
監督:青原さとし
出演:前島美江
制作:新日放/2011
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場所:ノイエス朝日(前橋市)
群馬県高崎市の伝統である竹皮編(たけかわあみ)を追ったドキュメンタリー。その竹皮編からさらに材料のカシロダケや、竹皮を使ったバレン、日光下駄、羽箒を求めて映画は広がりを見せて展開して行く。
上映後に、この映画の監督の青原さとしさんと映画監督の飯塚俊男さん、美術家の白川昌生さんの対談があって、その中で飯塚さんが「最初に見た時のロードムービーのようなところが無くなってわかりやすくなった」と云っていた。ああ、なるほど。この言葉を聞いて、映画を観ていて引っかかったものが何なのかがわかったような気がした。云われる通りに、おそらく映画としてはわかりやすくなっていたのかもしれないけれど、青原さんの旧友の前島美江さんがいつの間にか竹皮編の工芸師になっていたことからはじまって、九州の福岡県八女市にしかないカシロダケを求めて映像が旅をして行き、さらに竹皮を使った他の工芸品を求めて旅をしていく過程に、車に乗った青原監督たちが繰り広げるヴェンダーズ映画のロードムービーのような雰囲気があったら面白かったんじゃないかとおもってしまったことが観ていて引っかかった部分だった。もちろん青原監督にそんな意図がなければそういったロードムービーのような映像を撮ってはいないのだろうけど、部分的に残っていた前島美江さん、芳隆さん夫婦の愚痴り合う会話や、福岡県八女市での竹林農家のおばさんとの会話などそういった車中の映像が、関西方面の竹皮商や関東方面のバレン職人、羽箒、日光下駄を求めていく過程であったら良かったんじゃないかとちょっとおもってしまった。
この映画に出て来るような工芸師の映像は、昔、文京区が作った漆塗りや水引(みずひき)の職人の映像を何度も繰り返し見たことがあった。最初はまったく関心がなかったことが、職人のきめ細やかな作業を映像で見るうちに次第に引き込まれて行ったことにとても驚いた。そんな経験から、丹念な映像の積み重ねほど面白いものはないと云うことがわかった。この映画でも竹皮編やバレンを作る過程など物凄く面白い。こういった職人芸の映像を見るといつも映像の持つはかり知れぬパワーを感じてしまう。