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6月21日のこと

シリウスが夜明けに初めて姿を見せるとき
きみが北北西なら僕は東南東か
日没がすべての規準だ
月食の日に月に写る地球の丸い影
その丸さのなかにきみも僕もいる
宇宙の神秘のかたち
クリスチャン・ホイヘンス
土星の環
ダンチッヒ天文台
アンドロメダ星雲の発見
木星の四つの衛星と光の速度
金星の満ち欠け
月の山脈
いくつもの言葉のつらなり
そこに生まれるイメージ
イメージがいくつも重なると
物語が出来る
その物語のどれかのなかに
きみと僕がいる
月光のソナタ、第一楽章
エストレリータ
星への階段
アラバマに落ちた星
スターダスト・メロディーズ
星の位置の測定と万有引力の理論
宇宙体系についての対話だ
1カンデラを1メートル離れて見た明るさ
雲のない満月の夜の明るさと
ほぼおなじ彼女の微笑
太陽の光に頭上から垂直に射されてみたい
北半球の6月21日、正午
かに座の回帰線上のどこかで
あの町の丘の上にあった部屋の小さなヴェランダ
太陽は沈んだが
夜はまだ始まっていない
薄明かりの空に背を向けて
彼女がそのヴェランダに立ったとき
彼女のうしろはるか彼方の空に
明るい惑星がひとつ
輝いていた
木星の記号の小さなペンダントを
僕が彼女に贈ったのは
その次の日、6月21日
彼女の誕生日のことだった
月は数多くの星をそのうしろに隠す
輝いていた一等星が
月の東側の縁へ吸い込まれたかのように
あのとき突然に消える
その逆もある
月の西側のたおやかなカーヴのなかから
三等星がいきなりあらわれる
月に大気はないから
どの星も突然に消え
突然に出現する
僕の知らなかったことを
白夜のような彼女は
教えてくれた。

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2007年07月28日 19:07に投稿されたエントリーのページです。

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