東京には空がない、と言ったのは智恵子サンですが、それと同じようなことを友だちが言うのを聞いて、そんなことはないヨ、と反論しました。空は見上げるひとには等しく開かれていて、見ようと思えば、ビルの窓からだって見える。窓のサイズでちいさくて色も冴えない空だけど、宇宙を感じることはできます。
「水牛のように」を2006年12月号に更新しました。
インドネシアで師を亡くした冨岡さん。もう助からないとどんなにきちんとわかっているつもりでも、残されるものにとって、死はやはり突然やってくるものです。死にゆくひとにとってはどうなのでしょうか。わたしの叔父は何年か前のある月の月末に入院し、病院のベッドで「5日に帰るぞ」と言って、次の月の5日に死にました。できることなら真意(?)を詳しくきいてみたいものです。
さて、お知らせを三つ。
まずは自前のコンサート、日本語で歌うシューベルト『冬の旅』(歌:斎藤晴彦、ピアノ:高橋悠治)から。ことし最後の二日間、12月30日と31日に神楽坂のシアターイワトで。二日とも19時開演、入場料は3500円、100人限定です。「美しい」ということばさえ地におちて、日に日にひどくなる日本の冬に、日本語のシューベルトはどう聞こえるでしょうか。ご予約はinfo@suigyu.com(メール)か、03-5228-6403(電話)で受け付けています。年末は予定があることが多いとは思いますが、年越しの一環として予定に組み込んで、おでかけください!
西麻布の「Rainy Day Bookstore & Cafe」では『片岡義男商店』が期間限定でオープンしています。12月9日(土)には午後3時から6時まで、店長の片岡さんがRainy Day Bookstore & Cafeに出勤し、みずからコーヒーをいれるそうです。ぼくは給仕はうまいのです、とご自分でおっしゃっていますが、ほんとです。片岡さんブレンドのコーヒーを片岡さんにいれてもらい、片岡さんの蔵書や被写体や文房具を観察して、限定販売のポストカード・ストーリー『Coffee Table Reading』を手に入れる。夢のような12月の土曜日の午後、ぜひ片岡さんに会いにいってください。
2007年1月20日(土)午後2時からは大阪の阿倍野区民センターで辺見庸講演会があります。「状況の変調と『私』という個体について――いまたたかうことの意味――」。定員650人、1000円です。12月25日までに往復葉書で申し込みが必要です。宛先など詳しくはこちらをごらんください。
それでは、よい年を!(八巻美恵)