小さな出版社の日々
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 2005年06月02日
 リアルな店舗とは?
Posted by ag at 13:07 / カテゴリー: 本

先日、最近行きつけになっている自転車屋のにいちゃんと話しをしていたら、以下のような話題になった。

マウンテンバイクなどはネットでの安売りが横行していて、普通の店舗での扱いが難しくなって来ているんですよね。まあ、それはそれでしょうがないんですけど、酷いのはネットで部品だけを買って来て、自分で組み立てようと思ったらそれが出来なくて、近くのお店に持ち込んで組み立ててくれって言ってくる人がいるんです。もちろんお客さんだから、イヤな顔をすることもできずに、組み立ててあげるんですけど。

商店街などにあるリアルな店舗が、ネットでの店舗より有利な部分があるとすれば、それはやっぱり対面販売にこそあって、お客の表情を伺いながら適切なアドバイスができることにあると思う。いくらネットでの販売価格が安くたって、付加価値としてのプロのアドバイスを求めてリアルな店舗に足を運ぶんだと思う。特に自転車のような商品の場合は、買ってからのメンテナンスが重要になってくるので、なおさら技術的にしっかりしたリアルな店舗が必要になってくる。

NHKの番組「クローズアップ現代」で、主人に噛みつくペットが増えている、という話題をやっていた。これもやはり、ネットでペットを購入してしまって、聞きかじりの知識だけで間違ったしつけをしてしまった結果だそうだ。さらにペットショップの場合、金儲けだけの悪徳業者も多く、飼育についての適切なアドバイスをしてくれない店も多いそうだ。リアルな店舗ならどこでも良いというわけではなくて、もちろん、購入する側もしっかりとしたお店の目利きが必要になってくる。

本屋はどうなんだろう?

このネット時代に、本屋がリアルな店舗である必要性はどこにあるんだろう? それはやはりその中身が確かめられることこそにある。そして、本屋の書棚を眺め歩いて、自分にあった本を探す喜びにあると思う。探している本がどこにあるかを聞くことがあっても、店のおやじに自分の読書についてのアドバイスを求めたりはしない。購入後のメンテナンスもまったく必要ない。とすると、本屋としてのリアルな店舗に求められるのは品揃えだけで、それ以外の付加価値はあまり求められない。

こう考えると、商店街などにある街の小さな本屋の必要性がまったく無いことに気がつく。コンビニなどで雑誌や漫画も買えるし、ブックオフなどの新古書店もあるし、いったい街の本屋はどうすればいいんだろう?

昔、渋谷のHMVの店員に、あの〜、サッカー番組のラストにかかっている曲で、おそらくイタリアのバンドか何かの曲なんですけどお〜、って言ったら、すぐさまその曲が入っているアルバムのある場所まで連れて行ってくれたことがあった。なんだか、いたく感動してしまった。いまじゃ、ネットでの検索の方が有利なんだろうけど、そんな商品知識を持っている店員がいる店舗でものが買えた喜びみたいなものがあったような気がする。

私の読書傾向は、これこれこういう感じなんですが、最近発売された本の中に私に合うものはありますでしょうか?

とか、

最近の私はどうも保守傾向で、もう一つ自分の殻を破れないんですよね。そこをどうにか打ち破りたいと思っているんですが、そんな私にぴったりの本はないでしょうか?

という相談を受け付けてくれて、それに対してぴったりな解答を寄せてくれる江原啓之のような本屋のおやじがいたら、自分だったらその店に行くかもしれない。