
監督:ジョナサン・デミ
出演:アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット、ビル・アーウィン、トゥンデ・アデビンペ、アンナ・ディーヴァー・スミス、デブラ・ウィンガー
原題:Rachel Getting Married
制作:アメリカ/2008
URL:http://bd-dvd.sonypictures.jp/rachelgettingmarried/
場所:DVDレンタル
劇場公開の時、観ようか観まいか悩んだ末に結局は観なかったジョナサン・デミの『レイチェルの結婚』を借りてみた。
アン・ハサウェイ主演で『レイチェルの結婚』というありふれたタイトルの映画だったので、『プリティ・プリンセス』や『プラダを着た悪魔』のような軽いノリの映画ではないかとおもってしまった。でも監督がジョナサン・デミだから、軽い映画とはいえ観るべきところが数多くあるのではないかと期待して見始めたら、いやいや、イメージとはまったく違う、違うどころか真反対の映画だったのにびっくり。
オープニングからして全体的に沈んだトーンで、そのうえ手持ちカメラで撮っているので、まるでドキュメンタリー映画のような雰囲気にまずは面食らってしまう。そして、主人公のアン・ハサウェイが、どうやら何かしらの心の病気の治療を受けていたことがわかってくる。そこから徐々に明らかになってくる家族の確執劇。それはまるでサスペンス映画のようだった。
イングマル・ベルイマンの『秋のソナタ』は辛辣な母娘の口論が怖い映画だったけど、この映画のアン・ハサウェイとデブラ・ウィンガー母娘の口論&殴り合いも凄まじかった。ちょっとグーが入ってる。ありきたりなホラー映画よりも断然怖い。
父と息子、父と娘、母と息子の争いよりも、なぜ母と娘の争いが一番怖いのだろう? もともと女同士の争いには冷たく鋭利ものを感じるけど、そこに肉親の血が混じると何故か鋭さが増幅される感じ。精神的にグサリと突き刺さって、映画を見ている間中、それがなかなか抜けなくなってしまう。さらに父と娘、姉と妹の争いも、母と娘とは違った角度の確執をうまく表現していた。
精神的にクタクタになるけど、それだけ映画にのめり込める良い映画。
精神的な救いは、結婚式の前夜に行われるパーティの素晴らしさ。自宅の広間で親族、友人だけを招いて行われるパーティなんだけど、人を祝福するための演奏やパフォーマンス、スピーチとはこうあるべきだというお手本のようなパーティだった。日本でも馬鹿げた披露宴なんかをやるよりも、このようなホームパーティをやるべきだよなあ。狭い住宅事情とホームパーティやる習慣がないのが問題だろうけど。