ち受けているのかがわからないので、それだけで精神的に疲れる。
でも帰りは、行きの経験が出来たので、らくちん。どれだけ時間をかけて帰っても良いし。
自転車の場合、行きは怖いが、帰りはよいよい。

それで、帰りのルートを記録しました。
松戸市稔台から足立区加平と、

松戸市稔台→足立区加平 at EveryTrail

Map created by EveryTrail: Geotagging Community

足立区加平から鹿浜橋まで。

足立区加平→鹿浜橋 at EveryTrail

Map created by EveryTrail: GPS Community

赤い線がくるっと回っているのは、ちょっと西新井大師に参拝。
参道にある煎餅屋の雰囲気が良かったのでちょっと撮ってみる。

浅香家

鹿浜橋からは荒川サイクリングロードに入って一気に家へ。
やっぱり信号が無いのは素晴らしい。

荒川サイクリングロード

 2009年06月18日
 スター・トレック
Posted by ag at 23:54/ カテゴリー: MOVIE_Database

スター・トレック監督:J・J・エイブラムス
出演:クリス・パイン、ザカリー・クイント、カール・アーバン、ゾーイ・サルダナ、サイモン・ペグ、ジョン・チョー、アントン・イェルチン、エリック・バナ、ブルース・グリーンウッド、ベン・クロス、ウィノナ・ライダー、クリス・ヘムズワース、ジェニファー・モリソン、レイチェル・ニコルズ、クリフトン・コリンズ・Jr、グレッグ・エリス、レナード・ニモイ
原題:Star Trek
制作:アメリカ/2000
URL:http://www.startrekmovie.com/intl/jp/
場所:新宿ミラノ2

自分は、いわゆるトレッキーというほどのファンではないけど、「宇宙大作戦」のシーズン1とシーズン2のDVDボックスを持っていたり、DS9が大好きなので、いつかブルーレイボックスが出たら買おうとおもっていたりする。だから、熱狂的なファンではないけど、まあ、それなりのファンなんだとおもう。そんな人間から観ても今回の映画は、ちょっと「スタートレック」じゃあ、ないな、と。SF映画なんだから派手にVFXを使っても良いけど、そのストーリーの底辺には、たとえ宇宙のどこへ行ったとしても通用する普遍的で哲学的なテーマが、ちょっとだけでもあったら良かったのに。無理矢理エンタープライズに乗ったカークがやりたい放題やって、最後には艦長になって表彰されちゃうなんて、ちょっとストーリーとしてはめちゃくちゃ。

ロバート・ワイズが撮った映画版『スタートレック』第1作は昔の「宇宙大作戦」の精神が受け継がれていたけど、どんどん時代は変わって、とてもアクション映画な「スタートレック」に変貌してしまった。まあ、それはそれでも良いんだけど、もうちょっとひねりの利いたストーリーだったら良かったのに。

 2009年06月12日
 ウォッチメン
Posted by ag at 08:21/ カテゴリー: BOOK_Database

ウォッチメン著者:アラン・ムーア、デイブ・ギボンズ
訳者:石川裕人、秋友克也、沖恭一郎、海法紀光
出版社:小学館集英社プロダクション
購入場所:セブンアンドワイ

映画の『ウォッチメン』を観たときに、このストーリーのどこに人を引きつける力があるのかまったくわからなかった。
ということは、この映画はコミックの一つの側面しか描ききれてないんじゃないかとおもって、さっそく原作を買ってみた。

なるほど映画はストーリーの骨子を忠実に追ってはいる。でも残念ながら「ウォッチメン」の魅力はその骨子にあるのではなくて、コミックのコマの端に描かれているちょっとした情報だったり、コミックの各章の合間にあるテキストから得られる物語の背景のことだったりする。そしてそんな補足情報がメインのストーリーと絡み合って、ジグソーパズルのようにストーリーが組み立てられて行くところに魅力があったりする。

ところが映画の場合、そのような補足情報を効果良く観客に観せることが難しい。ザック・スナイダーも、コミックのコマ内に描かれている細かな情報を一生懸命にフィルムの中に取り込んでいたりするけど、それがどれくらいの効果を上げているのかというと、サブリミナルのような効果くらいしか上げていないような気もする。だって映画はそこで立ち止まっていられないから。

