あたたかき 秋の日のゆふべなり
こころは 石のうへにすわりて
とどめがたきものの すぐるをききわけつ
おもてをふせて
掌(て)のなかに 夢をゑがきぬ
しろき夢を
(「過ぐるもの」大手拓次)
「水牛のように」を2009年11月号に更新しました。
バスラで亡くなったサブリーンにこころから哀悼の意を。大手拓次の詩も彼女のために載せました。JIM-NETの訃報にはサブリーンの写真や絵もあります。
マリアン・アマシェも亡くなりました。会ったときは度の強い眼鏡をかけていて、白い肌にまっ赤な口紅。自宅に雷が落ちたという話が加わって、なんとなく魔女っぽい雰囲気でした。こわれかかった機材で彼女が作る音は直接頭部の中で鳴るというはじめて体験するものでした。耐えられないと会場を出ていく人もいたのです。若いころの彼女の写真を見ると、ある種の繊細さに打たれます。
今月は著者からいただいた本が三冊。どれもひっかかりのあるものです。
中川六平『ほびっと戦争をとめた喫茶店』
管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』
津野海太郎『したくないことはしない 植草甚一の青春』
管さんの本には目次がありません。そのかわり、左のページの上に本文からの短い引用があって読むものをあちらこちらへ導いてくれます。歩く人らしいおもしろい試みだなあと思います。かっちりと固まっているような本の形だってまだまだ工夫はできるのですね。
来月はひさしぶりに水牛レーベルのCDを発売します。タイトルはそのものズバリ『富樫雅彦 Steve Lacy 高橋悠治』 2000年10月16日のライブ演奏です。このライブを主催したEGG FARMと水牛との共同制作です。10年近く前の即興演奏であり、三人の演奏者のうち二人はすでにこの世の人ではありません。どんなふうに聞こえるでしょうか。楽しみにお待ちください。
大晦日の「冬の旅」についてはブログに書きました。
11月8日の製本ワークショップもぜひいらしてください。
それではまた!(八巻美恵)