骨までしゃぶる

監督:加藤泰
出演:桜町弘子、久保菜穂子、宮園純子、桑原幸子、小島恵子、沢淑子、石井トミコ、三島雅夫、三原葉子、菅井きん、岡島艶子、夏八木勲、横山アウト、芦屋小雁、芦屋雁之助、汐路章、遠藤辰雄
制作:東映/1966
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場所:フィルムセンター

加藤泰監督の仁侠映画『緋牡丹博徒 花札勝負』に惚れ込んでから、もっと彼の映画を見たいとおもっているのだけれど、全46本中、まだ10本程度しか見ることができていない。そんなことではいけないとおもい直し、今回のフィルムセンターの特集上映に駆け込んだ。

いやあ、凄い映画だった。加藤泰監督作品の特徴であるローアングルとクローズアップがこれでもかと多用されていて、主演女優の桜町弘子が不細工に見えてしまうほどの極端なカメラワークだった。さらに汐路章や三島雅夫の悪役連中もその近いカメラのために、汚さ、意地悪さ、気味悪さが爆発していて、州崎遊廓にうごめく人間模様が気持ち悪くもあり、あまりのデフォルメに笑ってしまうほどでもあり、そこに娼妓の哀しさ、わびしさも加わって、映画が見せる人間の大博覧会のような様相を呈していた。

加藤泰監督作品としては『緋牡丹博徒 花札勝負』『緋牡丹博徒 お竜参上』と同等の、いやそれ以上の出来栄えの映画だった。どんなタイプの映画であったとしても、画面から熱気が伝わってくる映画にはほんと脱帽する。

→加藤泰→桜町弘子→東映/1966→フィルムセンター→★★★★