
監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー、ブライアン・F・バーン、ローズマリー・ハリス、マイケル・シャノン、エイミー・ライアン、サラ・リヴィングストン、アレクサ・パラディノ
原題:Before The Devil Knows You'Re Dead
制作:アメリカ/2007
URL:http://www.doyoubi758.jp/
場所:DVDレンタル
シドニー・ルメットの撮る映画は自分の肌にぴったり合う。特に『十二人の怒れる男』『未知への飛行』『狼たちの午後』『プリンス・オブ・シティ』『デストラップ・死の罠』『評決』などは、生涯のベスト10に入れても良いくらい。いやいや、そんな選び方だとベスト10に選ぶべき映画が100本くらいになってしまうからベスト100ってことか。
ベストに入らないにしても、ちょっとした佳作も多い。『女優志願』『質屋』『キングの報酬』『旅立ちの時』『Q&A』とか。観るたびに何かしらの新しい発見があって、いつしか彼のすべての作品をロードショーに追いかけていた。
でも、『刑事エデン/追跡者』『ギルティ/罪深き罪』『NY検事局』あたりでだんだんと失速し、結局DVDレンタルで観ることになった『グロリア』に至っては酷い映画だった。もうシドニー・ルメットは年老いて終わりだとおもった。だから、その後の彼の作品は追いかけなかった。
ところが昨年、キネ旬のベストテンに彼の『その土曜日、7時58分』が入った。もしかすると復活したのか? と、DVDレンタルになるのを待ちわびていたんだけど、いつしか忘れてしまっていて気が付くともう今年も終わりだ。これではいけないと、TSUTAYAの半額デーも手伝って、やっと借りて見ることが出来た。
この『その土曜日、7時58分』を撮った時、シドニー・ルメットはすでに83歳になっていたはずだ。それでいてこのキッチりとした映画? 凄い。『評決』あたりの円熟期に戻ったようだ。お金に困って追い詰められて行くフィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークの兄弟の焦燥感が画面から溢れ出て来ている。どこをどうしたら、83歳の人間にこの演出が出来るんだろう? 素晴らしい。
相変わらず父親役のアルバート・フィニーの演技が過剰なんだけど、まあ、そこは『オリエント急行殺人事件』のエルキュール・ポアロをおもいださせてくれるので、許す。