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 2010年04月30日
 プレシャス
Posted by ag at 23:55/ カテゴリー: MOVIE_Database

プレシャス監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、レニー・クラヴィッツ、シェリー・シェパード
原題:Precious: Based on the Novel Push by Sapphire
制作:アメリカ/2009
URL:http://www.precious-movie.net/
場所:109シネマズ川崎

描くべき主題が明確で、なおかつそれが刺激的ならば、それだけで感動的な映画にはなってくれる。観ていて、ほろりと涙も流れるもんです。この『プレシャス』も、父親からのレイプ、母親からの虐待、産んだ父親の子供はダウン症、HIV感染を描けば、そりゃあ、映画館内のあちこちですすり泣きが聞こえる映画にはなるでしょう。でも、映画としては稚拙だった。シーンのつなぎも悪くて、プレシャスが夢想するシーンの挿入も間が悪かった。結局自分は映画を観る上で、そんなところばかり気にしちゃう。いやいや映画としては、何度も言うようだけど、主題がストレートで明確なぶん、良い映画にはなっているとおもう。それだけで満足できる人は多いでしょう。

プレシャスの母親役を演じたモニークがアカデミー助演女優賞を取ったけど、プレシャスを涼しげな目で見守る特別学校の先生役のポーラ・パットンも素晴らしかった。『17歳の肖像』のオリヴィア・ウィリアムズといい、先生役で良い女優を発見。マライア・キャリーについては、もっと出演シーンがあるのかとおもった。

 2010年04月30日
 17歳の肖像
Posted by ag at 23:37/ カテゴリー: MOVIE_Database

17歳の肖像監督:ロネ・シェルフィグ
出演:キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、ドミニク・クーパー、ロザムンド・パイク、エマ・トンプソン、アルフレッド・モリーナ、カーラ・セイモア、サリー・ホーキンス、オリヴィア・ウィリアムズ
原題:An Education
制作:イギリス/2009
URL:http://www.17-sai.jp/
場所:109シネマズ川崎

この映画を簡単に要約すると、昔のソフィー・マルソーとかフィービー・ケイツの映画にあったような、17歳女子高生“ジェニー”のほろ苦い成長物語、でしかない。そして、そのストーリーも簡単に先が読めてしまって驚きもない。でも、面白かった。なぜなら、脇を固める俳優たちが素晴らしかったから。

まずは、ジェニー(キャリー・マリガン)の父親役のアルフレッド・モリーナ。
アルフレッド・モリーナは巧い役者だとおもう。映画ごとにまるっきり違ったキャラクターを演じていて、それを同じ役者が演じているとは到底おもえないほどに作り込んでくる。今回の父親役も、『ショコラ』のレノ伯爵くらいに厳格な父親かと見せておきながら、ピーター・サースガードの口車に乗せられてコロッと騙される人の良い父親を半ばコミカルに演じている。この変幻自在さはロバート・デ・ニーロ以上なんじゃないのかな。

次に、オリヴィア・ウィリアムズ。
ジェニーの小論文の才能に期待を寄せるが、当人からは人生の敗北者のように蔑まれてしまう教師役。しかし、傷ついて行き場の無くなったジェニーが縋った先は、この真面目な教師の元だった。ジェニーが救いを求めるシーンは、この映画の中で一番印象に残るシーン。

そして、ピーター・サースガード。
これを詳しく書くとネタバレになってしまうんだけど、、
誠実さと胡散臭さの両方をミックスさせたような風貌が素晴らしかった。なんとなく、そのように展開するんじゃないかと想像はしていたけれど、その想像を上回る酷さに唖然とさせられるのも良かった。

もちろんキャリー・マリガンも。そのアイリッシュな風貌が可愛らしく、どんどん行為が逸脱して行っても、このままストレートにハッピエンドで終わるんだと思わせるような愛らしさが画面いっぱいに広がってた。だからこそ、物語の終盤が生きてくる。

監督は、デンマーク人で、女性のロネ・シェルフィグ。そうか、タイトルバックに流れるアニメーションや、登場人物たちのファッション、ピーター・サースガードが乗る車のブリストルなどにスタイルを感じたのは、北欧の人だったからなのか。

