疾風ロンド

監督:吉田照幸
出演:阿部寛、大倉忠義、大島優子、ムロツヨシ、堀内敬子、戸次重幸、濱田龍臣、志尊淳、野間口徹、麻生祐未、生瀬勝久、望月歩、前田旺志郎、久保田紗友、鼓太郎、堀部圭亮、中村靖日、田中要次、菅原大吉、でんでん、柄本明
制作:「疾風ロンド」製作委員会/2016
URL:http://www.shippu-rondo-movie.jp
場所:109シネマズ木場

東野圭吾の原作をNHKの「サラリーマンNEO」や「あまちゃん」を演出した吉田照幸が映画化。

登場人物の置かれたシチュエーションによって笑わせるコメディが大好きなのは、やはりビリー・ワイルダーとかプレストン・スタージェスとかに心酔した結果で、最近の邦画でも内田けんじのシチュエーション・コメディなどが大好きだ。

で、そのシチュエーション・コメディにペーソスを持ち込む(トレンチ・コートのみのジャック・レモンが寒空の中ですっぽかしを食う哀愁など)のは許せるけど、そのものずばりの“愛”だとか“情”だとかを持ち込まれると、登場人物が追い込まれたシチュエーションがどうでもよくなって、そこで起きるドタバタも何か違う笑いに変質して行ってしまうような気がする。

『疾風ロンド』は、阿部寛が反抗期を迎えている中学生の息子を一緒に連れ回しているシチュエーションがとても邪魔で、さらにそこに娘を亡くした麻生祐未の家族の重さが加わって、阿部寛がコケようが、ボケようが、小さな女の子に「お前も頑張れよ」と云われようが、カラッとした笑いにはまったくならない。原作がそうなってるんだろうけど、映画化の際にはそんな部分をバッサリそぎ落としてくれてたらなあ。

→吉田照幸→阿部寛→「疾風ロンド」製作委員会/2016→109シネマズ木場→★★☆