呉の3日目は、帰りの新幹線が広島駅発14時なので、午前中、軽く呉市内をぐるっと一周り。

まずは二河川公園。「すず」と「白木リン」が桜の木の上で話しをするシーンが印象的な公園だけど、桜が咲いてなければなんとも殺風景な公園だった。

次は「この世界の片隅に」に何度も登場した旧澤原家住宅「三ツ蔵」。この前の通りを「すず」は何度も行き来する。でも、「三ツ蔵」の前の通りは暗渠のような気もする。昔から暗渠だったのか?

そしてまた「朝日橋」へ。その橋の脇に住むおじいさんがエサを蒔き出したら、いきなりサギが! まるで「この世界の片隅に」のあちこちに登場するサギのような。勝手にこれは「白木リン」の生まれ変わりだと想像する。

最後に呉中心部からちょっと離れた「アレイからこすじま」へ。この近くには「海上自衛隊潜水艦教育訓練隊」があったりするので、国内で唯一潜水艦を間近で見ることができる公園らしい。さすがに潜水艦は一種独特な雰囲気を醸し出していた。

呉から広島駅までは、昨日の疲れもあってさすがに自転車で走る気力がなく、JR呉線で輪行することに。JR呉線は単線なので、すれ違いの電車を待ちつつ、ゆっくりと。途中、おそらく坂駅だったとおもうけど、反対側の呉市行きのホームで、中学生か高校生らしき女の子が地べたに座って金網越しに駅の外にいる友だちとまったりと喋り込んでいた。単線だから次の電車が来るのに時間がたっぷりあるんだろうなあ。ゆっくりと時間が流れていることがわかるとても良い光景だった。

今回、旅をした呉市は、軍港があったころの繁栄がそのまま街の大きさに繋がっているわけだけれども、今ではその街の大きさを持て余している感じがあった。でも、だからこそたくさんの空間があるので、街並みは変われども「この世界の片隅に」の時代の雰囲気をそのまま残している印象があった。

城下町などの古い街並みを自転車で旅することは、京都や金沢、小田原など今までにもたくさんあった。でも、日清、日露戦争以降に発展して、昭和初期から第二次世界大戦にかけて繁栄を極めた街と云うのは初めてだった。このような近代化遺産をめぐる旅も良いもんだった。

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