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 2010年08月29日
 借りぐらしのアリエッティ
Posted by ag at 23:52/ カテゴリー: MOVIE_Database

借りぐらしのアリエッティ監督:米林宏昌
声:志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、三浦友和、樹木希林、藤原竜也
制作:スタジオジブリ、日本テレビ、電通、博報堂DYMP、ディズニー、三菱商事、東宝、ワイルドバンチ/2010
URL:http://www.karigurashi.jp/index.html
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

先日、青空文庫の富田さんらとの雑談で、宮崎駿と喧嘩別れするような気骨を持つ人間でなければ平均点以上の映画を作る事は出来ない、というような話題になった。確かに、押井守は口を開けば宮崎批判ばかりだし、細田守も諸事情(表面上は細田の人望の無さから人員が確保出来なかった、うんぬん、の話しだけれども、、、)から『ハウルの動く城』を降板していたりする。宮崎駿という巨人の傘の下にいて映画制作をするのなら、その作品が宮崎駿の亜流の域を出る事はほとんど不可能だ。そして、亜流作品はあくまでも亜流で、本家を凌ぐ事はあり得ない。本当に自分の色を出す映画を作りたいのなら、巨人の傘の下から出て行かなければならない。押井守も細田守も、宮崎駿に敬意を払いつつも、巨人の傘の下から出て行ったからこそ、巨匠と肩を並べられる作品を作ることが出来たのではないかとおもう。

そんな傘の下で作られた『借りぐらしのアリエッティ』は、ジブリ印の安心保証作品ではあるけれども、まあ、亜流です。米林宏昌監督の色はどこにあるんだろう? まったく宮崎駿の真似にしか見えなかった。悪い作品ではないけれども、どこかに、ほんのちょっとでも、監督の色を出して欲しかった。

 2010年08月27日
 ぼくのエリ 200歳の少女
Posted by ag at 23:51/ カテゴリー: MOVIE_Database

ぼくのエリ 200歳の少女監督:トーマス・アルフレッドソン
出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー
原題:Låt den rätte komma in
制作:スウェーデン/2008
URL:http://www.bokueli.com/
場所:銀座テアトルシネマ

長い間、クリストファー・リーが演じたような、髪をオールバックにして牙があってマントを纏っているようなイメージのドラキュラ映画をそのままヴァンパイア映画であると単純に考えていた。ところがそこに、ニール・ジョーダン監督の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)が公開された。アン・ライスの「夜明けのヴァンパイア」を原作にした、それこそホンモノのヴァンパイア映画だった。ああ、なるほど、ドラキュラ=ヴァンパイアではないんだとそこで理解した。ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」は、ヴァンパイアの一形態に過ぎないんだとやっと理解した。それからは、そのホンモノのヴァンパイア映画をとりわけ意識するようになった。でも、その後の公開映画を観ても、『ブレイド』や『アンダーワールド』のようなアクション映画ばかりで、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』ような永遠の“生”に生き疲れたヴァンパイアたちの耽美で退廃的な映画はなかなか出て来ない。まあ、『トワイライト』あたりが許せる範囲かなあ。

この『ぼくのエリ 200歳の少女』は、タイトルが示す通り、エリという名の12歳の少女のかたちをしたヴァンパイアが出て来るホンモノのヴァンパイア映画だった。舞台がスウェーデンなので、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』とはまた違った形態のヴァンパイア映画ではあるけれども、北欧の冬の透明さ、静けさが映像に生かされていて、色の薄い景色と原色である人間の血の対比や、寒さのため受動的な人間に対して人間の血を求める能動的なヴァンパイアの対比も映像としてメリハリが利いていて、ヴァンパイア映画の怖さがよく出ていた。映像的にはカナダのアトム・エゴヤンの映画をちょっと思い出したり。ただ、エリを演じるリーナ・レアンデションが、もうちょっとスウェーデン系というか、ゲルマン系の透き通った顔立ちなら良かったのに。たぶん、スラブかラテン、またはロマがちょっと入ってるんだよね。

ドラキュラ=ヴァンパイアとおもっていた、と言ったけど、考えてみたら萩尾望都の「ポーの一族」があるわけだから、たぶん意識のどこかではそんなことはなかったとおもう。「ポーの一族」が映画化されていたらもっとはっきり、ドラキュラ=ヴァンパイアとはおもわなかったんだろうけど。今からでも遅くないから映画化すればいいのに。小野不由美の「屍鬼」あたりも。

