2012年02月01日

2月1日

石井ゆかりさんのきょうの星占いによれば、私の星座は「人から受けとるものも、人に与えるものも多い日」ということで、水牛の更新の日にはピタリなお言葉でした。こういうとき、妙にうれしくて、大人気ないのです。

「水牛のように」を2012年2月号に更新しました。
高橋美礼さんはここには初登場ですが、水牛レーベルのCDのデザインでおなじみです。映画をそこに出てくるモノから読み解く楽しみが続きそうです。どんな映画も記録であり、その映画に関わった人たちの意図したものはもちろんですが、それを越えて記録されてしまったものがたくさんあります。そういったちいさなモノに焦点をあてると映画の見方が変わることもあります。ご本人のイラストがあるのは璃葉さんとおなじ。
大野さんが杉山さんの指揮を見ていたり、若松さんが先月紹介した本を四釜さんが手にとっていたり、ヒバリさんの原稿がスラチャイの暮らすタイから届いたり。こうした交わりは「絆」とはまったく違う関係性だと思います。

3月11日の午後はスタジオイワトに集まりましょう。藤井貞和さんの「東歌篇––異なる声 独吟千句」(2011年 反抗社出版)を藤井さんを交えて読みます。「ツイッターはわれわれの記憶の底へおりて、今年という三月を、そしてそれ以後を、深い悲しみとともに記録しました。私はそれを定型という装置で試みようとしています。」とあとがきにあります。A4の用紙11枚の表裏にプリントされて右端をホチキスで止められ、それを二つ折にしただけの「異なる声」千句をいろんな声にのせてみたい。詳細はまた来月にお知らせしますが、予定しておいてください。

●港大尋さんからのお知らせ
「音楽と声 破片のひびき」
2012年2月7日(火)19時〜 神戸・三宮のギャラリー島田
港大尋(ピアノ、ジャンベほか)
季村敏夫(ポエトリー・リーディング)
東京の情報に偏る傾向がありますが、このサイトを訪れてくださるのは東京の人ばかりではありません。神戸に近ければ、ぜひ!

それではまた!(八巻美恵)

2012年01月01日

1月1日

あけましておめでとうございます。

少しのお酒と少しのお節、そしてお雑煮を食べて、さて、水牛の更新をしなくてはとPCの前にすわったら、大きな地震に見舞われました。いやはや。お正月だからといって自然は勘弁してはくれません。わかってはいてもそのたびに衝撃を受けるひとりの小さな人間です。

「水牛のように」を2012年1月号に更新しました。
年のはじめなので、執筆者のサイトやブログを紹介します。それぞれの人のそれぞれの道です。とりあえず把握しているものだけですから、他にもあるかもしれません。興味を持たれたらさらに検索してみてください。

 植松眞人 Wiki オフィス★イサナBlog 
 大久保ゆう The Baker Street Bakery
 管啓次郎 Mon pays natal
 くぼたのぞみ エスペランサの部屋
 笹久保伸 Sasakubox
 佐藤真紀 佐藤真紀のブログ-イラク・ふくしま編
 四釜裕子 bookbar5
 杉山洋一 TOKYO CONCERTSによるリスト
 高橋悠治 高橋悠治
 冨岡三智 ジャワ舞踊の会・冨岡三智
 藤井貞和 Wiki
 三橋圭介 音楽の言の葉
 森下ヒバリ アマゾンの著作リスト

2012年、水牛がかかわる企画の第一弾は「高橋悠治50人のためのコンサート」シリーズ。スタジオイワトの空間をフルに生かした、とっておきのコンサートやポータブルシアターをことしは5回おこないます。
その第一回は「胸の振子、膀胱結石手術図ほか」
ヘンリー・パーセルから服部良一までの盛り沢山な1時間です。
1月22日(日)15時開演
4000円(前売り/当日)50人予約制ですから、まずは予約を!
メールは haru@jazz.email.ne.jp
電話は 08054523165(平野)

制作の「影反研究室」はこれまでのイワトでの催しなどで協力しあってきた数人の集まりです。「影」と「反」とを生きがいにしているのがメンバーの共通点。イワトの平野公子さんと水牛の八巻美恵とが脳天気にあれやこれやアイディアを出し、実務もおこなっていますが、制作や演出のプロ中のプロもメンバーにいるので、彼らと相談しながら最初に胸に宿ったアイディアを、最高のかたちで着地させていくのがのぞみです。
3月11日の午後もこの日を記憶にとめおくための集まりを企画中です。決まったらお知らせしますので、その日をいまから空けておいてください。