 2010年04月28日
 アリス・イン・ワンダーランド
Posted by ag at 23:25/ カテゴリー: MOVIE_Database

アリス・イン・ワンダーランド監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、クリスピン・グローヴァー、マット・ルーカス、(声)アラン・リックマン、マイケル・シーン、スティーヴン・フライ、クリストファー・リー、ポール・ホワイトハウス、バーバラ・ウィンザー
原題:Alice in Wonderland
制作:アメリカ/2010
URL:http://www.disney.co.jp/movies/alice/
場所:新宿ミラノ1

ティム・バートンの映画は、キャラクター設定やディティールの描き方は好きだけれど、それがまとまった映画全体をあまり好きになれない、が続いていた。登場人物たちの細かい所作にこだわる描写はとても良いのに、それが動き出し、展開し、躍動する世界がどうしても好きになれなかった。それは単純に、ティム・バートンの描き出す世界観が自分には合わなかっただけなんだとおもう。ところが『チャーリーとチョコレート工場』で、うん? 全体としてもいいじゃん、に変わった。これはたぶん、ティム・バートンがほんの少し自分を捨てて、大衆に迎合する姿勢を見せたがゆえに、その一般化した部分を自分が観て、全体としてもいいじゃん、になったんじゃないかとおもう。

『チャーリーとチョコレート工場』の次の『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』では、なんだこりゃ? のいつものティム・バートンに戻ったけど、この『アリス・イン・ワンダーランド』ではまた一般大衆にすり寄って来た。一般大衆である自分はそれを観て、いいじゃん、になる。

『アリス・イン・ワンダーランド』は、「不思議の国のアリス」をベースとしつつ、テレビゲームではお馴染の“ドラゴンと剣”の話しを合体させている。“ドラゴンと剣”の部分にはまったく捻りがないんだけど、これくらい単純化したほうが、それぞれのキャラクターを生かす余裕が出てきて、全体的にバランスよくエピソードが配置できている。そしてそれが繰り広げられる世界観も(ティム・バートンにしては“こじんんまり”ということになってしまうんだろうけど)まとまってる。つまり、ティム・バートンらしさを抑えてるということになるんだけど…。

大衆にすり寄るティム・バートンが良いのか、それとも自分のやりたいことを押し通すティム・バートンの方が良いのか。嫌いな映画になってしまうだろうけど、後者の方が良いのかもしれないなあ。

 2010年04月22日
 息もできない
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

息もできない監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン、チェ・ヨンミン、オ・ジヘ
原題:똥파리
制作:韓国/2008
URL:http://www.bitters.co.jp/ikimodekinai/
場所:新宿武蔵野館

最初から最後まで暴力的で、まさにその題名の通り“息もできない”映画であると聞いたので、あらかじめ精神的に身構えて観に行ったら、おもったよりも暴力シーンに緊張感を感じなかった。確かに画面上では殴る、蹴るのシーンが連続しているけど、北野武の映画のような乾いた暴力では決して無かった。そこにはおそらく、似てはいるが非なる韓国と日本の文化の違いが影響してるんじゃないかと考えながら観てしまった。

先日、フジテレビの番組「ザ・ノンフィクション」で、“ぶっちゃけ!韓国に嫁いで PartIII”の回を見た。日本から韓国に嫁いだ3人の女性を追いかけるドキュメンタリーだったんだけど、そこで驚かされたのは日本では考えられない家族の絆の太さだった。ことあるごとに家族の行事が執り行われ、それを仕切る長男、サポートする長男の嫁の苦労が描かれていた。個人よりも家族が重んじられる生活は、現代の日本にはもう存在しなくなりつつある世界だった。

この『息もできない』には崩壊している二つの家族が出て来る。しかし、崩壊しているとはいえ、「ザ・ノンフィクション」に出てきた韓国の家族と大きく変わりはしなかった。どんなに暴力が画面を支配していても、家族の太い絆をプッツリと断ち切るまでには至らない情が映画の底辺に流れていた。そこが、おもったよりも暴力に緊張感を感じなかった理由なんじゃないかとおもう。唯一、緊張感が感じられたのは、ヨニの弟ヨンジェがサンフンを殴り殺すシーン。そこには情の欠片も存在していなかったから。

