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 2010年02月28日
 一箱古本市の歩きかた
Posted by ag at 11:06/ カテゴリー: BOOK_Database

一箱古本市の歩きかた著者:南陀楼綾繁
出版社:光文社新書、光文社
購入場所:三省堂書店本店

この本の著者の南陀楼綾繁さんに誘われて、第1回目の一箱古本市に参加させてもらったのが2005年のことだった。今考えると、何のポリシーも無しに、ただ単純に参加しただけ、になってしまったのが凄く悔やまれる。もう一回参加する事ができれば、もうちょっと自分の色が出せるとおもうんだけど。でもそんなに読書家じゃないからなあ。手放さざるを得ない状況になるほどのたくさんの本が無い。いや、無い事はないんだけど、それを手放す事がなかなか出来ない。なんだろうなあ、このコレクターの性癖は。そんなにコレクターでもないのに。

一箱古本市は、その第1回目から地道に活動が続けられ、今では全国に広がってる。これは凄い。ナンダロウさんの行動力にはいつも敬服するばかり。いや、こんな軽い言葉の賛辞だけじゃなくて、もっとそこに参加するべきなんだろうけど、そんなに本に詳しいわけではないので、どうしても一歩引いてしまうのが何とも。

Twitterの自分のタイムライン上では出版危機の話しが持ち切りで、その打開策としてKindleやiPad上の電子書籍に期待が高まっているけど、そういったビジネスの観点から出版の在り方を問う議論も大切なんだろうけど、それとは逆方向の読者の側から、本が好きで好きで堪らない人たちがネットワークを築いて、本を楽しんでいる風景を見せることも同じようにとても大切なんだとおもう。その二つがうまく折り合って行く事を願って止まないです。

 2010年02月23日
 フローズン・リバー
Posted by ag at 23:11/ カテゴリー: MOVIE_Database

フローズン・リバー監督:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ、ミスティ・アパーム、マーク・ブーン・ジュニア、チャーリー・マクダーモット、マイケル・オキーフ
原題:Frozen River
制作:アメリカ/2008
URL:http://www.astaire.co.jp/frozenriver/
場所:シネマライズ

“フローズン・リバー”とは、ニューヨーク州の最北、アメリカとカナダの国境間に流れるセント・ローレンス川のこと。真冬にはその川が凍って、氷の上を車で渡る事が出来てしまう。それを利用してアメリカへの不法入国を手助けしてしまう女性の話しがこの映画だった。


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(映画の舞台はニューヨーク州マシーナ)

なぜか、アメリカとカナダ間の国境にはすごく興味があって、デイヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』なんて、そこが魅力の一つだった。いやいや、別にアメリカとカナダの国境だけじゃなかった。どこの国でも陸続きの国境には興味があるんだった。まあ、国境フェチです。国境が出て来る映画は何でも観ます。なので、アメリカとカナダの国境間に横たわるモホーク族の保留地なんて興味津々。そこが緩い治外法権になってる話しなども目新しくてストーリーとは関係なく映画を面白く見てしまう。

映画としては、シーンごとの画の作り方が少し粗くて、特に人物を捉えた時のショットが的確な構図とは言えなかった。そこを丁寧に撮っていれば、お金に困った女性がいつの間にか犯罪に手を染めてしまって、行き場の無いところまで追いつめられる焦燥感をもっと表現できただろうに。

 2010年02月22日
 扉をたたく人
Posted by ag at 23:09/ カテゴリー: MOVIE_Database

扉をたたく人監督:トム・マッカーシー
出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ、マリアン・セルデス、マギー・ムーア、マイケル・カンプステイ、リチャード・カインド、アミール・アリソン
原題:The Visitor
制作:アメリカ/2008
URL:http://www.tobira-movie.jp/
場所:DVDレンタル

アメリカ映画でも、非メジャー系の映画やサンダンス系の映画では時々、まるでヨーロッパ映画のような雰囲気を持つ映画が作られる。この映画もまるでドイツ映画やスウェーデン映画のような、主に北方ヨーロッパ系映画のような寒々しい色合いを出している映画だった。それに主演もリチャード・ジェンキンスという地味な俳優だし、セリフが少なく、情景描写が多く、すべてにおいてしっとりとしたヨーロッパ映画の風情だった。

