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 2012年04月27日
 ドライヴ
Posted by ag at 23:55/ カテゴリー: MOVIE_Database

ドライヴ監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、アルバート・ブルックス、オスカー・アイザック、クリスティーナ・ヘンドリックス、ロン・パールマン
原題:Drive
制作:アメリカ/2011
URL:http://drive-movie.jp/
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん

この映画に対しての絶賛の声はあちらこちらから聞こえてきたので早いところ観ようとおもったのに、ハッと気が付けばシネコン系では今日が最終日になってしまっていた。いつものとおり、最終回に駆け込み。

観終って、それなりには楽しめたけどそんな絶賛するような映画ではなかったなあ、とおもっていたらTwitterで青山真治監督の以下のようなTweetが飛び込んできた。

https://twitter.com/#!/cooff/status/195640785922834434

この愛情を排した部分をどのように見るかでこの映画に対する評価がまっるきり変わってしまう。それをスタイリッシュでクールと見るか、まったく深みがないと捉えるのか。自分にとっては若干、後者寄りだったけど、でもそこまでまっるきりダメな映画ではなかった。北野武ばりの暴力描写の挟み込み方のタイミングは良いとおもうし、フランスのKavinskyと云う人の音楽をはじめ使われている曲もかっこいいし。それにしてもアルバート・ブルックスはいつのまにか悪人がぴったりになって来ているな。


Kavinsky - Nightcall 投稿者 Florian_Hautekiet

 2012年04月25日
 ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜
Posted by ag at 23:45/ カテゴリー: MOVIE_Database

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜監督:テイト・テイラー
出演:ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、エマ・ストーン、ブライス・ダラス・ハワード 、ジェシカ・チャステイン、アーナ・オライリー、アンナ・キャンプ 、オンジャニュー・エリス、シシリー・タイソン、クリス・ローウェル、マイク・ヴォーゲル、ブライアン・カーウィン、レスリー・ジョーダン、デヴィッド・オイェロウォ、アリソン・ジャニー 、メアリー・スティーンバージェン、シシー・スペイセク
原題:The Help
制作:アメリカ/2011
URL:http://disney-studio.jp/movies/help/
場所:新宿武蔵野館

『風と共に去りぬ』をはじめとして、むかしのハリウッド映画には数多くの黒人のメイドが登場する。そのどれもが家庭の中で幼い子どもを躾けるシーンが多く登場し、時には優しく、時には厳しく、そしてちょっとシニカルな言動でみんなを笑わせてくれる憎めない人物である場合が多い。演じている女優もとても魅力的で、ハリウッド映画の黒人メイド役女優リストを作りたいとおもっていたくらいだった。

--まだ途中のリスト、なかなか思い出せない--
ハティ・マクダニエル(『風と共に去りぬ』ヴィクター・フレミング監督、1939)
リリアン・ランドルフ(『素晴らしき哉、人生!』フランク・キャプラ監督、1946)
(以下は、黒人の女優がそれなりに重要な役割を与えられるようになってからのメイド役)
ファニタ・ムーア(『悲しみは空の彼方に』ダグラス・サーク監督、1959)
イザベル・サンフォード(『招かれざる客』スタンリー・クレイマー監督、1967)

この『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』はそのメイドが主役の映画だった。60年代の公民権運動が激しくなり出したころのミシシッピ州ジャクソンが舞台なので、演じている女優が魅力的だなんて暢気なことを云っていられるような内容ではなかったけれども、主役と云ってもいいメイド役のヴィオラ・デイヴィスの子どもにたいする躾けの演技は素晴らしかったし、アカデミー助演女優賞を獲ったオクタヴィア・スペンサーの夫からのDVを受けながら女主人であるブライス・ダラス・ハワードと対決するシーンも良かった。もちろんこの対決にはヒールの存在が不可欠なんだけど、そのヒール役のブライス・ダラス・ハワードがこれまた素晴らしかった。この映画は、実のところ、アフリカの子どもを救済する寄付を集めていながら、黒人と一緒のトイレを使うことをめちゃくちゃ嫌悪してしまう、おそらく当時の南部に一般的に存在したとおもわれる保守的な中流家庭の妻役を演じたブライス・ダラス・ハワードの映画だったんじゃないかとおもう。

ブライス・ダラス・ハワードが気になったので調べたら、俳優で監督のロン・ハワードの娘だった。ガス・ヴァン・サントの『永遠の僕たち』では父親と一緒にプロデュースしているし、短編映画の監督もしているらしい。これからちょっと注目しよう。