ただ、回想シーンはいらないなかった。回想シーンを使って過去を明確にするのも一つの手法で、映画を観るものにとってストーリーを簡単に理解する手助けにはなるんだろうけど、家族の図式が単純に見えてしまって、映画に深みがなくなってしまった。父親の財布から出てくる写真だけで、何となく過去を彷彿とさせる手法でも良かったのに。

 2010年04月21日
 シャーロック・ホームズ
Posted by ag at 23:25/ カテゴリー: MOVIE_Database

シャーロック・ホームズ監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、エディ・マーサン、マーク・ストロング、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ、ジェームズ・フォックス、ハンス・マシソン、ウィリアム・ホープ、クリーヴ・ラッセル
原題:Sherlock Holmes
制作:アメリカ/2009
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlock/
場所:新宿ミラノ3

この世の中の一番嫌いな言動の一つに「○○は××であるべきだ」というのがある。最近なら、フォローされたらフォロー返しをするべきだ(またtwitterのことだ!)、なんてことを言ってる人がいた。そんなルールなんてどこにもないし、どうして自分の考えを簡単に押し付けたがるんだろう? そんな考え方をしていると、世の中のありとあらゆる事に不満を持つ事になってしまう。

シャーロック・ホームズのことだって、もちろん容姿や性格は小説の中に描写されているんだからその通りにキャラクターを造形するのが一般的なんだろうけど、そんな固定観念をぶっ壊しちゃっても良いとおもう。今までに形成されたシャーロック・ホームズ像に傾倒するあまり、あまりにも逸脱したやりかたに憤慨する人もいるだろうけど、やっぱり物事は緩やかに含みを持って捉えるべきで、どんなシャーロック・ホームズが来たって目くじらを立てて怒る事でもない。

このガイ・リッチーのシャーロック・ホームズは、およそ今までのシャーロック・ホームズ像からは想像できないものではあったけれど、物事を洞察鋭く見抜く能力だけはかろうじて残してあった。なので、その洞察から映画が展開して行くのかと思いきや、展開はしているんだろうけど、まるっきりストーリーに効いてこない。印象に残るのは、闘拳において、どのように相手を料理するべきかを推察する部分だけ。せっかくラストに建設中のタワー・ブリッジ上での決闘を用意してるんだから、そこへの至る道筋に、この唯一残したシャーロック・ホームズの能力を遺憾なく発揮するべきなのに、拳闘シーンしか記憶に残らないなんて。タワー・ブリッジ上での決闘でこそ、相手をどのように倒すべきか推察するシーンを持ってくるべきだったのに。

ただ一つの見どころは、爆風で人が吹き飛ぶシーンのVFXだけ。無駄に『ハートロッカー』よりも『シャーロック・ホームズ』のほうが良く出来ている。こんなところだけ良くても、まったく意味がないんだけど。

 2010年04月18日
 七月のクリスマス
Posted by ag at 23:29/ カテゴリー: MOVIE_Database

ChristmasinJuly.jpg監督:プレストン・スタージェス
出演:ディック・パウエル、エレン・ドリュー、レイモンド・ウォルバーン、アレクサンダー・カー、ウィリアム・デマレスト、アーネスト・トゥルークス、フランクリン・パンボーン
原題:Christmas in July
制作:アメリカ/1940
URL:
場所:DVDレンタル

新宿TSUTAYAには普通のTSUTAYAには無いような映画をたくさん揃えていて、まるでフランスのシネマテークのような様相を呈している。DVDになっていないようなVHSテープも数多く抱えていて、もしかするとめちゃくちゃ貴重なテープも存在してるんじゃないかとおもう。なので、一般人が絶対に手を出さないような映画を借りに行ったとしても、貸し出し中、なんてことがしばしばある。結局は映画好きがここに集まってしまうので、マイナーな映画を競って借りているような状況になってしまう。

このジュネス企画が出しているプレストン・スタージェスの『七月のクリスマス』も、最近シネマヴェーラで『バシュフル盆地のブロンド美人』が公開された所為かずっと借りられっ放しの状態が続いていた。マイナーな映画だけに一本しか在庫がないので、うまいタイミングで借りに行かないと中々お目にかかれない。

