サラゴサの写本

監督:ヴォイチェフ・イエジー・ハス
出演:ズビグニエフ・チブルスキー、イガ・ツェンブジンスカ、エルジュビェタ・チジェフスカ、グスタフ・ホロベック
原題:Rekopis znaleziony w Saragossie
制作:ポーランド/1965
URL:
場所:シアターイメージフォーラム

日本では未公開だったカルト映画『サラゴサの写本』が昨年のポーランド映画祭ではじめて上映されて、Twitterでその情報が流れて来て、うわっ、と飛び上がったほどだったけど、あまりにも直前の情報だったので観に行くことが出来なかった。ああ、失敗したな、と悔やんでいたら、今年のポーランド映画祭でも上映してくれることになったので喜び勇んで観に行った。

不思議な挿し絵が画かれた一つの手稿から始まるストーリーは、回想の中に回想があって、さらにその回想、またさらにその回想と幾重にも回想が展開して行く。そのいくつにも階層化されたそれぞれのエピソードは、まるで一つ一つがモジュールと化していて、それぞれに物語の構成要素としての役割があって、その相互作用によって一つの映画が形作られているようにも見える。でも、それはあまりにも複雑すぎて、映画を1回観ただけではわからなかった。

このブログに書かれてあるように、原作は66日間のエピソードで構成されているらしい。やはり、とても構造化されたストーリーであることがわかる。もしかすると再帰的な構文構造にもなっているいるのかもしれない。来年の1月にはDVD、Blu-rayも発売されるようなのでもう一度見てみたい。そして原作も発売されるようなので読んでみたい。そうやって一つ一つひも解いて行きたいとおもわせるような映画だった。

→ヴォイチェフ・イエジー・ハス→ズビグニエフ・チブルスキー→ポーランド/1965→シアターイメージフォーラム→★★★★