 2012年04月23日
 ぼくたちは見た-ガザ・サムニ家の子どもたち-
Posted by ag at 23:18/ カテゴリー: MOVIE_Database

ぼくたちは見た-ガザ・サムニ家の子どもたち-監督:古居みずえ
出演:ゼイナブ・サムニ、カナアーン・サムニ、モナ・サムニ
制作:アジアプレス・インターナショナル/2011
URL:http://whatwesaw.jp/
場所:東京しごとセンターセミナー室(みみの会)

第96回みみの会は、フリーのジャーナリストである古居みずえさんを招いて、去年製作されたドキュメンタリー映画『ぼくたちは見た-ガザ・サムニ家の子どもたち-』を観た。

古居みずえ監督の『ガーダ -パレスチナの詩-』を観た時にも感じたことだけど、パレスチナの人たちは、いや、パレスチナに限らずアラブと云う大きな括りにしても良いのかも知れないけれど、家族や親族の結びつきがとても強くて深い。日本でも地方などは一見、親族などの結びつきが強いように見えるが、実際にはまったくの建前だけで、うすっぺらな上辺だけのつき合いのところが多い。でも、パレスチナではそれがとても密なことが映像からもわかる。どの家族にも、親族が誰であるかわかるような顔写真付きの家系図が必ずあるし、たとえ両親が亡くなったとしても子どもたちをサポートする親族の人たちが周りに必ずいる。だからこそパレスチナの子どもたちは人に接することに慣れていて、そしてそこにはイスラム教的な考え方も関わってくるんだろうけど、向けられたカメラに対して物おじせずに、両親の悲惨な死に方でさえも饒舌に語ることができるんじゃないかとおもう。まあ、あそこまで両親や親族の死に対して、冷静に首が飛んだの、脳みそが飛び出たのと描写をされると、感情が爆発している状態での表現よりも、その静かさがかえって悲惨さを増してしまう。まるでイスラエル兵があざ笑いながら残虐行為を繰り返しているように見えて、パレスチナの人たちの憎しみと同調してしまう。イスラエルの子どもたちも、パレスチナ兵に同じようなことをされているんだろうけれど。

そぼ降る雨の中で観るにはとても辛い映画だった。これで晴れていれば、帰りは自転車で帰ることができて、多少なりとも開放的な気分が湿った心を癒してくれるんだけれど、満員電車で帰るのは暗闇の中に押し込められたパレスチナの人たちのようでまた落ち込む。

 2012年04月21日
 渇き
Posted by ag at 23:21/ カテゴリー: MOVIE_Database

渇き監督:グル・ダット
出演:グル・ダット、ワヒーダー・ラフマーン、マーラー・シンハー、ラフマーン、ジョニー・ウォーカー
原題:Pyaasa
制作:インド/1957
URL:
場所:アテネ・フランセ文化センター

今までインド映画をしっかりと見たことがない。サタジット・レイもないし、ちょっと前に話題となった『ムトゥ 踊るマハラジャ』もパスしていた。なんでだろう? 何となく自分には合わなさそうで、見たとしても途中で飽きちゃうんじゃないのかと勝手に決めつけていた。でもグル・ダットについては次の蓮實重彦の言葉に煽動されて見たいとおもっていた。

グル・ダットは天才であり、『渇き』は傑作である。この歌謡映画を見て背筋に震えが走らなければ、あなたは映画とは無縁の存在だ。その抒情の鮮烈さにおいて『シェルブールの雨傘』などを遙かに超えている。最良のダグラス・サーク、最良の成瀬巳喜男だけが『渇き』のグル・ダットにかろうじて拮抗しうるだろう。

これはなに? 映画の惹句なのか? とおもえるほどの煽り方だ。蓮實先生にそこまで言われたら見なければならないと機会をうかがっていたが、やっとアテネ・フランセ文化センターで上映会が開かれたので行ってみた。

グル・ダットの『渇き』はインド映画によくあるような歌謡映画で、歌って、踊ってのメロドラマだった。ただ、インド歌謡映画のイメージとして自分が勝手に持っていた軽いものではまったくなくて、とてもしっかりと作られている映画だったのは驚いた。撮り方がちょっと戦前のハリウッド映画のようだけれども、だからこそ映画黎明期のような素直さ、実直さが伝わってきて、まるでフランク・キャプラの映画を見ているかのようだった。ラストでグル・ダットが演じている詩人が民衆から罵声を浴びせかけられるシーンはキャプラの『群衆』のようだった。

蓮實先生が云うような背筋に震えが来るほどではなかったけれども、なるほど、グル・ダットの良さはわかったような気がする。もっと、例えば傑作と云われている『紙の花』などを見ないと。

