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 2009年09月27日
 天使と悪魔 下
Posted by ag at 23:27/ カテゴリー: BOOK_Database

天使と悪魔 下著者:ダン・ブラウン
訳者:越前敏弥
出版社:角川文庫、角川書店
購入場所:BOOK OFF 池袋要町店

こうして読み終わってみると、ロン・ハワードの映画版は長い原作をよくまとめていたことがわかる。つまり、登場人物を整理して、ストーリーの再構築をうまく施している。とくに凄いのは、原作では重要な鍵を握るセルンの長官マクシミリアン・コーラーをバッサリ切ってるいるところだ。でも、これぐらいしなきゃ、映画としての体をなさないことはわかりきっている。これぐらいの勇気がなければ長編小説の映画化はできないんだろうとおもう。

他に、なんと、原作ではラストシーンでロバート・ラングドンがカメルレンゴと一緒にヘリコプターに乗っている! これも映画版では変更を加えられていて、ヘリコプターに乗るのはカメルレンゴだけだった。

まあ、ヘリコプターから飛び降りたロバート・ラングドンが助かるシーンにはとても無理があるので、無難な変更箇所だとはおもうのだけれど、問題は、奇跡が起きたのがカメルレンゴだけではないということを枢機卿たちに示せなくなるところだ。あれ? 映画ではどうだったんだっけなあ。今考えると、カメルレンゴが教皇に推されて、それが覆されるシーンがバタバタしすぎるような気がする。こんな説明不足が、長編小説を再構成して映画化する時の弊害だろうとおもう。

小説の「天使と悪魔」や「ダ・ヴィンチ・コード」は、内容からしてウンベルト・エーコの「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」に近いのかとおもったけど、いやあ、どちらかというと冒険小説に近かった。ちょっとアカデミックな匂いをさせて、その実、インディ・ジョーンズみたいな冒険活劇みたいな内容のものって、めちゃくちゃ自分の好みなことがわかった。

 2009年09月16日
 20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

20cent.jpg監督:堤幸彦
出演:唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之、平愛梨、藤木直人、石塚英彦、宮迫博之、佐々木蔵之介、山寺宏一、高橋幸宏、佐野史郎、森山未來、古田新太、小池栄子、木南晴夏、福田麻由子、広田亮平、ARATA、片瀬那奈、六平直政、研ナオコ、北村総一郎、手塚とおる、田鍋謙一郎、Samat Sangsangium、陳昭榮、竹内都子、石橋保、津田寛治、光石研、遠藤賢司、高嶋政伸、田村淳、岡田義徳、武蔵、尾山楓、武内享、ダイアモンド✡ユカイ、MCU、吉田照美、原口あきまさ、斎藤工、左右田一平、石橋蓮司、中村嘉葎雄、黒木瞳
制作:映画「20世紀少年」製作委員会2009
URL:http://www.20thboys.com/index.html
場所:109シネマズ木場

第1章には勢いがあって一気に見させるパワーがあったのに、第2章にはその勢いが無くて、ただストーリーを追ってるだけの映画になってしまった。そして、この最終章。やっぱり、第2章からの流れを変えることは出来ず、細かいエピソードの積み重ねを時系列に並べてるだけの映画になってしまった。

いつもおもうんだけど、これだけの膨大な原作を映画化するには、やっぱり原作を一度ぶち壊して再構成する勇気が絶対に必要。この最終章の場合も、その勇気の一端は見せているんだろうけど、もっと大胆な再構成をしないと映画としては退屈になってしまう。例えば、万丈目や13番の扱いなんて、もっとリストラしないと。そうしないとストーリーの流れが、カックン、カックン、エンストを起こした車みたい。それに前後のつながりも悪いんで、原作を読んでないと???だらけ。

