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 2011年11月18日
 メインン州ベルファスト
Posted by ag at 23:36/ カテゴリー: MOVIE_Database

メインン州ベルファスト

メインン州ベルファスト監督:フレデリック・ワイズマン
出演:メインン州ベルファストの人びと
原題:Belfast, Maine
制作:アメリカ/1999
URL:
場所:ユーロスペース2

『パブリック・ハウジング』ではシカゴの貧しい黒人社会にカメラを向けていたのに対して、この『メインン州ベルファスト』では歴史のある土地の中流白人社会にカメラを向けている。この二本を立て続けに観ることによって二つを対比することが出来たのが面白かった。シカゴの黒人社会ではドラッグ問題が大きな位置をしめているのに対して、ベルファストの白人社会ではそれがまったく無く、どちらかと云うと生活習慣から来るとおもわれる病いに冒されている人たちが目につく。ベルファストでは漁業、農業、工場、IT企業など様々な産業が描写されるのに対して、シカゴの公共住宅の人びとが地元の産業に大きく関わっているような描写はあまりなくて、高校生に対しては起業しろなどと云う。大きな括りとしては90年代のアメリカ社会ではあるのだけれど、細部でそれぞれのコミュニティーの地域差がはっきりと現れていた。そこが克明になるのはフレデリック・ワイズマンの撮る丹念な映像が何層にも積み重なっているからこそだった。ただ、この二つの映画を比較すると、社会的な問題を多く抱えている『パブリック・ハウジング』のほうがバラエティに富んで面白く、『メインン州ベルファスト』のほうがいくぶん平凡な生活の描写が多くて映像としての起伏が乏しかった。それでも247分もの長尺を飽きずに見させるフレデリック・ワイズマンのカメラを通しての着眼点は素晴らしいのだけれど。

 2011年11月15日
 ミッション: 8ミニッツ
Posted by ag at 23:47/ カテゴリー: MOVIE_Database

ミッション: 8ミニッツ監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ジレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガ、ジェフリー・ライト、キャス・アンヴァー、ラッセル・ピーターズ、マイケル・アーデン
原題:Source Code
制作:アメリカ/2011
URL:http://disney-studio.jp/movies/mission8/
場所:ユナイテッドシネマとしまえん

一つのアイデアだけでグイグイ引っ張って行く映画を好きだったりする。一つのアイデアだけを拠り所にしているので辻褄が合わなくなってしまったりもするんだけど、そんなことはお構いなしに突っ走って行くパワーがある映画は面白い。この『ミッション: 8ミニッツ』もそんな映画だった。それに、これはダンカン・ジョーンズ監督の前作『月に囚われた男』から共通するテーマなんだろうけど、自分としてのアイデンティティの探求をこの映画にもうまく持ち込んでいて、パワーだけで押し切るような映画だけにはしていないところも良かった。

ダンカン・ジョーンズ監督が父親のデヴィッド・ボウイとどのような関係にあったのかは知らないけれど、SF寄りの映画を立て続けに2本も撮るのはやはりニコラス・ローグ監督のデヴィッド・ボウイ主演『地球に落ちてきた男』に影響するところが多いんじゃないのかなあ。『地球に落ちてきた男』も見方によっては異星人のアイデンティティの探求を描いているとも云えるし。

映画のクレジットを見ていて、ジェイク・ジレンホールの「ホール」が「hole」ではなくて「haal」であることに気が付いた。aが二つの綴りなんて珍しいんじゃないかとおもってネットを調べていたら、なんと Gyllenhaalはスウェーデンの由緒正しい家系だった。

 2011年11月06日
 六ヶ所村ラプソディー
Posted by ag at 23:10/ カテゴリー: MOVIE_Database

六ヶ所村ラプソディー監督:鎌仲ひとみ
出演:菊川慶子、坂井留吉、上野幸治、小笠原聡、岡山勝廣、哘清悦、苫米地ヤス子、荒木信義、荒木聖子、斑目春樹、小出裕章、ジャニン・アリス・スミス、土本典昭
制作:グループ現代/2006
URL:http://www.rokkasho-rhapsody.com/
場所:明治大学御茶ノ水地区リバティタワー1011教室

