
監督:ルイ・シホヨス
出演:リック・オバリー、ルイ・シホヨス、イザベル・ルーカス、ヘイデン・パネッティーア、ポール・ワトソン
原題:The Cove
制作:アメリカ/2009
URL:http://thecove-2010.com/
場所:シアター・イメージフォーラム
ドキュメンタリー映画と一括りに言ってもいろいろなタイプのものがあって、実際に映画を観てみるまではそれがどのタイプのドキュメンタリー映画なのかわからないのが正直言ってキツイ。とは言っても、明確なジャンル分けがなされているわけではないので、どうやって観ようとしている人たちにそれを伝えるべきなのかその方法がわからない。マイケル・ムーアくらいに有名になれば、ああ、あの手の映画ね、とわかるんだけど。
自分の好きなタイプのドキュメンタリー映画は、カメラが単純に被写体を追い続けるタイプの映画。音楽もテロップもナレーションも無いのが一番良い。そこに存在している事実だけをカメラで捉えていながら、監督の意図している主張がしっかりと観客に伝わってくるような映画が一番大好き。
もちろん明確な主張があって、それを押し出し強く、観るものに訴えかけるドキュメンタリー映画があっても良いとはおもう。好きなタイプの映画ではないけれど、全面的に否定するものでもない。今回の『ザ・コーヴ』は、どちらかと言うと、この手のジャンルに属するドキュメンタリー映画だった。でも、そういったタイプのドキュメンタリー映画であったとしても、作り手側の都合の良い映像だけを羅列して、そこに自分たちの主張のみを被せてくるだけの映画では観ていてとても辛い。イルカを食用として捕獲することに不快感を持つことは理解できるし、それに反対する気持ちもわからないでもないけれど、太地町の人々を得体のしれないモンスターとしてしか描いていないのは、ドキュメンタリーとしてはいちじるしく客観性を欠いてしまっているように見えてならなかった。あまりにも一つの感情に支配されすぎて回りが見えなくなってしまっている映画にしか見えなかった。
何もイルカを食わなくてもいいじゃん、とは思うけど、その“イルカ”を“猫”や“犬”に置き換えた時と、“牛”や“豚”に置き換えた時に生ずる感情は人それぞれだなあ。自分としては動物の肉を食べる事にそんなに執着はしていないので、何も牛や豚を食わなくてもいいじゃん、にもなります。自分にとって“イルカ”と“牛”や“豚”は同義です。