
監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、エディ・マーサン、マーク・ストロング、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ、ジェームズ・フォックス、ハンス・マシソン、ウィリアム・ホープ、クリーヴ・ラッセル
原題:Sherlock Holmes
制作:アメリカ/2009
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlock/
場所:新宿ミラノ3
この世の中の一番嫌いな言動の一つに「○○は××であるべきだ」というのがある。最近なら、フォローされたらフォロー返しをするべきだ(またtwitterのことだ!)、なんてことを言ってる人がいた。そんなルールなんてどこにもないし、どうして自分の考えを簡単に押し付けたがるんだろう? そんな考え方をしていると、世の中のありとあらゆる事に不満を持つ事になってしまう。
シャーロック・ホームズのことだって、もちろん容姿や性格は小説の中に描写されているんだからその通りにキャラクターを造形するのが一般的なんだろうけど、そんな固定観念をぶっ壊しちゃっても良いとおもう。今までに形成されたシャーロック・ホームズ像に傾倒するあまり、あまりにも逸脱したやりかたに憤慨する人もいるだろうけど、やっぱり物事は緩やかに含みを持って捉えるべきで、どんなシャーロック・ホームズが来たって目くじらを立てて怒る事でもない。
このガイ・リッチーのシャーロック・ホームズは、およそ今までのシャーロック・ホームズ像からは想像できないものではあったけれど、物事を洞察鋭く見抜く能力だけはかろうじて残してあった。なので、その洞察から映画が展開して行くのかと思いきや、展開はしているんだろうけど、まるっきりストーリーに効いてこない。印象に残るのは、闘拳において、どのように相手を料理するべきかを推察する部分だけ。せっかくラストに建設中のタワー・ブリッジ上での決闘を用意してるんだから、そこへの至る道筋に、この唯一残したシャーロック・ホームズの能力を遺憾なく発揮するべきなのに、拳闘シーンしか記憶に残らないなんて。タワー・ブリッジ上での決闘でこそ、相手をどのように倒すべきか推察するシーンを持ってくるべきだったのに。
ただ一つの見どころは、爆風で人が吹き飛ぶシーンのVFXだけ。無駄に『ハートロッカー』よりも『シャーロック・ホームズ』のほうが良く出来ている。こんなところだけ良くても、まったく意味がないんだけど。