「被爆者の声をうけつぐ映画祭2011」のチケットをもらったので前から観たかった『六ヶ所村ラプソディー』を明治大学で観てきた。

福島の原発事故が起きてからずっと原子力発電関係のドキュメンタリー映画を見続けている。本も読むべきかもしれないけど、やはり原発関連について云えば映像のパワーは絶大だ。放射線のためフィルムにノイズが入っているチェルノブイリの映像やベラルーシの甲状腺ガンに冒された子どもたちの映像などは、文字で表される情報よりも多くのイメージを見るものに伝えてくれる。この青森県六ヶ所村にある核燃料の再処理工場についてのドキュメンタリーを観ても、地元の人びとに及ぼす様々な影響が広大な自然と共に提示されて、そのコントラストにえも言われぬもどかしさを映像によって感じることができる。それはNHKドキュメンタリーで「被曝の森はいま」を見ても同じように感じたことだった。

被曝の森はいま 1/5 from sonar on Vimeo.

放射線に冒されても自然は美しい。そこに住む動物たちもうまく適応してくらしている。それは何を意味するんだろうか。もし神が作りし放射線によって倒れるものがあるとすれば、それは排除されるべきものだけが取り除かれたにすぎないのではないのか、と考えたりもする。

このような映像の数々を見て、震災以降ずっと原発の是非について考え続けている。いろんな映像を見れば、どう考えてみても人間は原子の核分裂を制御する方法をしっかりと確立できていないことがわかる。それに10万年も放射線を出し続ける核廃棄物の処理方法も確立できていないこともわかる。そんなものが安全なわけがない。じゃあなぜそんな危険なものを人びとを騙して国は推進しているのか。この映画の中で斑目春樹も、上映後の鎌仲ひとみ監督が講演でも云っていたように、単純に、金(かね)がからんでいるからだ。つまり人間は欲望のかたまりだからだ。欲望のかぎりを尽くして文明を発展させて来て、それをさらに発展させようとすればそこに何かしらの破綻をきたすのは、しごく、あたりまえだ。

繁栄はもういい、だからエネルギー消費も抑えよう、と云う考え方もある。でも、マイナスに向かうことほど難しいものはない。それを行うには、今以上の微妙なバランスが要求される。そんな剣の刃渡りのようなことが欲望のかたまりである人間にできるわけがない、とはおもう。

と云うことを、ああでもない、こうでもないとずっと考え続けている。この映画を観ても、さらに沈思黙考をし続ける。

 2011年11月04日
 猿の惑星: 創世記(ジェネシス)
Posted by ag at 23:55/ カテゴリー: MOVIE_Database

猿の惑星: 創世記(ジェネシス)監督:ルパート・ワイアット
出演:ジェームズ・フランコ、アンディ・サーキス、フリーダ・ピントー、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン、デヴィッド・オイェロウォ、タイラー・ラビーン、ジェイミー・ハリス、デヴィッド・ヒューレット、タイ・オルソン、マディソン・ベル、ジョーイ・ロッチェ
原題:Rise of the Planet of the Apes
制作:アメリカ/2011
URL:http://www.foxmovies.jp/saruwaku/
場所:ユナイテッドシネマとしまえん

子供の頃に見て、ラストシーンに衝撃を受けた映画のベスト3に絶対に入るのが『猿の惑星』だ。まあ、そんな人は多いとおもう。でもよくよく考えてみると、なぜ猿が人間を支配するようになったのかは描かれていない。原作者であるピエール・ブールが第二次世界大戦中に日本軍の捕虜になった体験から書かれた小説が元となっているので、支配が逆転することのみをコンセプトとして書かれているだけであって、そこに“なぜ”は必要なかったのかもしれない。とは云え、そこのところ気になるでしょう、と後付けで考えて作られたのがこの『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』だった。

こんなふうな、ヒット映画の過去なりその後を描く映画の場合、無理矢理ストーリーを作り上げているのが見え見えで、元映画の呪縛から逃れられず、まったく窮屈な映画になってしまうことが多い。ただ単純に元映画のネームバリューだけで興行収入を上げようとしている駄作が多い。でも、この『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』は面白かった。元映画の『猿の惑星』に束縛されることもなく(まあ、もう43年も前の映画だからね)、自由な発想を元に、CGを使ってるからこそ出来る奇抜なカメラアングルも手伝って、一気にテンポよく、てらいもなくストレートに見せてくれる映画だった。『創世記2』では生き残った人類との覇者争いかな。そうしたら、ニューヨークの自由の女神のもとで最終決戦だ。

ag-n
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