ここに来て、さすがにもうほとぼりが冷めたのかやっと借りられた。で、お預けを食ったためか、すこぶる面白かった。オチの想像は付いたけど、そこへの道筋が淀みない。いつも言うけど、プレストン・スタージェスは巧い。67分という長さも良い。これくらいなコメディをこのくらいの時間でテンポよく見られる心地よさは、もう劇場映画ではあり得ない。

 2010年04月14日
 マイレージ、マイライフ
Posted by ag at 23:51/ カテゴリー: MOVIE_Database

マイレージ、マイライフ監督:ジェイソン・ライトマン
出演:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、ジェイソン・ベイトマン、メラニー・リンスキー、サム・エリオット、J・K・シモンズ、ザック・ガリフィアナキス
原題:Up in the Air
制作:アメリカ/2009
URL:http://www.mile-life.jp/
場所:新宿武蔵野館

この映画の情報を仕入れた時に初めて、会社に代わって従業員の首を切る役目を引き受ける仕事というものが存在することを知った。日本でこのような職業があることをまだ聞いた事が無いので、まずその目新しさだけでこの映画に入り込めた。

それにキャラクターの配置がバランス良かった。首切り通達人のジョージ・クルーニーと入社したばかりのばりばりIT人種のアナ・ケンドリック。ジョージ・クルーニーと同じようにアメリカ中をまたにかけるヴェラ・ファーミガ。そして、ジョージ・クルーニーの姉と妹夫婦。それぞれのキャラクターの対比にコントラストがある上に、微妙に相手に対して自分をオーヴァーラップさせるのが巧かった。ジョージ・クルーニーがヴェラ・ファーミガの家を訪ねて行ってしまうところなんて、まるで恋人を追いかけてネブラスカ州オマハの会社に就職してしまう“小娘”アナ・ケンドリックのようだった。ジョージ・クルーニーが娘婿を説得するシーンなどもまるで自分自身に問いかけてるようだし、最後、会社を去って行くアナ・ケンドリックの後ろ姿にジョージ・クルーニーがオーヴァーラップして見えるのも巧かった。

この首切り通達人の会社がネブラスカ州のオマハにあるというのも面白かった。ネブラスカ州やカンザス州、オクラホマ州というとアメリカの田舎の代名詞のようなところだから、そんな田舎から大都市に向けて“始末人”ターミネーターが派遣されていく。さりげないアイロニー。

 2010年04月13日
 第9地区
Posted by ag at 22:35/ カテゴリー: MOVIE_Database

第9地区監督:ニール・ブロムカンプ
出演:シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド
原題:District 9
制作:アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド/2009
URL:http://d-9.gaga.ne.jp/
場所:ユナイテッドシネマとしまえん

町山智浩のポッドキャストを聞いてしまったので、ストーリー展開での驚きなしに観ることとなってしまった。新作映画のポッドキャストはなるべく聞かないようにしているんだけど、なぜか『District 9』の回はするりと聞いてしまった。

ストーリーはまさに町山智浩が言うように支離滅裂。地球人よりも科学技術が進んでいる宇宙人たちが、まるでアパルトヘイトの黒人のようにスラム街へと追いやられている説明がまったくなし。あんなに凶暴で、強力な武器も持っていて、徒党が組めるのに、地球人と全面戦争にならない理由はいっさい触れられず。

それに、町山智浩の語りから連想される映画よりも、もっとB級映画のようなグロテスク満載の映画だった。こんな映画は、昔で言うところの、場末の二番館で観たかった。『ヒドゥン』(1987)とか『エイリアン・ネイション』(1988)とか『スピーシーズ』(1995)とかと二本立てで。

ストーリーを押し進めるパワーはジェームズ・キャメロン並だったけど、辻褄の合わないストーリーと、簡単に人間が破裂するグロテスクさが際立つ映画は、シネコンで観るような映画ではなかった。

