監督:スティーヴン・S・デナイト
出演:ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド、ジン・ティエン、ケイリー・スピーニー、菊地凛子、バーン・ゴーマン
アドリア・アルホナ、マックス・チャン、チャーリー・デイ
原題:Pacific Rim: Uprising
制作:アメリカ/2018
URL:http://pacificrim.jp
場所:109シネマズ木場

ギレルモ・デル・トロの撮った『パシフィック・リム』は、彼が日本の怪獣映画やロボットアニメが大好きなことから実現した映画で、その続編をギレルモ・デル・トロが撮らないとなると、基本となる日本のポップカルチャーへのリスペクトがしっかりと継承されているんだろうかと不安だったけれど、いやいや、今回のスティーヴン・S・デナイト監督も大したものだった。

「少年時代より「ウルトラマン」や「ジャイアントロボ」などの日本の特撮テレビを観て育った」(https://www.cinematoday.jp/news/N0097309)と云うスティーヴン・S・デナイト監督は、今回の映画のクライマックスに東京での昼間の市街戦を持ってきた。青空の下での格闘で次々とビルがなぎ倒されるシーンを観れば、ああ、これは「ウルトラマン」だ! と嬉しくなってしまった。前回の『パシフィック・リム』では夜のシーンが多くて、日本の特撮を倣うなら真っ昼間の闘いだろう、と不満だったけど、その部分については今回は大満足。

ただ、そのような派手な格闘シーンのわりには、登場するキャラクターが直情的な性格の人間ばかりで、前作よりもストーリーが直線的で深みがなくて、全体的にギレルモ・デル・トロ版よりさらに「お子様ランチ」感が増大していた。まあ、最初から「お子様ランチ」を楽しむんだ! と食べれば、美味しいんだけどね。

→スティーヴン・S・デナイト→ジョン・ボイエガ→アメリカ/2018→109シネマズ木場→★★★

監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーブン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン、ニコラス・ジョーンズ、サミュエル・ウェスト、デビッド・バンバー
原題:Darkest Hour
制作:イギリス/2017
URL:http://www.churchill-movie.jp
場所:角川シネマ新宿

誰もが知っている歴史的な著名人にどのような功績があったのかはびっくりするほど知らない。日本史でもそうなんだから世界史ならなおさらだ。ウィンストン・チャーチルもそうだった。日本人がチャーチルの名前を聞いた時に真っ先におもい浮かべるのは葉巻をくわえた太ったおっさんの写真くらいで、イギリスの首相として第二次世界大戦中にどんなことをしたのかなんてまったく知りもしない。

ジョー・ライト監督の『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』を観て、第二次世界大戦の序盤でのイギリスの窮地が驚くほどギリギリだったことにはびっくりした。昨年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』で描かれた「ダイナモ作戦」での戦況は、それを失敗すればヒットラーにひれ伏さざるをえない微妙な状況だったのだ。

そこを救ったのがチャーチルだった。同じ保守党内での人気はまったく無く、馬鹿だ、変人だ、って云われて続けていた男が、戦時の挙国一致内閣を作る条件として野党の労働党が推したために首相にこそなったが、元首相のチェンバレンやハリファックス外相をコントロールするのは難しく、彼らが主張するナチスドイツとの和平交渉(をすればナチスの傀儡政権になる可能性大)をせざるを得ない状況に追い込まれていた。が、そこをガラリと一変させたのがチャーチルの「言葉」だった。日本での状況を見てもわかる通り、政治家の発する「言葉」は普通の人間の発する「言葉」よりもとても重く、選ぶひとつひとつの「言葉」が大きな意味を持ってしまう。特に戦時のような特殊な状況で発する「言葉」はさらに人心掌握をする力があって、それは平凡な政治家ではとても無理なはなしだった。

ジョー・ライト監督は、この、近代史の中でもとても重要な時期を切り出して、映像テクニックを駆使して上手く描いていた。ゲイリー・オールドマンもその憎まれっ子のウィンストン・チャーチルを巧く演じていた。

が、これだけ特殊メイクが話題になると、どうしてもそこに目が行ってしまうのが辛かった。無名の役者で、特殊メイクが話題にものぼらずに、観たあとから、えっ!マジ! って気が付くのが理想なんだろうけどなあ。

→ジョー・ライト→ゲイリー・オールドマン→イギリス/2017→角川シネマ新宿→★★★★

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチ、ドン・チードル、トム・ホランド、チャドウィック・ボーズマン、ポール・ベタニー、エリザベス・オルセン、アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタン、ダナイ・グリラ、レティーシャ・ライト、デイヴ・バウティスタ、ゾーイ・サルダナ、ジョシュ・ブローリン、クリス・プラット
原題:Avengers: Infinity War
制作:アメリカ/2018
URL:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/
場所:109シネマズ菖蒲

昨年に公開された『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラストシーンからの流れで、ついにサノスのインフィニティ・ストーン集めのストーリーへと突入。それを引き継いだのが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』だった。

まずは、現在の各インフィニティ・ストーンの在り処。

●スペース・ストーン(青色のインフィニティ・ストーン、「四次元キューブ」に収められてる):アスガルドにあるオーディンの金庫に保管されていたけどロキが回収? おそらくアスガルドの移民船内にある。
●マインド・ストーン(黄色のインフィニティ・ストーン):最初は「ロキ」の杖に、現在は「ヴィジョン」の額(ひたい)に。
●リアリティ・ストーン(赤色のインフィニティ・ストーン):コレクターの保管庫にあったが爆発により所在不明。
●パワー・ストーン(紫色のインフィニティ・ストーン):ザンダー星にて保管中。
●タイム・ストーン(緑色のインフィニティ・ストーン):ネパールの首都カトマンズにあるカマー・タージにて保管中。
●ソウル・ストーン(橙色のインフィニティ・ストーン):所在不明。

この中の、まずはアスガルドの移民船に乗っているロキの手中にあった「スペース・ストーン」がサノスによって奪われるシーンから始まる。ソーも瀕死の状態になるし、アベンジャーズの中でも最強とおもわれていたハルクもまるで赤子の手をひねるようにこてんぱんにやっつけられる。

サノスの絶大な強さを引き立たせるこのオープニングが、なんと云っても素晴らしかった。いわゆる「つかみはOK」で、すっかりと映画の世界に引き込まれる。

そして、いつの間にかに「パワー・ストーン」はサノスの手中に落ちていて(と云うことはザンダー星は…)、結局はコレクターがそのまま持っていた「リアリティ・ストーン」も簡単に奪われてしまう。となると残りはドクター・ストレンジの持つ「タイム・ストーン」とヴィジョンの額にある「マインド・ストーン」と所在不明の「ソウル・ストーン」のみとなった。

と、こんな感じで、ひとつひとつのインフィニティ・ストーンがサノスの左手にあるガントレットにはめ込まれてい行く過程が、まるでゲームのクエストをクリアしていくがごとく、悪役ではあるんだけどその達成感に同調できてしまうストーリーの運びが巧かった。「アベンジャーズ」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の各キャラクターの活躍配分も申し分ないし、観ていて楽しくてしょうがなかった。109シネマズ菖蒲と云う田舎のシネコンでは2D上映は日本語吹き替え版しかなかったので、もう一度、今度は字幕版で観直したい!

→アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ→ロバート・ダウニー・Jr→アメリカ/2018→109シネマズ菖蒲→★★★★