 2010年08月20日
 インセプション(2階層目)
Posted by ag at 23:36/ カテゴリー: MOVIE_Database

インセプション監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディ、ディリープ・ラオ、キリアン・マーフィー、トム・ベレンジャー、ピート・ポスルスウェイト、ルーカス・ハース、タルラ・ライリー、マイケル・ケイン
原題:Inception
制作:アメリカ/2010
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/mainsite/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

前回観た時にところどころ眠ってしまったおかげでストーリーがまったく解らなくなってしまった。なので、その解らなくなってしまった部分を確認するためにもう一度観てみた。そうしたら、眠らないできっちりと観れば、これはすこぶる面白い映画だった。1回観ただけでは難解で取っつきにくく感じる人もいるかもしれないけれど、じっくりと観て理解すれば絶対に面白い映画だ。

以下、解らなくなってしまった部分の解題。ネタバレ。

・4階層のうち、最下層を除いた3階層の“夢”の設計をしているのはアリアドネ(エレン・ペイジ)。最下層の“夢”の設計はコブ(レオナルド・ディカプリオ)とモル(マリオン・コティヤール)なのかどうか?
・しかし設計とは別に、実際に“夢”を見ている主体は別。第1階層の“夢”はユスフ( ディリープ・ラオ)。第2階層の“夢”はアーサー(ジョゼフ・ ゴードン=レヴィット)。第3階層の“夢”はイームス(トム・ハーディー)。最下層の“夢”はコブ(レオナルド・ディカプリオ)。
・ただ、最下層の“夢”は、映画の中で言う“虚無”なのかもしれない。“虚無”というものが何なのかはよくわからないけど。ここに老いたサイトー(渡辺謙)がいる。
・最下層の“夢”にロバートが捕らわれていたのは、ロバートが“虚無”に陥ったから?
・実際に”夢”を見ている人は、その下の階層には行かない。残って、眠っている人をキックする役割を担う。
・モルがそれぞれの“夢”に登場するのは、共有しているコブの深層心理が他人の“夢”に影響を及ぼしているため。
・それ以前にこの映画は、サイトー(渡辺謙)の依頼のもと、ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)に“植え付け(インセプション)”をする映画というよりも、コブ自身に“植え付け(インセプション)”をしてモルから解放させられることが出来るかを描いている。
・なので、ロバートに何を植え付け(インセプション)たかはあまり重要じゃない。
・夢を共有させるあのアタッシュケースの装置のしくみは映画の中で多くは語られない。まあ、それはいいか。

以上、重要なのは“虚無”であることがわかってきたが、その“虚無”の理解は2回観ただけでは難しい。もう一度、観るか。

 2010年08月11日
 広島国際アニメーションフェスティバル 最終日
Posted by ag at 23:56/ カテゴリー: MOVIE

広島国際アニメーションフェスティバル
広島国際アニメーションフェスティバルの最終日。グランプリは、おおかたの予想通り、ノルウェーのアニータ・キリ監督の『アングリー・マン』だった。この家庭内のDVを描いた作品のグランプリ受賞が象徴するように、全体的に暗く、閉塞感がただよう作品が多かった。短編アニメーションの制作なんて、景気が良くなければお金が回ってこない末端の文化事業なので、おそらくそのまま時勢が作品に反映されるんじゃないかと勝手に推測したりしてしまった。そんな中で、中国や台湾や韓国の短編アニメの躍進が嬉しい。特に韓国は、劇場映画の勢いそのまま、短編アニメにも波及している。それも若い女性の監督ばかり! 短編アニメの監督の女性比率は驚くほど高い。

【グランプリ】
アングリー・マン Angry Man(アニータ・キリ:ノルウェー)

【ヒロシマ賞】
ダイバーズ・イン・ザ・レイン Divers In The Rain(プリット・ピャルン、オルガ・ピャルン:エストニア)

【デビュー賞】
ファミリー・ポートレイト A Family Portrait(ジョセフ・ピアース:イギリス)

【木下蓮三賞】
ビデオゲーム・ア・ループ・エクスペリメント Videogame a Loop Experiment(ドナト・サンソーネ:イタリア)

【観客賞】
ジ・エンプロイメント The Employment(サンティアゴ・ブーグラッソ:アルゼンチン)