杉山洋一さんからのコンサートのお知らせを。
第729回 東京都交響楽団定期演奏会Bシリーズ
《日本管弦楽の名曲とその源流-14(プロデュース:一柳慧)》
2012年1月24日(火) 19:00開演(18:20開場)サントリーホール
野平一郎:オーケストラのためのトリプティーク*
野平一郎:チェロとオーケストラのための響きの連鎖*
ブーレーズ:エクラ/ミュルティプル(2002年改訂版・日本初演) **
チェロ:堤剛 指揮:野平一郎*、杉山洋一**
お問い合わせhttp://bit.ly/e3E9ac

製本塾は春過ぎから始めます。もう少しお待ちください。

片岡義男さんの新著も私が携わっているものだけで3冊が着々と進んでいます。暮れも正月も関係ない、いつものとおりの勤勉な労働者です、と片岡さん。そういえば去年は1月2日に原稿が届いたのでした。ことしも来るかも。。。

というわけで、揺れる地面の上で働き続ける一年がまたもスタートしたわけです。

それではまた!(八巻美恵)

2011年12月04日

ぼくのマザー・グース


  ドーナツ

ドーナツがドーナツの穴から
こっちを見てるよ
ウインクしてやったら
ドーナツもウインクしてよこしたね
まんなかから、パカン、とふたつに
体を折って。


  おへそパン

あたたかいおへそパン!
あたたかいおへそパン!
ひとつ十円、ふたつも十円
あたたかいおへそパン!
お嬢さんがお好きでなければ
息子さんにあげてください
お嬢さんも息子さんもいらっしゃらなければ
ご自分でめしあがるほかないようね。


  樹のうえの赤ちゃん

緑の葉をいっぱいにつけた
大きな樹のうえに
赤ちゃんがいました
強い風が吹いてきて枝がゆれ
赤ちゃんは下へ落ちていきました
あっ! かわいそう!
と、心のなかで叫んだその樹は
自分の葉をいっぺんに枯葉にして散らし
下に落ちてぺしゃんこになった赤ちゃんのうえに
とってもやさしくかけてあげました


  馬

馬が走るパカパカ
誰も乗っていない
馬が走るボコボコ
穴のあいた人が乗っている
馬が走るペコペコ
お腹のすいた人が乗っている
馬が走るブカブカ
大きすぎるパンツの人が乗っている。


  男はつらいよ

田中一郎
月曜に生まれ
火曜に就職
水曜に結婚
木曜に病気
金曜に悪化
土曜に死んで
日曜に埋葬
これで終りじゃ
田中の一郎


  古い靴の家

大きな古い靴に住んでいたその女の人には
子供がとてもたくさんいました
いったいどうしていいかわからないほど
たくさんたくさんの子供たちでした
ある日、彼女は、その子供たちをひとまとめに野原に立たせ
大きな古い靴を大きな人にはいてもらい
子供たちをみんな
踏みつぶしてもらいました。


  猫のいる町

少女ボピープは町に引越してきました
川のほとりの、猫のたくさんいる小さな町
町の人はみんな、やさしいボピープに
昼のあいだ猫をあずけることにしました。

夕暮れになるとボピープは
あずかった猫たちを客間にあつめ
しっぽをくっつけなおしてあげます。

陽の照る日も曇った日も
ボピープは猫のしっぽを洗濯するのです
曇った日はよくかわかないこともあり
猫たちは半がわきのしっぽで
家へ帰ります。


  午前七時の牛乳屋

牛乳屋は毎日
午前七時に来るはず
今日はなぜおくれたの
牛が寝ぼうしたから。


  うどん屋さんにて

手打ちうどん
長い、細い
太い、みじかい
いろいろだ
長いのはツルーン
細いのはツル
太いのはズルッ
みじかいのはスル
とてもみじかいのは、ス
それでは食べます
ズルッ、スル、ズルッ、スル、ツルーリ
ツル、ツル、ツルーリ、スル
ズルッ、スル、ツル、スル、ツルーリ
とてもみじかいのは最後にまとめて
ス、ス、ス、ス、ス、ス、ス、ス。


