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 2010年04月22日
 息もできない
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

息もできない監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン、チェ・ヨンミン、オ・ジヘ
原題:똥파리
制作:韓国/2008
URL:http://www.bitters.co.jp/ikimodekinai/
場所:新宿武蔵野館

最初から最後まで暴力的で、まさにその題名の通り“息もできない”映画であると聞いたので、あらかじめ精神的に身構えて観に行ったら、おもったよりも暴力シーンに緊張感を感じなかった。確かに画面上では殴る、蹴るのシーンが連続しているけど、北野武の映画のような乾いた暴力では決して無かった。そこにはおそらく、似てはいるが非なる韓国と日本の文化の違いが影響してるんじゃないかと考えながら観てしまった。

先日、フジテレビの番組「ザ・ノンフィクション」で、“ぶっちゃけ!韓国に嫁いで PartIII”の回を見た。日本から韓国に嫁いだ3人の女性を追いかけるドキュメンタリーだったんだけど、そこで驚かされたのは日本では考えられない家族の絆の太さだった。ことあるごとに家族の行事が執り行われ、それを仕切る長男、サポートする長男の嫁の苦労が描かれていた。個人よりも家族が重んじられる生活は、現代の日本にはもう存在しなくなりつつある世界だった。

この『息もできない』には崩壊している二つの家族が出て来る。しかし、崩壊しているとはいえ、「ザ・ノンフィクション」に出てきた韓国の家族と大きく変わりはしなかった。どんなに暴力が画面を支配していても、家族の太い絆をプッツリと断ち切るまでには至らない情が映画の底辺に流れていた。そこが、おもったよりも暴力に緊張感を感じなかった理由なんじゃないかとおもう。唯一、緊張感が感じられたのは、ヨニの弟ヨンジェがサンフンを殴り殺すシーン。そこには情の欠片も存在していなかったから。

ただ、回想シーンはいらないなかった。回想シーンを使って過去を明確にするのも一つの手法で、映画を観るものにとってストーリーを簡単に理解する手助けにはなるんだろうけど、家族の図式が単純に見えてしまって、映画に深みがなくなってしまった。父親の財布から出てくる写真だけで、何となく過去を彷彿とさせる手法でも良かったのに。

ag-n
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