 2010年04月02日
 マイマイ新子と千年の魔法
Posted by ag at 23:37/ カテゴリー: MOVIE_Database

マイマイ新子と千年の魔法監督:片渕須直
声:福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ、松元環季、野田圭一、竹本英史、世弥きくよ、江上晶真、中嶋和也、西原信裕、冨澤風斗、瀬戸口郁
制作:「マイマイ新子」製作委員会/2009
URL:http://www.mai-mai.jp/index.html
場所:シネマ・アンジェリカ

自分の選択眼だけでチョイスしていたら絶対に観なかっただろう映画。

自分の観たい映画を選択する場合、もうすでに情報源がある程度決まってしまっていて、その狭い範囲の情報から自分の嗜好にかなう作品を選んでいた。ところが最近は、例のTwitterのおかげで、情報源の幅が広がってしまった。広がったと同時に、今までなら絶対に選ばなかっただろう作品にも、みんながそんなに面白いというのならちょっと観てみようかな、という感覚が芽生えてしまった。いや、そうなったら大変。絶えず映画を観ることになってしまう。事実そうだ。

アニメーションというと、ごくフツーの人からすれば、ジブリ系の作品があるとは言え、やはりまだまだ子供向けやオタク向けの作品に見られがちなのは確かだとおもう。しかし、確実に日本のアニメーションの質は向上している。実写映画に比べればそれは顕著だ。この『マイマイ新子と千年の魔法』にしても、いろんな情報を詰め込みすぎたために展開が早すぎてしまったり、バー・カリフォルニアへ殴り込みに行くシーンが映画全体のトーンからすると浮いて見えたりする難はあるけど、驚くほどキッチリと構成されている映画だ。それに、声優が良かった。主人公の新子の声を担当している福田麻由子は素晴らしかった。

『マイマイ新子と千年の魔法』は、固定観念を抜きにして観に行けば、絶対に誰もが気に入る映画なんじゃないかとおもう。と考えると、Twitterの情報はやはり侮れない。

 2010年04月01日
 アイガー北壁
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE_Database

アイガー北壁監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:ベンノ・フユルマン、ヨハンナ・ヴォカレク、フロリアン・ルーカス、ウルリッヒ・トゥクル、ジーモン・シュヴァルツ、ゲオルク・フリードリヒ、エルウィン・スタインハウアー、ブランコ・サマロフスキー、ペトラ・モルゼ、ハンスペーター・ミュラー=ドロサート
原題:Nordwand
制作:ドイツ、オーストリア、スイス/2008
URL:http://www.hokuheki.com/
場所:ヒューマントラストシネマ有楽町

1936年、ドイツのトニー・クルツとアンドレアス・ヒンターシュトイサーは、当時未踏の急峻なアイガー北壁に挑む。そして、彼らと同時に登攀を始めたライバルのオーストリア人、ヴィリー・アンゲラーとエディ・ライナーは、ヴィリーが頭に怪我を負ったことからドイツ隊と一緒に行動することになる。

映画のストーリーには2種類しかない。成功するストーリーか、失敗するストーリーかのどちらかだ。この映画を観るにあたって何の予備知識もなかったので、てっきり成功するストーリーの心積もりで観はじめてしまった。ところが途中で失敗するストーリーであると気付かされる。オーストリア隊のヴィリーの怪我が原因で、途中下山せざるを得なくなるのだ。映画って、予想外の展開があるほど面白く感じることが多い。まさか映画の半ばで、途中下山をしなければならないストーリーであると気付かされるとはおもわなかったので、何の気なしに観ていたこの映画に対する姿勢が前のめりに変わってしまった。

さらに下山過程の克明な描写に観る姿勢を前のめりにさせてくれる。初登頂することへの前向きな欲求に反して、途中下山を遂行する行動の何と空しいことか。失敗することに、これほどまでに長い時間を要する空しさ。無事に下山できたとしても登頂失敗であることに他ならないのに。

失敗後の処理を丁寧に描写していく映画って、今まであまり無かったような気がする。そこがとても斬新に見えて、それだけでもこの映画を気に入ってしまった。登山シーンにCGを使っていない(使っているのはマットペインティングくらい?)のも素晴らしい。ラストのルイーゼ(ヨハンナ・ヴォカレク)の無謀な行為があまりにもドラマティックすぎるけど、まあ、そこはストーリーを組み立てて行く上で許される範疇ということで。

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