 2010年08月10日
 広島国際アニメーションフェスティバル 第3日目
Posted by ag at 23:52/ カテゴリー: MOVIE

広島国際アニメーションフェスティバルとしては4日目。自分にとっては3日目。今日はまず、オランダのヘリット・ファン・ダイクの特集上映&トークを観た。ダイクは鉛筆によるドローイング手法のアニメーション作家。13本上映された中で特に、歴史上の人物や映画スター、カトゥーンのキャラクターが、画面の中をくるくると回るだけの『パサドゥ』、1930年代の実在のギャングをモチーフにして、ハンフリー・ボガートやジェームズ・キャグニーの出て来る『ザ・ラスト・ワーズ・オブ・ダッチ・シュルツ』が面白かった。そして『パサドゥ』にはミッキー・マウスが堂々と登場する。案の定、上映後の観客からの監督への質問に、著作権はクリアしているのか? の問いが。それに対して監督は、権利クリアの申請はしていない、アメリカの象徴としてのミッキー・マウスを描く事になんら問題はない、というようなニュアンスの解答。

夜のコンペ作品上映は、やっと満足できるラインナップ。自信を持って、今日の良かった作品。

・ダニー・ボーイ Danny Boy(マレック・スクロベツキ:スイス、ポーランド)
顔のある人間は、もうこの世では特異な存在。というようなシニカルなところが良い。

・ウルヴズ Wolves(ラファエル・ソメルハルダー:イギリス、スイス)
アゥ〜〜〜〜〜。

・ジ・エンプロイメント The Employment(サンティアゴ・ブーグラッソ:アルゼンチン)
人口に対して仕事が不足すると、こうならざるを得ない。怖い、怖い、シニカルなアニメ。

 2010年08月09日
 広島国際アニメーションフェスティバル 第2日目
Posted by ag at 23:59/ カテゴリー: MOVIE

広島国際アニメーションフェスティバルとしては3日目。自分にとっては2日目。やっぱり今年のコンペ作品は低調だった。2年前のコンペ作品には、フランスの『オクタポディ』やオーストラリアの『グローバル・ウォーミング』やイギリスの『ジス・ウェイ・アップ』などの、テンポが良く、クールで、洒落た作品が幾つか含まれていた。イメージ重視の作品や重いテーマの作品が多い中、それらのわかりやすい作品たちは一つの救いだった。もちろん、そんな軽い作品ばかりを求めていやしない。芸術志向の作品ばかりに傾きすぎず、エンターテインメントの作品ばかりに傾きすぎないようなバランスがどうしても大切なんじゃないかとおもう。今回はそのバランスが大きく傾いている。イメージ重視の芸術性が強い作品ばかりに集中してしまっている。

で、またまた苦し紛れに選んだ今日の良かった作品。

・引き出しと鳥 The Drawer and The Crow(フレデリック・トロンブレー:カナダ)
やはり人形系のアニメーションに、ぐぐっと、惹きつけられてしまう。もうこれはしょうがない。自分の嗜好です。

・アングリー・マン Angry Man(アニータ・キリ:ノルウェー)
今回のコンペ作品には家族の重いストーリーが多い。その中でも良くできた作品。

・ダスト・キッド Dust Kid(ユミ・ジョン:韓国)
ちょっと日本のシュールなギャグ漫画に通ずる作品。今回のコンペ作品に東アジアの作品多し。

・ラテラリウス Laterarius(マリナ・ロセット:スイス)
エンディングを、スパッとばっさり切り捨てて終わる作品には2種類ある。説明不足を感じて観終る作品と、痛快さを感じて観終わる作品。この作品は後者。でも男が可哀想。

 2010年08月08日
 広島国際アニメーションフェスティバル 第1日目
Posted by ag at 23:54/ カテゴリー: MOVIE

広島国際アニメーションフェスティバルとしては2日目。自分にとっては1日目。2年前と同じように「コンピュータアニメーションメイキングワールド教室」(名称は若干変更)というものを手伝ってます。今日は日曜日も手伝って、ひきりなしに人が来て、朝の3時起きの身にとっては辛かった。これじゃ、夜のコンペティション作品の上映で寝てしまうんじゃないかと心配だったけど、かろうじてセーフ。でも、どっぷりと暗い作品が多くて心身には応えた。中に1本くらい能天気なアメリカのアニメーションが欲かったなあ。