とはいえ、さすがにアメリカ映画。ストーリーはハリウッド映画なみにはっきり、しっかりとしていて、見せかけだけの人生を送ってきた大学教授とアメリカに不法滞在しているシリア系青年、そしてその母親との交流が丁寧に描かれている。大学教授とシリア系青年の心が通じ合う過程に小道具として楽器を使うところや、9.11以降のアラブ系移民への不法滞在の取り締まりの厳しさなど時事問題を盛り込むのも抜け目ない。沈着冷静なリチャード・ジェンキンスがアメリカ移民局に対して激高するシーンをストーリーのピークに持ってくるのも巧いし、ラストシーンの小道具の楽器が生きてくるのも素晴らしい。

なるほど、この手のヨーロッパ映画の風情を持ちながら、ハリウッド映画なみにしっかりとストーリーを作り込んでくる映画が大好きなことがわかってきた。

 2010年02月15日
 3時10分、決断のとき
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

3時10分、決断のとき監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベール、ピーター・フォンダ、グレッチェン・モル、ベン・フォスター、ダラス・ロバーツ、アラン・テュディック、ヴィネッサ・ショー、ローガン・ラーマン、ケヴィン・デュランド
原題:3:10 to Yuma
制作:アメリカ/2007
URL:http://www.310-k.jp/
場所:DVDレンタル

『17歳のカルテ』や『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』がとても面白かったのに、なぜかその後のジェームズ・マンゴールド監督の映画を追いかけようともしなかった。今回の『3時10分、決断のとき』も観た人から面白いと勧められてはじめて、あっそうだ! ジェームズ・マンゴールドだ! とおもい出したくらい。

ストーリーは西部劇の父と息子の話し。そこにラッセル・クロウの極悪人が絡む。息子は極悪人に理想の父親像を見るが、今まで嫌っていた父親の極悪人に対する執念に心揺さぶられて、そこに真の父親像を見出すという話しだった。この三角関係が計算尽くされた上で話しが進んで行く。骨格がきっちりしているからこそ、ラストの父と息子も泣かせる。

父親役にクリスチャン・ベールで、極悪人にラッセル・クロウ。ラッセル・クロウって、こんな役がぴったり。90%が悪で、10%くらいの良心が見え隠れする役柄。

うん、やっぱりジェームズ・マンゴールドは素晴らしい。今後はちゃんと追いかけよう。

 2010年02月12日
 抱擁のかけら
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

抱擁のかけら監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ポルティージョ、ホセ・ルイス・ゴメス、ルーベン・オチャンディアーノ、タマル・ノバス
原題:Los abrazos rotos
制作:スペイン/2009
URL:http://www.houyou-movie.com/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

ペドロ・アルモドバルの映画はそれなりに観ているんだけど、じゃあ、好きかと言うとそうでもない。可もなく不可もなくと言ったところ。ところが、『トーク・トゥ・ハー』がめちゃくちゃ良かったので、今後連続して彼の映画を追いかけるとおもいきや、『バッド・エデュケーション』にはまったく食指が動かず、続いて『ボルベール〈帰郷〉』も見逃してしまった。

今回、ワーナー・マイカル・シネマズのポイントが溜まったので、そしてちょうどペドロ・アルモドバルの映画が掛かっていたので久しぶりに観てみた。

う〜ん、タイプとしては『トーク・トゥ・ハー』のような映画ではあったんだけど、思ったよりも感傷的な気分には浸れない映画だった。それは、現在と過去とのシーンの構成が巧くないからじゃないかとおもう。この構成では単純なエピソードの積み重ねだけにしか見えず、ルイス・オマールのペネロペ・クルスへの思いが高まって自動車事故と共に砕け散るシーンに対して感情移入することがまったく出来ない。あまりにも、現在と過去とのシーンの登場人物たちの感情変移の繋がりがなさすぎる。

