
監督:根岸吉太郎
出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、広末涼子、妻夫木聡、堤真一、光石研、山本未來、鈴木卓爾、小林麻子、信太昌之、新井浩文
制作:フジテレビジョン、パパドゥ、新潮社、日本映画衛星放送/2009
URL:http://www.villon.jp/
場所:TOHOシネマズ シャンテ
太宰治の小説が嫌いなくせに、今年は生誕100年ということで太宰原作の映画が軒並み公開されてるので、その中の1本、モントリオール映画祭で監督賞を取った『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』を観てみることにした。
とにかく太宰治の小説が嫌いなので、小説をそのままストレートに脚本化せずに、田中陽造が驚くべき脚色をして、それを根岸吉太郎が奇をてらった演出を施してくれていることを少しは期待してみたんだけど、そんなことはまったくなく、原作にはない広末涼子や堤真一を登場させて膨らみを持たせてはいるけど、イメージとしては原作そのままだった。
だったら、そこまで原作に習うのならば、太宰の原作は“椿屋のさっちゃん”の一人称で語られているわけだから、もっと彼女の内面をえぐった描写が欲しかったような気もする。特に原作では、知恵遅れではないかと危惧する子供への踏み込んだ描写があるのに対して、この映画ではその部分をバッサリ切ってる。残しておいた方が、夫から疎遠にされて孤立する松たか子が際立ったはずなのに。
それに『ヴィヨンの妻』というタイトルである以上、浅野忠信の大谷は詩人であるべきだったような。下手に太宰治とオーヴァーラップさせて小説家にしてしまったので“ヴィヨンの妻”が弱くなってしまった。ああ、だから“桜桃とタンポポ”の副題を入れたのか。
それから、松たか子。そんなに悪い女優だとはおもわないけど、この映画に限って言えばもっと幸薄い女優が良かったような気が、、、。もっと昭和な女優が。googleで「幸薄女優」で検索したら木村多江がダントツなので、今現在においては彼女あたりがベスト? なのか?