
3日目に観た映画は以下の通り。
『ここにいることの記憶』(日本/2007/川部良太監督)
団地からこつ然と姿を消してしまった少年。その10年後を追う。と、おもって観ていたら、なんとフェイク・ドキュメンタリーだった。で、上映終了後の監督との質疑応答で、そのフェイクである部分に怒りをあらわにする人がいた。う〜ん、確かにわからないでもないけど、ドキュメンタリー映画祭でドキュメンタリー以外をやってもいいとおもうし、感情移入したあとにフェイクとわかって失望するのは個人的感想にすぎないし、それを激情を持ってストレートにぶつけるのも映画祭の場にそぐわないし。その点、そのあとに質問をした外国人は素晴らしかった。批判するにも、ウィットに富まないと! なんで日本人は批判を怒りとしてしか表現できないのかなあ。
『されど、レバノン』(レバノン/2008/エリアーヌ・レヘブ監督)
レバノンの宗教に裏打ちされた複雑な政治状況を描く。はっきり言って、レバノンって、ムスリムが大部分を占めているんだとおもってた。まったく違った。レバノンは、マロン派、正教会、カトリック、プロテスタントを合計したキリスト教徒の割合が35%を越えている(Wikipedia調べ)。それに、シーア派やスンニ派、ドゥルーズ派のムスリムがいて、さらに無宗教の共産主義者がいる。そしてそれをさらに複雑にしているのはキリスト教徒のマロン派が二つに分裂していることだ。そこに、シリアやヒズボラ、イスラエルの思惑が入り組んでいる。もう何がなんだかわからない! この映画を撮ったエリアーヌ・レヘブ監督の父親が言う。昔はみんな仲良くやっていたんだよ、でもその真ん中にイスラエルが国を作っちまった、そのためにもうめちゃくちゃになっちゃったんだよ。そのとおりだとおもう。
これで打ち止め。東京に帰りました。
やっぱり映画祭は面白かった。いろんなハプニングもあったりして、刺激的でした。