
監督:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛、一井直樹、芦田愛菜
制作:「告白」製作委員会/2009
URL:http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
中島哲也の映画は、この『告白』と同じように『嫌われ松子の一生』も観ていて辛かった。映画館にまで足を運んで、なんで人が転落して行く人生を見せられなきゃいけないのか、映画館ではフランク・キャプラの映画のようにハッピーな気持ちにさせてくれるのが基本だろう、なんて憤りもするんだけど、でも映画の評価として、暗い映画=ダメな映画、ハッピーな映画=良い映画、とも限らないのは至極当然で、『嫌われ松子の一生』は映画としては巧いし素晴らしかった。精神的には受け付けないダメな映画でも、技巧的には良い映画だったとなると、精神的な面の評価なんて観ているモノの主観的な評価以外のナニモノでもないから、そこはしかっかりと客観的に判断する必要があって総合的には良い映画となるわけでしょう。知人に薦められる映画かどうかは別だけど。
この『告白』は、子どもをダシに使っているぶん、『嫌われ松子の一生』よりもたちが悪かった。教壇に立った経験のある身からしても、子どものズルさが手に取るようわかったりするからなおさら精神的に響いたりしたし。でも、これがまた映画として技巧的に優れていて、特に映画全体を登場人物の告白で構成してあるところが巧かった。まるでジグソーパズルのように告白を錯綜させておきながら、全体的なストーリーの流れを乱れさせることなく起承転結を形作っているところが素晴らしい。映像も、『下妻物語』からの中島哲也トーンというか、ちょっとコントラストの強い画の作りが少年犯罪という題材にぴったり。この題材と、水飛沫をスローで取るシーンなどから、ちょっと岩井俊二の『リリシュシュのすべて』を思い出したりもするんだけど。
この精神的に辛い映画の唯一の救いは、最後のクレジットに「タンバリン指導」としてゴンゾーの名があったこと。ゴンゾーって、人に指導できるほど偉い人だったんだ。このクレジットで笑える人は、落ち込んだ気持ちを少しばかり上気させることができます。