●チコ・ペレイラ『ドンキー・ホーテ』(スペイン、ドイツ、イギリス/2017)
南スペインの小さな村でロバと犬とともに暮らしていた73歳のマヌエルが、アメリカのチェロキーインディアンが辿った「涙の旅路」をロバと犬で歩きたいと言い出して、その夢を実現しようと奔走(ゆっくりと!)するロード・ドキュメンタリー・ムービー。セビーリャあたりの村からカディスの港の方へとロバと犬と一緒に歩いていく過程の景色が素晴らしい。自転車で走りたい!

●エスター・グールド『自我との奇妙な恋』(オランダ/2015)
亡くなってしまった自分の姉の足跡を描くのに、姉と似た性格を持っている人物を世界中から探して演技をさせる方法が斬新だった。それを理解するのにちょっと時間を要したけど。

●ラウル・ペック『私はあなたのニグロではない』(アメリカ、フランス、ベルギー、スイス/2016)
アフリカ系アメリカ人の作家、ジェームズ・ボールドウィンの未完の原稿「Remember This House」をもとに、暗殺された3人の活動家――メドガー・エヴェース、マルコムX、マーティン・ルーサー・キング――の軌跡を通して、アフリカ系アメリカ人の現代史を紡ぎだす。最近のニュースを見ても、黒人への差別の問題は、まだまだ表面的に解決しつつあるように見えるだけ。それを痛烈に批判しているドキュメンタリー。

●ミシェル・K・ゾンゴ『ファソ・ファニのサイレン』(ブルキナファソ、フランス、カタール/2014)
ブルキナファソで育ちつつあった国の指導による繊維産業が世界銀行やIMFの介入によって崩壊に追い込まれてしまう。まあ、政府の経営方針にも問題があったのだろうけど、アフリカの国でも自国だけで経済を回せる貴重な機会を逃した残念さ!