
監督:姫田忠義
出演:
制作:民族文化映像研究所/1976
URL:
場所:KINEATTIC
『アイヌの結婚式』と一緒に観たのが『奥会津の木地師』。
“木地師”と云うのは、良質な材木を求めて山の中を歩く木工職人のこと。良い木があればそこに小屋を建て、一定期間定住してお椀などの木工品を加工、製造する。でき上がった製品は会津の商人の手へと売られて行く。そしてまた良い木を求めて次の場所へと移動して行く。この映画はそんな“木地師”のワザを、小屋を建てる方法も含めてしっかりとカメラに捉えている。特に女の人が、お椀の荒型を足で抑えながら、小さめの鍬と云うか、大きく曲がったノミと云うのか、そのような道具を使って綺麗にくり抜いて行く過程は、誤って足の指を切ってしまうのではないかとおもえるくらいに勢い良く刃をあてる大胆さがカメラのクローズアップによってうまく表現されている。考え抜かれたカメラのポジションが素晴らしい。
ドキュメンタリー映画のナレーションについては、まあ、基本的にはあまり好きではなくて、フレデリック・ワイズマンのようにすべてを映像で説明してくれているほうが大好きで、だから『アイヌの結婚式』のような口調のナレーションにはちょっと引いてしまう。もちろん、ナレーションだけで映画の良し悪しを決定するものではないんだけど、ナレーションが映画の雰囲気をある程度決定づける要素ではあるんだよなあ。『奥会津の木地師』のナレーションは姫田監督自身が行っている。『アイヌの結婚式』のような、昔の文化映画によくあったような、実直ではあるけれど暗めの口調のナレーションを付けるのか、この姫田監督のようなちょっと砕けた感じの明るい口調のナレーションを付けるのかで映画の雰囲気はがらりと変わってしまう。姫田監督のナレーションは、その口調によって映画全体が柔らかくなっているのは良かった。ああ、でも、昔の文化映画にも、このようなフランクな口調のナレーションを付けたものもあったなあ。なんだろう? ナレーションの演出方法というのは、ある程度この2種類の方法に分類されていたんだろうか? そこのところが詳しく知りたくなってしまった。