で、苦し紛れに選んだ今日の良かった作品。

・ミックスド・バッグ Mixed Bag(イザベル・ファヴェ:スイス)
ストーリーがはっきりしていて笑える作品は観客のお気に入り。

・冬至 The Winter Solstice(シー・チェン、シー・アン:中国)
ストーリーが良くわからなかったけどイメージが素晴らしい。

・ザ・ツイン・ガールズ・オブ・サンセット・ストリート The Twin Girls of Sunset Street(マルク・リバ、アナ・ソラナス:スペイン)
暗くて残酷なパペット(CGかな?)アニメーション。今日のコンペの象徴的作品。でもここまで極端なら逆に笑える。

・二羽のヤマウズラ Two Partidges(カトリーヌ・ビュッファ、ジャン=ルック・グレコ:フランス)
映画字幕の文字が小さくて、早くて、読めなかったけど、今日は笑える作品が貴重だった。

 2010年08月05日
 インセプション
Posted by ag at 23:46/ カテゴリー: MOVIE_Database

インセプション監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディ、ディリープ・ラオ、キリアン・マーフィー、トム・ベレンジャー、ピート・ポスルスウェイト、ルーカス・ハース、タルラ・ライリー、マイケル・ケイン
原題:Inception
制作:アメリカ/2010
URL:http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/mainsite/
場所:ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

クリストファー・ノーラン監督の『メメント』を観た時、この長い映画史の中で、きっと誰かは考えたであろうコンセプト(ストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きにストーリが進む)の映画を、でも誰もがそんなのものを映像化しても面白い映画を作ることは無理だろうと判断してしまった内容の映画化を、果敢にトライしているクリストファー・ノーランという映画監督にえらく共感してしまった。そんな実験映画のような内容の映画にも、しっかりとしたエンターテインメントを持たせている技能の高さにえらく感動してしまった。

その『メメント』から10年、大ヒットの『ダークナイト』を挟んでの今回の『インセプション』。メジャーな監督になってしまったので、もう『メメント』の時のような気概は残っていないのかと思いきや、お金をかけた大掛かりな映画にはなっているけれど、充分にクリストファー・ノーランの映画だった。ある特定の人の“夢”を複数人数で共有させてて、さらにその“夢”の中でまた特定の“夢”を共有させる。これを繰り返して4階層まで潜るのだ。まあ、よくもこんな映画の制作にゴーを出せたものだ。

ただ、こんな複雑な映画なのに、ここ数日の熱帯夜にやられて少し睡眠不足気味で映画に望んでしまったために、途中、うとうと、してしまった。この映画のストーリー自体が“夢”の話しなので、それを引きずりながら実際に自分の“夢”の世界に入り込みそうになってしまった。つまり、まるで映画の中の“夢”を実際に自分の“夢”の中でも共有しているような感覚に陥りそうになってしまったのだ。映画と同様に、エディット・ピアフの『水に流して(Non, je ne regrette rien)』が流れると同時にハッと我に返る始末。これは一見、すごいじゃん、映画とシンクロしてるじゃん、と捉えることもできるけど、いやいや、ストーリーの細かい部分がちょっとわからなくなってしまった。いや、しっかりと起きて観てもわからないのかもしれないけれど。


以下、わからなくなってしまった部分。ネタバレ。

・夢を共有させるあのアタッシュケースの装置のしくみは何?
・夢を設計するのは誰にでもできるのか? それとも特殊な能力がいる?
・各階層の“夢”はいったい誰の“夢”が主体? すべては夢の「設計士」アリアドネ(エレン・ペイジ)の“夢”?
・でもモル(マリオン・コティヤール)が自殺するトラウマに支配されているわけだからコブ(レオナルド・ディカプリオ)の“夢”が主体でしょう。
・一番最下層の“夢”に行った時に、ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)が捕らわれている意味がわからん。
・で、結局、ロバート・フィッシャーに何を植え付け(インセプション)たのか?
・映画の冒頭と最後に出てくる、年老いたサイトー(渡辺謙)にコブが会いに行く意味もわからない。

以上のことは、映画の最後のシーンに出て来るトーテムの独楽が倒れなければ説明はいらないのかもしれない。全部が夢の話しなのだから。でも、倒れるのであれば、説明して欲しい。倒れるのか倒れないのかは解答を示していないので、う〜ん、どう考えればいいのか。

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