  腕時計

お湯がトウフだったら
お風呂屋はトウフ屋
ウナギが腕時計なら
手首に一匹まいておく。


  コマドリ

北風が吹くようになったら
すぐに雪が降るだろうなあ
かわいそうに
コマドリはどうするだろう
納屋のなかにすわって
冬のあいだじっとしてるかな
頭を翼の下につっこみ
朝、昼、晩、一日三食
自分の体をつついて食べながら。


  お父さんはウサギ狩り

デパートの屋上の動物園に住んでいる
オオカミのご夫婦に子供ができた
屋上の夜は秋になると冷えこむ
「あたたかい毛皮がこの子のために欲しいわ」
と奥さんに言われたおとうさんオオカミは
よしそれではと夜中にテッポウを持ち
三階のオモチャ売場のぬいぐるみ人形のところで
ウサギをしとめて皮をはいできた。

2011年12月01日

12月1日

きょうの東京は雨もよう。気温はきのうより十度も低く、きょうは寒いにしても、きのうは暑かったのでした。日毎に乱高下する気温に象徴されるように、気候はあきらかに昔のままではありません。きっぱりとした衣替えなどできないので、あれこれ出し並べ状態です。どうなるのかな、地球。

「水牛のように」を2011年12月号に更新しました。
原稿はいつもメールで受け取っています。私のアドレスは二つあり、これまではだいたい二つとも安定していたのですが、ここにきて、一つが不安定になってきました。当然届くだろうと思っているメールが届かないことがあります。これを書いている段階で、連絡もないし原稿も届かない人が二人います。相手がある年齢に達していると、メールを送れない状態なのだろうかといらぬ心配がむくむくとわきあがってきたり。。。

佐藤真紀さんの日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)が今年もチョコ募金を始めました。500円を募金すると、北海道六花亭のミルクチョコ・モカチョコ・ホワイトチョコの3種類10枚が入っているかわいい丸い缶がもらえます。缶にはイラクの少女ハウラの花の絵がプリントしてあり、ぜんぶで4種類あります。500円の募金のうち、300円はイラクの小児がんの医療支援に、50円が福島のこどもたちを放射能から守る活動に使われるそうです。目的があり、そのための展開がこんなふうに当事者の物語を含めてラブリーに展開されると、応援するほうも解放されると思います。

杉山洋一さんからは「しもた屋之噺」に書かれている曲が演奏されるコンサートのお知らせです。
安江佐和子コンサートシリーズ〜Prana 息 vol.2 Prana クリスマス
12月18日(日)14:00開演 ムジク・ピアフォーヌ(井の頭線・駒場東大前より徒歩4分)
クリスマスの名曲 ハチャトゥリアン:Violin協奏曲全曲  杉山洋一:サロ=ウィワをわすれるな(改訂初演)
安江佐和子(perc) 竹花千景(pf) 入場料3000円
お問い合わせ・ご予約 prana.sawako@gmail.com

そして最後に大晦日の「冬の旅」(シューベルトのあれです)、ことしもやります。歌は斎藤晴彦さん、ピアノは高橋悠治さん。おなじみの(でも毎年違う)二人の共演です。神保町の近くに移転した新しいイワトで新しいピアノで。
12月31日(土)午後3時開演、会場は15分前
スタジオイワト アクセス
3500円 予約制50人
予約はメールか電話でどうぞ! お待ちしています。
haru@jazz.email.ne.jp
080-5452-3165(平野公子)

それではまた新しい年に!(八巻美恵)

2011年11月01日

11月1日

東京はまだ夏のような晩秋の始まりの日です。十月がいつもよりずっと長く感じられたのは、この天候のせいなのかもしれません。

「水牛のように」を2011年11月号に更新しました。
藤井さん(今月の筆名は釈貞和さんです)の『東歌篇――異なる声』の千句すべてを、来年の3月11日に朗読することを企画しています。ちいさな「明日の神話」を受けとめるために。
片岡義男さんの本を編集していて、ついきのうも新しい原稿を受け取ったところです。そのなかに、ことばをめぐって、僕が始まった、という瞬間のことが書かれていて、その「僕が始まった」という言いかたに強い印象を受けました。今月の杉山さんのものなど、それがぴったりあてはまると思いますし、そんなふうに考えていると、毎日のちいさな出来事にも、私が始まる瞬間はいくつも見つけることができる。
洪水のバンコクの映像を見て、さらに森下ヒバリさんのバンコクの外食事情を読むと、私の知っているバンコクはもうどこにもないという気がしてきます。かなり短絡的な印象かもしれませんが、失われたものは二度と戻ってこない、ということに間違いはないと思うと、まるで浦島太郎のような気分。。。