それに映画では、コミックでは重要な位置を占めているコミック内コミック「黒の船」をバッサリ切っている。いや、バッサリ切ることは正解だとおもう。もしシナリオの中に盛り込んだとしたら、ただいたずらにストーリーを分断させることになってしまうに違いないし。でも、その「黒の船」があるのと無いのでは、「ウォッチメン」の全編に漂う悲壮感、絶望感がまったく違ってしまった。

映画は原作を読まずに観に行った方が断然良い、とは言ったものの、この「ウォッチメン」に関して言えば、コミックを読んでから映画を観に行ったほうが良かったのかもしれない。映画では描ききれていない補足情報を前もって頭の中に入れておいて、それを参照しながら映画を観ることができるから。

DVDが出たらもう一度レンタルで観てみようとおもう。そしてコミックの補足情報がどこまで映画に取り込まれているのか確認しようとおもう。そういう見方をしたら、案外、面白かったりして。
映画が面白いかどうかなんて、観た時の状況に左右されるのが面白いでところです。

 2009年06月07日
 天使と悪魔
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

天使と悪魔監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、ユアン・マクレガー 、アイェレット・ゾラー 、ステラン・スカルスガルド、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ニコライ・リー・カース、アーミン・ミューラー=スタール
原題:Angels & Demons
制作:アメリカ/2008
URL:http://www.angel-demon.jp/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

『ダ・ヴィンチ・コード』の時は、いままでの自分にはあるまじき行為、なんと原作を読んでから観に行ってしまったので、膨大な量の原作のストーリーラインを慌ただしく追いかけるだけの映画にしかおもえず、まったく楽しめなかった。

今回の『天使と悪魔』は、そのような失敗を繰り返すこと無く原作を読まなかったので、たぶん映画の出来としては『ダ・ヴィンチ・コード』とそんなに変わらないのかもしれないけれど、ストーリーをまったく知らない分おもったよりハラハラ、ドキドキ、楽しめてしまった。

それに、えっ? イルミナティって何? スイス衛兵隊って? 反物質? と、まるっきり先入情報がなかったので、やたらと知的好奇心も刺激されて、それも映画を楽しめる要素となってしまった。

特に「スイス衛兵隊」については、なんとなくは“スイス傭兵”の知識があったけど、この映画を観ることによってやたらと興味津々になってしまった。なにか「スイス衛兵隊」の歴史が書いてある本が読みたくなってしまった。

もし原作を読んでから観に行っていたら、この逆のことが起こってしまって、あのことが描かれてないとか、人物造形が平坦とか、文句ばっかりになってしまうんだろうなあ。やっぱり映画は、原作を読まずに観に行った方が断然良い。

 2009年06月04日
 鈍獣
Posted by ag at 07:23/ カテゴリー: MOVIE_Database

donju.jpg監督:細野ひで晃
出演:浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリア、真木よう子、南野陽子、佐津川愛美、ジェロ、本田博太郎、芝田山康(元横綱大乃国)
制作:『鈍獣』制作委員会/2008
URL:http://donju.gyao.jp/
場所:新宿武蔵野館

宮藤官九郎の悪ふざけは大好きだ。悪ふざけだらけの映画も大好きだ。だから、この映画も大好きな映画になるかとおもいきや、その悪ふざけがどこか微妙に外れてる映画だった。笑えることは笑えるんだけど。

舞台版「鈍獣」がどんなものだか知らないけれど、宮藤官九郎の悪ふざけは、こんな中島哲也風な彩色をほどこした上に地方都市の寂れた暗さを持ち込んだ舞台設定にはそぐわないような気もする。どうしてCMディレクター出身の人って、こういうゴテゴテな色使いに走るんだろう。色が無いと不安になったりするんだろうか。

実際に宮藤官九郎が撮ったらどうなったんだろう? 『少年メリケンサック』のように、もうちょっとカラリと突き抜けた悪ふざけになったんじゃないのかなあ。

ag-n
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