
監督:マイケル・ムーア
出演:国の税金で私腹を肥やしている人々
原題:Capitalism: A Love Story
制作:アメリカ/2009
URL:http://www.capitalism.jp/
場所:新宿武蔵野館
原題に“A Love Story”とあるように、今回のマイケル・ムーアの口調はいつもの攻撃的姿勢ではなくて、哀愁漂う静かな語り口調で淡々と攻めて来た。これはこれで、頭に血が上ったマイケル・ムーアではなくて、自分の考えを押し付けるように観る者を誘導する口調も抑えめで、良いんじゃないかとおもう。
が、最後にウディ・ガスリーの曲が流れて、もう俺だけじゃどうにもならない、みんなの助けが必要だ! と言うに及んでは、もうマイケル・ムーアも疲れ果ててるんだな、という感想以外に残らなくて、キャピタリズムに対する怒りなどはどこかに吹き飛んでしまった。これだけマイケル・ムーアが声高に叫び続けても、銃規制や医療保険制度改革もままならないアメリカに本当に嫌気がさしてるんだなあ、と。
それから、日本などの諸外国を持ち上げて、それに比べてアメリカは酷い! といういつもの口調が残っていて、そこにはまたまたゲンなり。いやいや日本ってそんなに良い国じゃないよ、と全員の日本国民がツッコミを入れるよ、絶対に。結局マイケル・ムーアってアメリカのことしか頭にないじゃん、というイメージしか植え付けないよね、この描き方は。
マイケル・ムーアは、あまりにも有名になりすぎてドキュメンタリーを撮りにくくなった、もうドキュメンタリーは撮らない、と言ってるらしいけど、確かにこの手法ではもう限界かもしれないなあ。ドキュメンタリーによって真実を突いていく姿勢よりも、どう見たってマイケル・ムーアのエンターテイナーぶりしか記憶に残らないから。