さて、今月もお知らせをいくつか。
まずは本から。

『春楡の木』は藤井貞和さんの詩集です。

『オトメンと指をさされて――翻訳使いの自由帳』は大久保ゆうさんの電子本です。水牛に連載されたものを編みなおして、一冊にまとめたラブリーなもの。

『コロンブスの犬』は管啓次郎さんの処女作の文庫版。22年ぶりの刊行だそうです。「管啓次郎が始まった」この本もちいさな歴史に目を開かせてくれます。

そして、コンサートをひとつ。

低音デュオ4th Live
11月24日(木)19時開演 門仲天井ホール
松平頼暁:Rotation I 難波研:Silent Moon(委嘱初演)山根明季子:Dots Collection
No.12(委嘱初演)木下正道:双子素数(委嘱初演)Codex Montenus(モンテン写本、作者不詳)杉山洋一:ファンファーレ(tuba solo)(委嘱初演) 松平敬(bar.)橋本晋哉(tuba)
前売2,500円、当日3,000円 お問い合わせ:teion_duo@gmail.com 門仲天井ホール:03-3641-8725

2011年10月06日

10月7日

トークのお知らせです。

高橋悠治『カフカノート』と『カフカ/夜の時間』の二冊が今月21日にみすず書房から刊行されるのを記念しての、高橋悠治と保坂和志のトークがさきほど決定!
「カフカ×高橋悠治×保坂和志 わたしたちの書きかた/つくりかた」

カフカについてぐるぐると考え続けるふたりのトークを、新しい白いイワトで聞きます。
当日出来たての本の販売もあり。

■日時
10月22日(土)15時30分開場 16時スタート
■会場
スタジオイワト
千代田区西神田3−8−5 ビル西神田1F
http://www.studio-iwato.com/studio/map/
■定員 60名(お電話にてお申し込み先着順)
■入場料 1000円
■予約受付 スタジオイワト:080-5452-3165

2011年10月01日

10月1日

さて、暑かった夏は九月とともに過ぎていきました。きょうからはたそがれの国です。すずしくなったら一気に片付けようと思っていた仕事を始めなくては。予定していたよりひと月ほど遅れているのは、夏が長がったからであり、どうすることもできないそのような事情は、黙って受け入れるしかありません。外を歩くのが快適な季節なら、ブラッドベリが描いたたそがれの国を軽く超えてしまったこの真実たそがれの国でも、できることはまだまだあると思います。

「水牛のように」を2011年10月号に更新しました。
たそがれの感じはここでもうっすらとすべてを覆っているように感じられます。かつて佐藤真紀さんたちによる支援で足のがんの治療を受けた12歳のアヤ・ドリッドさんは「イラクの子供たちの代表として」日本の震災後の復興を願ってくれていますが、その願いにこの国は応えられるのかどうか。

今月は新刊の紹介をすこし。どれもいわゆる一般的なものではありませんが。
水牛ではさまざまな名前を駆使する(?)藤井貞和さんの短歌型詩群集という『うた ゆくりなく夏姿するきみは去り』(書肆山田)が夏のさなかに届いたと思ったら、夏の終わりにはもう一冊の『東歌篇――異なる声 独吟千句』(反抗社出版)が届きました。書肆山田の本は活版の美しいものであり、一方の反抗社出版のものはB5判上質紙11枚に、2段組でびっしりと連句という短い定型詩が並んでいます。「八月という日本社会、迎え火の晩夏を、私はこの定型によって悲しみました」とあとがきに。

管啓次郎さんの詩集『島の水、島の火 Agend' Ars 2』(左右社)ももうすぐ書店に並びます。
先月お知らせした10月23日のAyuoとのジョイントコンサート「ペレ- ハワイの神話」では、管さんの歌も聴けるようです。