ただ、初期のペドロ・アルモドバルの映画に出ていたロッシ・デ・パルマが1シーンだけ出ていたのは嬉しかった。ロッシ・デ・パルマは、まるでピカソの絵に出て来るような、一度見たら忘れられない風貌の女優。

 2010年02月04日
 キャピタリズム 〜マネーは踊る〜
Posted by ag at 23:40/ カテゴリー: MOVIE_Database

キャピタリズム 〜マネーは踊る〜監督:マイケル・ムーア
出演:国の税金で私腹を肥やしている人々
原題:Capitalism: A Love Story
制作:アメリカ/2009
URL:http://www.capitalism.jp/
場所:新宿武蔵野館

原題に“A Love Story”とあるように、今回のマイケル・ムーアの口調はいつもの攻撃的姿勢ではなくて、哀愁漂う静かな語り口調で淡々と攻めて来た。これはこれで、頭に血が上ったマイケル・ムーアではなくて、自分の考えを押し付けるように観る者を誘導する口調も抑えめで、良いんじゃないかとおもう。

が、最後にウディ・ガスリーの曲が流れて、もう俺だけじゃどうにもならない、みんなの助けが必要だ! と言うに及んでは、もうマイケル・ムーアも疲れ果ててるんだな、という感想以外に残らなくて、キャピタリズムに対する怒りなどはどこかに吹き飛んでしまった。これだけマイケル・ムーアが声高に叫び続けても、銃規制や医療保険制度改革もままならないアメリカに本当に嫌気がさしてるんだなあ、と。

それから、日本などの諸外国を持ち上げて、それに比べてアメリカは酷い! といういつもの口調が残っていて、そこにはまたまたゲンなり。いやいや日本ってそんなに良い国じゃないよ、と全員の日本国民がツッコミを入れるよ、絶対に。結局マイケル・ムーアってアメリカのことしか頭にないじゃん、というイメージしか植え付けないよね、この描き方は。

マイケル・ムーアは、あまりにも有名になりすぎてドキュメンタリーを撮りにくくなった、もうドキュメンタリーは撮らない、と言ってるらしいけど、確かにこの手法ではもう限界かもしれないなあ。ドキュメンタリーによって真実を突いていく姿勢よりも、どう見たってマイケル・ムーアのエンターテイナーぶりしか記憶に残らないから。

 2010年02月03日
 インビクタス/負けざる者たち
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

インビクタス/負けざる者たち監督:クリント・イーストウッド
出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン、スコット・リーヴス、ザック・フュナティ、グラント・L・ロバーツ、トニー・キゴロギ、マルグリット・ウィートリー
原題:Invictus
制作:アメリカ/2009
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/
場所:ヤクルトホール(試写会)

『グラン・トリノ』から一転、なんともストレートなストーリーの映画だった。モーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領が、ラグビーのワールドカップを利用して、分離していた白人と黒人を一つにまとめあげて新しい南アフリカ共和国を築いていく。そのプロセスがとてもスムーズに、あまり起伏もなく、大統領の家族に関する苦悩に対して鋭く突っ込みを入れることもなく、南アフリカのワールドカップ優勝と同時に白人と黒人の間の憎しみやわだかまりが徐々に薄まって行くさまが描かれている映画だった。

普段なら、あまりにストレートな映画は忌み嫌うところだけど、でもこの映画の場合、マンデラ大統領の人物像を掘り下げることに時間を割かずに、大統領に反対する勢力の暗躍を描くことなしに、ケレン味なくワールドカップ優勝まで突き進む過程のみを描いていたのは成功だったとおもう。30年間監獄に閉じこめられていた人間が、すべてを受け入れて、すべてを許す過程を描くのに、俗っぽい映画的手法はまったくいらないだろうから。

クリント・イーストウッドは本当にすごい。題材によって、どのように映画を撮るべきかを明確に把握していて、それを徹底させている。もう80歳になろうとしいてるなんて、誰が信じられるだろう。

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