 2012年04月20日
 マリリン 7日間の恋
Posted by ag at 23:49/ カテゴリー: MOVIE_Database

マリリン 7日間の恋監督:サイモン・カーティス
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、ドミニク・クーパー、ジュリア・オーモンド、ゾーイ・ワナメイカー、エマ・ワトソン、ジュディ・デンチ、トビー・ジョーンズ、デレク・ジャコビ
原題:My Week with Marilyn
制作:イギリス、アメリカ/2011
URL:http://marilyn-7days-love.jp/
場所:ユナイテッド・シネマ豊洲

ミシェル・ウィリアムズがマリリン・モンローを演ると聞いた時、この2人はまったく似てないし、いやその前にミシェル・ウィリアムズなんてちんちくりんじゃねえ、とディスったけど、この映画を観てびっくりした。確かにクローズアップになった顔を良く見るとまったく似てない。でも、パッと見た感じがマリリン・モンローに見えるのだ。そのスタイル、佇まい、オーラなどが、もうマリリン・モンローだ。これは凄い。モンローの有名なピンナップショットも、例えばバスローブを着てベッドに横たわっているショットやバスタブから顔だけ出しているショットなどもこの映画では映像化しているんだけれども、それを見ても本当にモンローだ。ミシェル・ウィリアムズの演技力がここまであるとは。

この映画はマリリン・モンローがローレンス・オリビエの『王子と踊子』に出演した時のエピソードがベースになっていて、もうこの段階でモンローが精神的に病んでいて遅刻常習犯になっていたことがわかる。そして、この『王子と踊子』の次回作がモンローの代表作とも言えるビリー・ワイルダー監督の『お熱いのがお好き』になる。「ワイルダーならどうする? ―ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話」(キネマ旬報社)の中でビリー・ワイルダーがその遅刻常習癖を語っている。

三百人のエキストラを用意して、ミス・モンローの九時のお出ましを待っていると、夕方の五時にあらわれる。またその言い分が「ごめんなさい、でも途中道に迷っちゃったの」とくる。七年間通い慣れた撮影所にやってくるのに!

と云いながら、彼女のコメディ・センスをめちゃくちゃ褒めている。つまり、この『マリリン 7日間の恋』の中のセリフにもあったように、個としてのマリリン・モンローは天才的で超絶オーラを発散するモンローに押しつぶされてしまったのだ。スクリーンに映し出される虚像を維持するために実像である個人を犠牲にせざるを得なかった。

『お熱いのがお好き』の次が『恋をしましょう』で、その次が遺作となる『荒馬と女』になる。「王になろうとした男 ジョン・ヒューストン」(清流出版)の中でジョン・ヒューストンがやはりモンローの遅刻常習癖について語っている。

マリリンの遅刻癖をよく聞かされていたので、いくらかでも彼女の負担をとりのぞこうと、撮影開始時刻を朝の九時から十時に改めた。しかしこれは焼け石に水だった。クラーク・ゲーブルは小さなスポーツカーを運転してセットに現れ、自分のスタンドイン相手にセリフの読み合わせを終えると、椅子にすわって本を読み始める。マリリンの到着が何時になろうとも、クラークはただの一度も不平はもらさなかった。

この『荒馬と女』の撮影時に夫のアーサー・ミラーとの関係がより悪くなり、その心労からかさらなる薬物依存によって体調を壊して入院するも撮影は無事終了。しかし、その次の映画『女房は生きていた』を降ろされた後に自宅の寝室で死んでいるのが発見される。享年36歳。自殺か謀殺かと今でも話題になるけど、フィルム上に焼き付けるかのごとく36歳のままずっと歳を取らずに定着したことは、マリリン・モンローと云う絶対的な虚像にとっては正しい終わり方だったとおもう。

 2012年04月12日
 残虐全裸女収容所
Posted by ag at 23:03/ カテゴリー: MOVIE_Database

残虐全裸女収容所監督:ジャック・ヒル
出演:パム・グリア、アニトラ・フォード、シド・ヘイグ、キャンディス・ローマン、キャロル・スピード、テダ・ブラッキ、ヴィク・ディアズ
原題:The Big Bird Cage
制作:アメリカ/1972
URL:
場所:新宿武蔵野館

タランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』が公開された時、洋泉社から「グラインドハウス映画入門」と云うガイド本が発売されて、その中でタランティーノがエクスプロイテーション映画で有名なジャック・ヒルについて熱く語っていた。