三橋圭介さんらが訳した『現代音楽キーワード事典』(デイヴィッド・コープ 春秋社)は「米国で第7版を重ねたロングセラーの教科書として、音楽のみならず、ひろく現代芸術を学ぶ人のための座右の書となっている」そうです。興味のある人にとっては重要な本だと思います。

スタジオイワトには「屋上」というちいさな出版社が、間借りなのか居候なのか、ともかく隅っこに乗っかっています。以前「イワト」という小冊子に連載をしていた縁で、ここでも連載を始めました。すでに公開されているのは一回目とその番外だけですが、二回目も原稿は渡してありますので、もうすぐ公開されるはずです。ときどき覗いてみてください。

それではまた!(八巻美恵)

2011年09月01日

9月1日

真夏のうちに一度涼しくなると、その後に暑さが戻っても、なんとなく風が秋の気配を伝えてくれたりします。でもまだ夏、と思っているうちに、はや9月。暑いと言ってみたり、涼しくなるとさみしく感じたり、われらにできることといったらその変化を受けとめるだけです。

「水牛のように」を2011年9月号に更新しました。
今月は植松人さんの短編小説を一挙掲載しました。ふた月あるいは三月に分割することも考えましたが、ひとつのストーリーですから、読み始めたら最後まで到達できるのが望ましいと思いました。短編小説としては短い部類ですが、それでも「水牛のように」の他のテキストと比べると圧倒的に長いので、これだけ別のウインドウが開いて独立した表示を考えたりもしました。でも、いつものようにすべてを並べることにして、最後に置きました。いつもと少し違う雰囲気を楽しんでください。

ライブのお知らせです。
●Ayuo/笹久保伸 ジョイント・コンサート
9月18日(日) Open 19:00 Start19:30 公園通りクラシックス(Tel:03-3464-2701)予約¥3,200 (1ドリンク付)当日¥3,500 (1ドリンク付)
笹久保伸(ギター・作曲) Irma Osno(歌)Ayuo(Vocals, Irish Harp, Bouzouki)戸島さや野(Violin)守屋拓之(Contrabass)立岩潤三(Percussion)ゲスト:北中正和

●Ayuo and Seashell/菅啓次郎ジョイント『ペレ- ハワイの神話』
10月23日(日)19:00 open 19:30 start。サラヴァ東京 (予約)3000円+1ドリンク (当日) 3500円+1ドリンク
Ayuoによるペレとその妹ヒイアカ、そして少年ロヒアウの物語にもとづく、音楽と語りの作品と、長年ハワイを中心とするポリネシアの旅を続けてきた、詩人・エッセイストの管啓次郎によるハワイ諸島をめぐる朗読と音楽のための作品。

二つのライブの詳細とスケジュールなどはAYUOのサイトでご確認ください。

これまで水牛主催のコンサートや製本ワークショップなどをおこなってきたシアター・イワトが場所を西神田に移して、スタジオ・イワトとして生まれ変わります。以前は製本工場だったらしいビルの一階です。自力リノベーションの様子などはこちらでどうぞ。高い天井が開放的で気持ちのいい空間です。コンサートも製本WSもここで続けていきたいと思っています。

それではまた!(八巻美恵)

2011年08月01日

8月1日

7月の終わりから涼しい日の続く東京。きょうも冷房は不要です。ことしは少ないとあちこちで話題になっているセミですが、さきほど大きな声(?)をあげながら(??)窓の外を飛びさっていきました。

「水牛のように」を2011年8月号に更新しました。
久しぶりにカラワンのスラチャイの詩が戻ってきました。タイの人たちのことを思うためにはきょうの東京はちょっぴり暑さが不足していますね。今月は15のタイトルが並びました。ざっと読むだけでも少し時間が必要だと思いますが、こういう場はネットの中でも貴重です。誰もが自分の考えを発信できるのは悪いことではありませんが、人の言葉をちゃんと聞いたり読んだりもしなければ。

杉山洋一さんからのコンサートのお知らせをふたつ。
●第37回二期会オペラ公演 ヴェルディ作曲歌劇「ファルスタッフ」全3幕6場(原語上演)
8月20日(土)18時開演 8月21日(日)14時開演  高松・アルファあなぶきホール
指揮:杉山洋一/演出:井原広樹/ファルスタッフ:薦田義明、田中雅純/フォード:七條功、牛野亮介/アリーチェ:漆原美紀、國方里佳 その他
丸亀シティフィルハーモニックオーケストラ/合唱二期会オペラ合唱団
指定席6000円、一般席4500円(当日5000円)、学生席3500円(当日4000円)お問い合わせ四国二期会事業委員会TEL.087-835-3186

