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 2010年07月12日
 パリ20区、僕たちのクラス
Posted by ag at 23:25/ カテゴリー: MOVIE_Database

パリ20区、僕たちのクラス監督:ローラン・カンテ
出演:フランソワ・ベゴドー、スレイマン、エスメラルダ、クンバ、ラバ、カルル、ウェイ、ナシム、ダミアン、ジュリエット、ジュスティーヌ、リュシー、アンジェリカ、ローラ、エヴァ、ブバカール、ルイーズ、チーフェイ、サマンタ、アンリエット、ダラ、シェリフ、アンチュール、ビュラク、アガム
原題:Entre les murs
制作:フランス/2008
URL:http://class.eiga.com/story.html
場所:岩波ホール

昨年のカンヌ映画祭のパルムドールを取った作品。

サッカーのフランス代表を見てもわかるように、フランス人と呼ばれる人種の内訳には、白人が占めるパーセンテージが極端に少なくなって来ているに違いない、と勝手に推測していた。それを実際に確認することが出来たのが、この映画に登場するパリ20区の公立中学校だった。マリ系、カリブ海系、モロッコ系、アルジェリア系、中国系、そして従来の白人系。生徒たちの肌の色や顔立ちは様々。そんな彼らに国語の授業を行う先生を中心に、クラスの様々な個性ある生徒たちを描いた映画が『パリ20区、僕たちのクラス』だった。

ほぼ単一民族で構成される日本の中学生を仕切るのも大変なのに、人種の違う中学生をコントロールしなければならないパリの先生の苦労は並大抵ではない。生徒のフランス語の習熟度も違うし、中には読み書きもままならない生徒もいる。聞く音楽も違うし、着るファッションも違う。応援する国のサッカー代表までもが違う。授業を進めるにあたっての生徒たちの共通項があまりにも少なすぎるのだ。これでは、授業のコントロールを失った時に避難する“よりどころ”があまりにも無さすぎる。

そのような勝手気ままな生徒を先生がコントロールする術は言葉のみ。武器は言葉だけなのだ。だから先生は、言葉の使い方を熟達していなければならない。言葉の使い方を一つ誤れば、生徒の信頼を一気に失うし、信頼がなければ授業を先に進める事は出来ない。授業というものは、生徒の言葉に対して、的確、最善の言葉を選んでリアルタイムに返さなきゃいけないし、興味を失う生徒に対して言葉で持って興味をつなぎ止めなくてはいけない。すべてが、言葉なのだ。

クラスを受け持つ先生役のフランソワ・ベゴドーは元教師でもあり、この映画の原作者でもある。そして、出演する中学生は実際のパリ20区にあるフランソワーズ・ドルト中学校の生徒たちだ。だから、まるでドキュメンタリーのような映画となってる。先生と生徒の言葉のやり取りを追いかけるカメラのまなざしは、まるでドキュメンタリー映画作家、フレデリック・ワイズマンのまなざしのよう。一つの言葉の使い方のミスから先生と生徒の関係が揺らぐ過程をしっかりと描いている。

経験からあまりにも先生役に感情移入してしまったけど、素晴らしい映画でした。ちょっと、カメラワークなど、ドキュメンタリー映画すぎるけど。

ag-n
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