エクスプロイテーション映画というジャンルの中での一番の巨匠は、やはりジャック・ヒルだろう。(中略)確かに変な映画ではあるさ。でも、心地よい自問自答がある。最初の10分か20分は映画を観て笑うかもしれないけど、突然、笑うのをやめて、話の虜になる。実際に、セリフにリズムがあることを実感するんだ。

タランティーノがそこまで肩入れをするのならジャック・ヒルの映画を見てみたい気がしたんだけど、でもおそらくそれはとてもチープな映画で、演出もいきあたりばったりで、役者の演技も稚拙で笑える映画にすぎないんじゃないかと、まあ、そんなことはわかりきってはいる。でもタランティーノが云うんだから、その中に何かキラリと光るものがあるんじゃないかと新宿武蔵野館の“夜コーマン”(『コーマン帝国』公開を記念したロジャー・コーマン関連映画のレイトショー)に行ってみた。

おそらくジャック・ヒルの映画の中ではこの『残虐全裸女収容所』はあまり出来の良いほうではなかったんじゃないのかなあ。この映画だけを観るかぎりではタランティーノの云うようなジャック・ヒルの良さはわからなかった。パム・グリアのキャットファイトもイマイチ迫力に欠けるし。ただひとつスゲエと思ったのは夜のシーンで、カットが変わると空が白々としている。アクション中に夜が明けてきたのかとおもいきや、次のシーンではまた真っ暗。たぶん、これだなあ、エクスプロイテーション映画の魅力は。そんないい加減なところに、ちょっとでも鋭いものがあれば、そのギャップにメロメロになるのはわかるような気がする。ジャック・ヒルの代表作である『コフィー』あたりはDVDになっているので、これに懲りずに引き続き追いかけてみよう。

 2012年04月10日
 人生はビギナーズ
Posted by ag at 23:16/ カテゴリー: MOVIE_Database

人生はビギナーズ監督:マイク・ミルズ
出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ヴィシュニック、メアリー・ペイジ・ケラー、キーガン・ブース、チャイナ・シェイバーズ、カイ・レノックス
原題:Beginners
制作:アメリカ/2010
URL:http://www.jinsei-beginners.com/
場所:TOHOシネマズ シャンテ

DNAにはどこまで遺伝子情報が書かれていて、そして新たな情報をどの段階で書き込むのだろうかと考える時がある。例えば親から虐待を受けたことのある子供は、自分が親になると同じように子供に暴力をふるってしまうと云う話しをよく聞く。うつ病などの精神的な疾患についても、親がそうだったから自分もそうなるんじゃないか、と危惧する人の話しを聞いたことがある。こう云うことにDNAはどこまで関わっているんだろうか。おそらくそれは、そのものずばりの、例えば児童虐待遺伝子と云うようなものがあるわけではなくて、そのような状況を生み出してしまう人間としての性格の遺伝子情報が関係しているだけなのかもしれないし、さらには自分の育ってきた環境が大きく左右することは間違いないので、それらの複数の要素が複雑に絡み合った結果だけなのかもしれない。

『人生はビギナーズ』は、両親の悲しみの歴史を受け継いでしまう息子の話しだった。どことなくおかしい両親の夫婦生活を子供ながらに微妙に感じ取った結果、いつの間にかそのことが自分の人間形成に大きな影響を及ぼし、成人してからの恋愛がうまく行かなくなる男のストーリーだった。もちろんこれも遺伝ではないんだろうけど、このように両親の辿ってきた道をいつの間にか自分もなぞることってあるよなあ、と観ていて共感してしまった。題材のわりにはそんなに暗い映画ではなくて、ユアン・マクレガーの職業がデザイナーであることから、ちょっとポップな感じの映画にはなっているのも良かった。それでも深々と染み渡るような作りになっていて、おそらく普通の人は『戦火の馬』のほうが泣けるのかもしれないけど、自分にとってはこっちのほうが泣けてしまった。

最近、どんな映画を観ても面白いのは、たまたま出来の良い映画が続いているのか、それとも映画を観る体調がすこぶる良くて、ハシが転げても可笑しいのか。

 2012年04月09日
 戦火の馬
Posted by ag at 23:39/ カテゴリー: MOVIE_Database

戦火の馬監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ジェレミー・アーヴァイン、エミリー・ワトソン、ピーター・マラン、ニエル・アレストリュプ、デヴィッド・シューリス、トム・ヒドルストン、ベネディクト・カンバーバッチ、ニコラス・ブロー、ダフィット・クロス、レオナート・カロヴ、セリーヌ・バケンズ、ライナー・ボック、パトリック・ケネディ、ロバート・エムズ
原題:War Horse
制作:アメリカ/2011
URL:http://disney-studio.jp/movies/warhorse/
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん

スティーヴン・スピルバーグがこの期の及んで、往年のハリウッドのような映画を撮ったのはびっくりした。特に音楽などはもうハリウッド黄金時代の使い方で、さらに馬がメインの映画なので、やはりそこは西部劇をおもいだしてしまって、ジョン・フォードとかハワード・ホークスなどの映画を観ているようだった。これはやっぱり、そう云うオマージュ的なものが盛り込まれた映画なんだよね、きっと。ラストに夕陽のシーンが出て来るにいたっては、明日があるわ、と云ってしまいそう。

これだけ数多くの映画を見てくると、こう云うベタな映画はもうすでに飽きてしまっているものだけれども、『ヒューゴの不思議な発明』からの流れで云えば、そしてこの後に『アーティスト』が控えているとすれば、映画ってやっぱり良いですね、な感じになっていて、それなりに楽しめた。

映画のジャンルとして、馬、を考えると、今まで見た映画で何が良かったろう。『緑園の天使』『モンタナの風に抱かれて』『シービスケット』あたりかな。西部劇でも馬が重要な役割をしている映画があったような気がするけど忘れた。

 2012年04月06日
 ヒューゴの不思議な発明(3D字幕版)
Posted by ag at 23:22/ カテゴリー: MOVIE_Database

ヒューゴの不思議な発明監督:マーティン・スコセッシ
出演:エイサ・バターフィールド、ベン・キングズレー、クロエ・グレース・モレッツ、サシャ・バロン・コーエン、レイ・ウィンストン、エミリー・モーティマー、ヘレン・マックロリー、クリストファー・リー、マイケル・スタールバーグ、フランシス・デ・ラ・トゥーア、リチャード・グリフィス、ジュード・ロウ
原題:Hugo
制作:アメリカ/2011
URL:http://www.hugo-movie.jp/
場所:ユナイテッド・シネマとしまえん

3D映画なんて、またいっときのブームで終わるシロモノだろうとおもっていたらこれが以外としぶとく、まだどんどんと新作が公開されている。とは云え、それでもやっぱり、裸眼で見ることができるのならまだしも、メガネをかけなければならない3D映画は映画の一つの形式として定着させるには無理があるとおもう。3Dを見るためにいちいちメガネをかけさせる必要を迫るのなら、その煩わしさを圧倒的にしのぐほどの驚くような3D映像を見せて欲しいんだけど、現行方式ではとてもそこまでの域に達しているとはおもえない。奥行きのある映像の遠近感やクローズアップした被写体の立体感はまだ良いんだけど、中間に存在しているモノたちの立体感は単純な2Dのレイヤー重ねで、そのレイヤー間にいくぶんかの遠近感を与えているだけにすぎない3D映像のままだからだ。この部分については30年前の『ジョーズ3』のころの3Dからまったく進化してなくて、ここが改善されない限りはメガネをかける煩わしさを乗り越えてまで3D映画を見ようと云う気にはまったく起きない。

と、現状の3D映画にめちゃくちゃ懐疑的なんだけど、この『ヒューゴの不思議な発明』では、そんな現行方式でもどうしたら効果的に立体感を出せるのかをとことん考え抜き、観客をいかに喜ばせることができるのかを考慮しながら映画を撮っていたのは素晴らしかった。ロングや俯瞰からの遠近感がある映像を多用していたり、焦点をあわせるべき被写体の前に何かしらモノを置いて、その二つの距離を感じさせることによって映像に奥行きを与えていたりと、絶えず3Dを意識したカメラ配置の徹底ぶりは観ていて気持ち良かった。3Dを意識した演出も、例えばサシャ・バロン・コーエンの鉄道公安官がエイサ・バターフィールドのフューゴを問い詰める時の徐々にコーエンの顔のクローズアップが前にせり出てくるシーンなんて、笑ってしまうくらいの3D映像だった。

そして、そんな映画撮影のテクニックに加えて、何よりもこの映画の題材に映画黎明期のメリエスを持って来たことが、技術的にはまだまだ幼い3D映画とリンクして、まるで見世物小屋で映画を観ていたころの人たちのような、列車が走って来る映像を見せられたら驚いて逃げ出してしまうような純粋な心持ちにさせてくれたことが、この3D映画を楽しめた要因の一つだったのかもしれない。見世物小屋の出し物としてこの映画は上出来だった。自分にとっては、スコセッシは終わったのかな、と云う評価に移りつつあったんだけど、この映画で見直してしまった。

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