監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッド、マシュー・リス、キャリー・クーン、 アリソン・ブリー、ジェシー・プレモンス、デヴィッド・クロス、パット・ヒーリー、マイケル・スタールバーグ、スターク・サンズ
原題:The Post
制作:アメリカ/2017
URL:http://pentagonpapers-movie.jp
場所:109シネマズ菖蒲

アメリカ国防省が早い段階で「ベトナム戦争は勝てない」と判断しておきながら、今まで戦争に負けたことがないメンツから、ベトナムから軍を引き上げることを躊躇してしまったことは今となっては公然の事実となっていて、そのような「アメリカ政治の恥部」とも云える事実がどのような経緯で世間一般に暴露されてしまったのかはあまり注意を持って調べようともしてなかった。

スティーヴン・スピルバーグ監督は『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で、国防省が「ベトナム戦争は勝てない」との調査をまとめた報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」がワシントン・ポスト紙上で暴露されるまでの経緯を、ちょっとヒロイックな描写が強いけど、丁寧に、緊張感を持って描いていた。昔から、アラン・J・パクラ監督の『大統領の陰謀』とか、シドニー・ルメット監督の『ネットワーク』のような、社会派と云われる映画が大好きなので、この映画もご多分に漏れず一気に集中して観てしまった。いやあ、面白かった。

まあ、日本のいまの状況で『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観れば森友学園や加計学園に関する問題とオーバーラップさせてしまうのは間違いないんだけど、内部から暴露する人間が現れる土壌と云うものが、義理や人情が重んじられる日本では、まだまだ、なんだろうなあ。自殺するくらいならメディアと協力して暴露すればいいのに。それに、行政と司法がはっきりと分立しているのかと云えば、それもちょっと疑問だし。なんだかんだと云われながら、その点においては日本よりアメリカのほうがマシだ。

→スティーヴン・スピルバーグ→メリル・ストリープ→アメリカ/2017→109シネマズ菖蒲→★★★★