小さな出版社の日々
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 2005年05月02日
 こだわりのない? 一箱古本屋さん
Posted by みやこ at 20:43 / カテゴリー: 古本屋

4月30日、“不忍ブックストリート”で開かれた「一箱古本市」に行って来た。書店やギャラリーなど12店舗の軒先に、75人が一箱ずつ古本を持ち寄り販売するというイベント。私は、地下鉄千代田線・根津駅で降りて、根津、千駄木、谷中を通って日暮里まで出て、千駄木に戻って、また地下鉄に乗るというコースを辿った。

朝倉彫塑館の近所で学生時代に長期バイトしていたのだが、そのころ通った食堂も健在。そこでクリームあんみつを食べながら思った。案外みんな、本にこだわりがないみたい。出品者それぞれに凝った“店名”をつけているのに、本の品揃えのほうはあまり考えていない感じがしたのだ。箱ひとつの“古本屋さん”だから、たとえば、この一帯を舞台にしたミステリーやホラー等でまとめたりもできそうなのに。写真集だけ、詩集だけとかね。ま、8店舗前しか立ち寄らなかったし、見落としも少なくないだろうけど。「中身の分からない本」を売っていたアート系(?)の“古本屋さん”もあったし、なにより面白くはあったのだから、文句というわけではないのだが。
これも時代ですかね、と思う一方、出品者のメリットが少ないから(推定)しかたがないのかもしれない。本は重いし高値だと売りにくいし、仕入れて売れなかったら持ち帰るのも大変だし、自分の作品を売るわけでもないし。
ちらしに〈日本初(?)のネットワーク型古本市です。〉とあるから、今回初めてのイベントなのでしょう。主催者・出品者のご苦労に感謝しつつ、でも思う。軒先を借りる店舗ごとに古本屋さんの傾向・趣向が決まっていたり、道筋に「謎の地図」が張ってあったり、ピエロがちらしを配りながら歩いていたり、飛び入り参加の古本屋コーナーがあったり、古本オークションが開かれたり、もう少し遊び心が欲しい。とは言え、次回を楽しみにしています。
ちなみに、私は『「ガロ」編集長〜私の戦後マンガ出版史〜』(筑摩書房、1982年)を購入。刊行時買って読んだのだけど、行方不明になった本。戦後の“神田村”の様子などが分かる名著です。著者の長井勝一さんは村でよくお見かけしたしましたが、1996年に74歳で亡くなりました。毎日札束が飛び交っていた村、いまは想像するだけです。