とはいえ、あまりに破壊してしまうと、原作のファンが許さないだろうなあ。どっちをとるべきか。原作ファンも納得、映画ファンも納得、なんて映画は奇跡に近いからなあ。

 2009年09月07日
 あんにょん由美香
Posted by ag at 23:45/ カテゴリー: MOVIE_Database

あんにょん由美香監督:松江哲明
出演:林由美香、ユ・ジンソン、入江浩治、キム・ウォンボギ、カンパニー松尾、いまおかしんじ、平野勝之、柳下毅一郎、中野貴雄、野平俊水、華沢レモン、柳田友貴
制作:『あんにょん由美香』フィルムパートナーズ/2009
URL:http://www.spopro.net/annyong_yumika/
場所:ポレポレ東中野

林由美香というピンク映画の女優が死んだとき、その死を悲しむ映画ファンが大勢いた(主に雑誌『映画秘宝』のまわりあたりなのかなあ)ことに驚いた。追って「女優・林由美香」という本が柳下毅一郎の監修のもとに発売されたので、彼女の人気の秘密は何なのかちょっと読んでみようという気にもなったんだけど、残念ながら読むにはいたらなかった。

そして、彼女の死から4年が経って、林由美香を題材にしたドキュメンタリーが制作された。まだまだ林由美香を引きずっている人たちが大勢いるんだということで、今度はその映画を観てみた。

で、彼女の人気の秘密がどこにあるのかという視点で意気込んで見たみたら、韓国のピンク映画(というかVシネマみたいなもの)になぜ林由美香が出演したのか? という切り口で始まったので、ちょっと腰砕けになってしまった。もちろん彼女の魅力を語るためにそのような手法を取ったんだろうけど、う〜ん、バランスとして、韓国のスタッフが日本人の女優を使って、韓国人俳優に日本語を話させる映画を、韓国映画界およびテレビ界の他の誰よりも先駆けて制作するに至ったのかという興味のほうが勝ってしまってる。

撮影されなかったラストシーンを当時の日韓スタッフで再現させて、「純子(林由美香が演じた役名)は誰のものでもない」という台詞を言わせて、それを死んだ林由美香とオーヴァーラップさせるのもちょっと強引。だったら、カンパニー松尾やいまおかしんじや平野勝之にずっとタラタラ思い出を語らせただけのほうが良かったに。

これは、平野勝之のドキュメンタリー『由美香』を観てから、柳下毅一郎監修の「女優・林由美香」を読まないと、彼女の魅力はわからない。

 2009年09月03日
 ココ・シャネル
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

ココ・シャネル監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァ、マルコム・マクダウェル、サガモア・ステヴナン、オリヴィエ・シトリュク
原題:Coco Chanel
制作:アメリカ・フランス・イタリア/2008
URL:http://coco-chanel-movie.jp/index.html
場所:新宿武蔵野館

伝記映画になるような人物の生涯は、波瀾万丈で、タダでさえ面白い。不遇の子供時代があって、社会から差別されて、でもそれをバネにして成功を掴んで行く。ところが一筋縄には行かなくて、壁にぶつかって、それを乗り越えて不動の地位を築いて行く。フツーに描いても、フツーに面白い映画になることうけあい。とにかく観ている我々は、この人物が成功するすることを知っているわけだから、いくら帽子が売れなくて貧乏であろうとも、セレブな人に厭味なことを言われて虐げられようとも、どこかで成功へのきっかけを掴むことを知っている。だから、いじめられてコケにされるほど、針がプラスに振れた時の気持ち良さを味わえる。そこが伝記映画をタダでさえ面白くさせてるゆえん。

でも、まあ、それではフツーの面白さなんです。もしそんなフツーさを嫌って奇をてらった作り方をしたときに、それがうまく行けばめちゃくちゃ素晴らしい大傑作が生まれるけど、失敗をすると、生涯も描けない、人物も描けない、なんてなりかねない。天国か地獄かのどっちか。だからみんなフツーに描いて、フツーの面白さを目指す。

この『ココ・シャネル』は、あたりさわりのない、伏線の張り方も教科書的な、ごくフツーの面白さの映画でした。

ag-n
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