マイ・ファニー・レディ

監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
出演:オーウェン・ウィルソン、イモージェン・プーツ、キャスリン・ハーン、ウィル・フォーテ、リス・エヴァンス、ジェニファー・アニストン、オースティン・ペンドルトン、ジョージ・モーフォゲン、シビル・シェパード、リチャード・ルイス、シドニー・ルーカス、デビ・メイザー、イリーナ・ダグラス、ジェニファー・エスポジート、クエンティン・タランティーノ、テイタム・オニール
原題:She’s Funny That Way
制作:アメリカ/2014
URL:http://www.myfunnylady.ayapro.ne.jp
場所:新宿シネマカリテ

ひとむかし、名画座でしか古い映画が観られなかったころ、さかんにピーター・ボグダノヴィッチの『ラスト・ショー』や『ペーパー・ムーン』がかかっていた。その内のとくに『ラスト・ショー』は、閉塞感漂う暗い青春群像が当時の自分とぴったりと重なって、まさにピーター・ボグダノヴィッチ=青春のような意味合いを持つようになってしまった。いまでも『ラスト・ショー』を見れば、主人公のティモシー・ボトムズに当時の自分を重ねて見てしまって、センチメンタルな気分に浸れてしまう。

その後のピーター・ボグダノヴィッチは、『ラスト・ショー』のような特別な感情を持つことができる映画を作らなくなってしまって、やはり彼も『ラストショー』を引きずってんだな、とおもわずにはいられない続編の『ラストショー2』以外は追いかけなくなってしまった。

そんな彼の映画で、久しぶりに観ようと気を起こさせてくれたのが今回の『マイ・ファニー・レディ』だった。映画オタクの彼らしく、セリフに昔の映画の引用があったり、やはり映画オタクのクエンティン・タランティーノを出演させたり、『ラスト・ショー』や『ペーパー・ムーン』に出演していたシビル・シェパードやテイタム・オニールを出演させていたりと映画愛あふれる映画になっていた。でも、シチュエーションや音楽の使い方など、どこからどう見てもウディ・アレンの映画にしか見えなかった。それも、出来の悪いウディ・アレンの映画。ところどころは笑えても、ドタバタを畳みかけての笑いの相乗効果があまりにも下手だった。これはウディ・アレンに対してオマージュを捧げていると捉えて良いんだろうか。

→ピーター・ボグダノヴィッチ→オーウェン・ウィルソン→アメリカ/2014→新宿シネマカリテ→★★★