●サントリー芸術財団サマーフェスティバル2011“映像と音楽”
8月24日(水)19時開演 8月27日(土)16時開演 サントリーホール・ブルーローズ
溝口健二×望月京:無声映画「瀧の白糸」(日本初演)
指揮:杉山洋一/尺八:藤原道山/箏:後藤真起子/三味線:辻英明/打楽器:池上英樹/hp:篠﨑和子/vn:野口千代光/エレクトロニクス:有馬純寿 3000円
お問い合せ 東京コンサーツTEL.03-3226-9755


デイヴィッド・グッドマンさんの訃報が届いたのは7月26日の朝でした。その日の夜は雑誌のころの水牛通信の仲間とちいさなお弔いの時間を持ちました。5月に東京で会ったばかりでしたから、とても信じられない気持ちで過ごしたその夜。2日ほど過ぎて、出先で少し空いた時間があり、ひとりでビルの大きなガラス窓からぼんやり外を見ていたら、この風景の続くどんなところにももう彼のあの姿はないのだという実感がおそいかかってきました。きっとこれから彼の仕事や生涯についての文章が書かれるだろうと思いますが、いまはまず、1986年から水牛通信に連載された「走る」を読んでください。さいわい連載のほとんどすべてが読めます。(入力してくださったみなさん、ありがとう)私はこの号がとても好きです。
http://www.suigyu.com/tushin/1987_09.html#1
連載は1989年に『走る―国際化時代の父親術―』(岩波書店)という単行本になりましたが、すでに絶版です。

それではまた!(八巻美恵)

2011年07月01日

7月1日

6月の最後の日の松本の大きな地震で、18歳まで父親の転勤で移動し育ったいろんなところが3月11日以来すべて大きく揺れたことになってしまいました。東北から信州まで、風景も言葉も学校(!)もそれぞれ違って、日本は単一文化なんかじゃないと転校するたびに感じたものでした。地上の文化や私のちっぽけな感慨はともかく、地底は深くつながっていて、人間には関係のない理由で動いている。

「水牛のように」を2011年7月号に更新しました。
人間には関係のない理由で動いている自然と関係なくはいられない人間の暮らし。すっかり忘れていた「原発切抜帖」という映画が最近また見られているようです。原発に関する新聞記事の切抜を写していくだけの土本さんの手法は当時も新鮮でした。水牛楽団の音楽は、いつもの持ち味のだらりとした感じが内容と合わないと不評だったような記憶がよみがえってきます。

植松さんの家の猫のマロンには笑わせてもらいました。マロンちゃんはツイッターにアカウントまで持っていて、神楽坂界隈の公園の様子などをときにつぶやいているのです。猫といえば今月発売される波多野睦美さん+高橋悠治さんのCD「猫の歌」。タイトルは長谷川四郎の詩を歌にしたものですが、水牛楽団のレパートリーも何曲か歌い継がれているのがうれしい。

私が知っているだけでもじゅうぶんすぎるほど忙しそうな管啓次郎さんは、知らぬ間に『星の王子さま』の翻訳もやっていたのでした。角川文庫のほうはオリジナルの絵が使われていますが、角川つばさ文庫版の絵は西原理恵子さん。王子さまは「ちび王子」と呼ばれ、短い黒い髪と短パンで今風です。
オトメンこと大久保ゆうさんの翻訳「あのときの王子くん」もあります。
タイトルの「ちび王子」も「あのときの王子くん」も原文をきちんと読み取ったものだと思いますが、内藤濯が創案した『星の王子さま』というタイトルによってこそ読み継がれてきたという側面は否定できないような気がします。悩ましい。

編集を担当した片岡義男さんの短編小説集『木曜日を左に曲がる』も震災を間に挟んでようやく発売になります。「物語とは生き方。論理の道筋くっきりと、孤独さが、良き人とのつながりが、心にしみて勇気となる。」そろそろ書店に並びますから、著者自身による装幀も楽しんでください。

それではまた!(八巻美恵)

アーカイブ

Powered by
Movable Type 3.35