ヒッチコック

監督:サーシャ・ガヴァシ
出演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビール、ジェームズ・ダーシー、マイケル・スタールバーグ、ラルフ・マッチオ、トニ・コレット、マイケル・ウィンコット
原題:Hitchcock
制作:アメリカ/2012
URL:http://www.foxmovies.jp/hitchcock/
場所:有楽町朝日ホール(試写会)

とても有名な人物をアカデミー主演賞を獲っているような俳優が演じているのを見て、さすがに巧いなあと感じるのか、作りすぎて鼻につくと感じてしまうのか。おそらく一般的には前者のような人が多くて、試写会に来ている人たちも、アンソニー・ホプキンスは凄いねえ、なんて声もちらほらと聞こえてきたけど、ひねくれ者の自分は必ず後者に属してしまう。むかし、有名な監督の誰かが、実在上の人物のキャスティングには有名な俳優は使わない、と云っていたのを読んだ覚えがあるのだけれど、それはとても正しいとおもう。有名な俳優がスクリーンに出てきただけで、まずはその俳優であることを認識してしまって、さらに彼の出演作が走馬灯のようにフラッシュバックしてしまっては、これまた誰もが知っている役名の人物とかち合ってしまう。まだ、誰も知らないような新人俳優に演じさせたほうが、その俳優の背景を知らないぶんだけ、役柄の人物のみが映画の中で浮き上がってくるはずだ。

ヒッチコックとアルマだから、この映画の中でヒッチコックを演じたアンソニー・ホプキンスよりも、アンソニー・パーキンスを演じたジェームズ・ダーシーのほうが、ジェームズ・ダーシーと云う役者を知らなかっただけに、これは凄い! まったくアンソニー・パーキンスにしか見えない、としかおもえなくて素晴らしかった。スカーレット・ヨハンソンのジャネット・リーは、これはまったく似てないので問題外。ジェシカ・ビールのヴェラ・マイルズは、これもジェシカ・ビールと云う女優を知らなかったので、まったく似てないけどまあまあ良かった。ヘレン・ミレンはただのおばさんにしか見えなかった。一度だけ、本当のヒッチとアルマの写真がクローズアップになるけど、アルマはもうちょっと可愛らしい感じじゃなかったのかなあ。

→サーシャ・ガヴァシ→アンソニー・ホプキンス→アメリカ/2012→有楽町朝日ホール(試写会)→★★★