監督:マレク・ペストラク
出演:セルゲイ・デスニッキー、ボレスラフ・アバルト、ウラジミール・イワショフ、アレクサンドル・カイダノフスキー
原題:Дознание пилота Пиркса
制作:ソ連、ポーランド/1979
URL:
場所:アテネ・フランセ文化センター

ソ連の時代に作られたSF映画と云えばタルコフスキーの『惑星ソラリス』を真っ先に思い出すけど、同じスタニスワフ・レム原作で『ピルクスの審問』と云う映画があることをアテネ・フランセ文化センターの今回の「ソヴィエト・フィルム・クラシックス 冒険・SF映画編」で知って、タルコフスキーの映画には足元にも及ばないトンデモ映画を期待して観に行った。

マレク・ペストラク監督の『ピルクスの審問』は、図らずも同じ1979年に作られたリドリー・スコットの『エイリアン』と同じプロットを使用していて、宇宙船の乗組員の中の誰がアンドロイドなのか? がストーリーの軸となるサスペンス映画だった。ただ、このサスペンスの演出がリドリー・スコットと比べるまでもなくて、正体を突き止めるべく手に汗を握るような展開を期待していたのに、どこかボンヤリとした結末となって消化不全。この映画はアンドロイドが誰であるかがポイントじゃなかったのか! と叫ばざるを得ない映画だった。

でも、スタニスワフ・レムの原作がそうなのかわからないけれど、1979年のソ連で制作された映画なのに、西でも東でもないユニバーサルな国の設定で「パンナム」や「マクドナルド」が普通に出てくるところが面白かった。カーチェイスのシーンに1970年代のニューシネマっぽい匂いも感じられるし。

→マレク・ペストラク→セルゲイ・デスニッキー→ソ連、ポーランド/1979→アテネ・フランセ文化センター→★★★