小さな出版社の日々
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 2005年04月16日
 “お気に入り”のある暮らし
Posted by みやこ at 02:42 / カテゴリー: 食・農・村

「高校生のころ、スカッとしたいと、ババババァ〜とスクーターで峠まで行って、ぼんやりしていた」という話を知人から聞いた。

地方に出掛け、地元の人に案内してもらうと、ある場所を通りかかった際に、「ここ好きなんですよ、いいでしょ?」と言われたりする。そこは、ガイドブックに載ってるような景観ではなく、その人にとっての特別なポイントのようである。
増山たづ子さんの『故郷〜私の徳山村写真日記〜』(じゃこめてい出版、1983年9月)には、〈何十年も私の心の友として色々な事を話しかけ、又そのたびに教えてくれた大事な親友〉という「友達の木」が紹介されている。
いつもそこに在る、ものに対する人の心の有り様というか、お気に入りのある幸せというか、なんだか羨ましい。
身近にある“お気に入り”はパソコンの中。「友人・知人」フォルダにまとめられている個人ホームページ・blogだけでも、きょう数えてみると、二桁になっていた。ときどき覗く。
そうか、この映画面白いのか、観にいこうかな。他での評価はどんなもん? いま上映してるだろうか?
ふ〜ん、そんなこと考えてるんだ。ちょっと違うと意見したい。メールするか? でも、私の知識が誤ってるかも?
たたずむことなく、クリック、クリック。心が安らうというわけにはいかない。与えてくれた情報をサッサと判断・処理している。峠や木が五感に与えてくれる“情報”は、たぶん、それを要求しない。ここらにも、スローライフの活力の源があるってことかしら。
けれど、自覚していないだけであって、キーボードのEnterをじっと見つめていたり、机上にだって峠や友達の木のような“お気に入り”があるかもしれない。まあ、風に吹かれたりはしないけど。〔そこに在る〕時間もおそらく短い。