なにやらシェークスピアの「ハムレット」のようなキャラクター設定で、テーマも「To be, or not to be, that is the question.」をベースにしているような復讐への苦悩が描かれている。まあ、本質的には今までの細田守の映画にあったような主人公の苦悩や葛藤を描いていることに変わりはないのだけれど、それをあまりにもストレートに突きつけてくるので、ここまでベタな作品を作る意味をはどこにあるんだろうと最初のうちはわからなかった。ただ、その中でもひとつ面白いとおもったのは、王女スカーレットも叔父クローディアスも現世ではすでに亡くなっていて(いるように見える)、そこから「虚無」になるまでの中間地点での世界(これがオープニングの地獄のような世界だった)が舞台であることだった。
監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ、アラナ・ハイム、ウッド・ハリス、シェイナ・マクヘイル、ポール・グリムスタッド、トニー・ゴールドウィン、ジョン・フーゲナッカー、エリック・シュヴァイク 原題:One Battle After Another 制作:アメリカ/2025 URL:https://wwws.warnerbros.co.jp/onebattlemovie/index.html 場所:MOVIXさいたま
ジェームズ・ガンの『スーパーマン』にも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にあったリズム感のあるノリノリのアクションシーンが健在していた! ジャスティス・ギャングの頭脳担当ミスター・テリフィックのアクションシーンがそれだった。使われている楽曲はノア・アンド・ザ・ウォール(Noah and the Whale)の“5 Years Time”。このようなアクションシーンや、予告編にも大きくフィーチャーされていたスーパーマンが爆風から小さな女の子を覆いかぶさるように守るシーンなど、ジェームズ・ガンが作り出すVFXのイメージ構築はびっくりするほどカッコよく、それでいてストーリーから浮き立つことなくしっかりと溶け込んでいるのがすごい。